e-kyoto「一言コラム」

ガイドブックには載っていない、スキマ情報をご紹介していきます。

「序の舞」

10月25

butai 金剛能楽堂にて24日に行われた「先代宗家金剛巌 十三回忌追善能」にて、ご宗家・金剛永謹さんが「定家」を舞われ、ご子息・龍謹さんが「道成寺」を披かれました。
いずれも全く異なる描き方で人間の「執心」を採り上げた大曲です。

「道成寺」でのクライマックス、落下する鐘の中にシテが飛び入る名場面の前には、演者も観客も会場の全ての人が一体となって息を潜め、舞台の中央に向かって大きなエネルギーが集中するのを感じました。何かが大きく動く事よりも、それに至る「溜め」の部分にこそ醍醐味があると言っても過言ではないでしょう。

なお当能楽堂では、京都国立近代美術館にて始まる「上村松園」展(11/2~12/12)の特別文化講座として、松園の代表作「序の舞」について宗家によるお話と実演が11月6日に予定されています。

次期宗家の決意

1月24

今週末、23日の金剛定期能「翁」は是非ご覧頂きたいと思います (※情報は掲載された当初のものです。ご了承下さい※)
他の演目とは異なって演劇的要素は無く、天下太平を祈る宗教的儀式のようなもので、厳かな空気に包まれた舞台の上で、翁役の金剛龍謹君が面を付けます。
まだ高校生とはいうものの、次期宗家として、お父様の金剛永謹さんのご指導のもとでこれから、学業の傍ら長く厳しい修行を積み、長年の伝統と歴史を担っていく決意の瞬間を、この能舞台の上で見届ける事ができます。

コワーイ演目「鉄輪」

8月23

金剛能楽堂・蝋燭能を観に行ってきました!
ゆれる蝋燭の炎と月明かりのように青白いライトに照らされる薄暗い舞台で演じられたのは「鉄輪」。
自分を捨て後妻を迎えた夫を恨み、恋しさと恨めしさにさいなまれながら鬼へと変化していく女の姿が、前半から後半へと付け替えられた面に現れています。
この蝋燭能は11/26にも行われます。演目は「紅葉狩」。
能楽堂で販売している「対訳でたのしむ」シリーズ(檜書店)が分かりやすくておすすめです。 カジュアルに能鑑賞を→8/28に京都駅ビル薪能
金剛宗家・龍謹君の演技を観たい→9/26の定期能

2004年8月23日 | 芸能・アート | No Comments »

能楽金剛流、金剛永謹・龍謹親子競演

6月21

新・金剛能楽堂の開館1周年記念公演を鑑賞しました!
能楽五流の中で唯一京都に宗家を置く金剛流の26世宗家、金剛永謹氏が「淡路 急々之舞」を舞い、ご子息の龍謹君が「鷺」を披き、まさに父の日の親子競演でした。

「鷺」は還暦を過ぎた者か、元服前の少年しか舞えない曲で、龍謹君は16才。初シテを勤めた小学生の頃より随分と背が伸び、面無し(直面・しためん)の、ハーフの様な凛々しい風貌には精悍さが現れていました。
龍謹君の次回の公演は9月に行われます。もちろん直面です♪

2004年6月21日 | 芸能・アート | No Comments »