静かな紅葉スポット
タクシーの運転手さんとの会話が好きで、特に桜や紅葉のシーズンに乗車すると、
「この時期だったら、お客さんをどこに連れて行かはりますか?」
と、いつも尋ねてしまいます。
町中を隈なく走り回っている運転手さんならでは面白いお話が聞けるかもしれないと期待して。
「そうですねえ。よく京都に来たはるんやったら、おすすめは鹿王院なんですよ」
「ああ、ライトアップもしてはりますよね。嵐電とのコラボで」
「えっ、そうなんですか!?」
時には、自分からの情報に相手が驚くという事もあり、情報交換の場のように移動中の会話を楽しんでいます。
それでは、と法金剛院を教えて下さいました。夏の蓮で有名なお寺ですね。
「“花の寺”とも呼ばれていて、紅葉も綺麗なんですよ」
これは!とばかり、幼い子供と来訪しました。バリアフリーではありませんが、門を潜った裏側の陰にベビーカーを置かさせて頂きました。
池の周りの紅葉は盛りを過ぎていたものの、たくさんの嵯峨菊の鉢が礼堂に映え、一つの木の中で緑から黄色、深紅へと彩りの移ろいを見せる紅葉が日に照らされて、思わず足が止まります。
子供も何か楽しいようで、落葉のクッションの上にたくさんある団栗を拾っていました。優雅な紅葉の足元で、赤と黄色の千両の可愛らしいこと。
紅葉は美しいし、人もまばらで静かだし、駅からも近い。前から知っていた寺院なのに、まさに灯台下暗しですね。
その運転手さんの名刺を頂くのを忘れていました。お礼が言いたいです。