鴨川の源流
深泥池近くにある「レディオベーグル」でランチを買い込み、鴨川に沿って車を北に走らせました。目指すは鴨川の源流・岩屋山志明院。
お寺の奥様によると、隔年で実をつけるというもみじは、養分を実に取られてしまうため葉の色づきが悪くなるといい、来年ならもっと美しくなるだろうとのこと。
山門より奥の聖域は撮影が禁止されているため、カメラを受付に預けて石段を登りました。
岩のくぼみにひっそりと佇む仏様達は、暗くてお顔も見えません。頭上の岩肌からは水滴が落ちてきます。これが鴨川を形成する最初の一滴でしょうか。
ここを度々訪れていた小説家・司馬遼太郎氏が志明院での体験を映画監督の宮崎駿氏に話し、そこから宮崎アニメ「もののけ姫」が誕生したのだそうです。
木の声、虫の声、風の音。もしかしたら、自然界の言葉を聴く力を失ってしまったのは人間だけなのかもしれません。
高雄と嵐山の紅葉
高雄の紅葉は、1~2週間後、嵐山の紅葉は2週間後辺りが見頃を迎えそうです。
真っ赤な盛りも良いですが、少し手前の頃は優しい色合いをしています。
嵐山もみじ祭は、春の三船祭と嵯峨大念仏狂言を一つに凝縮したかのようなお得感のあるイベントでした。嶋原の如月太夫の流れるようなお点前と堂々とした太夫道中には、美しい紅葉を観た時と同じ溜息を漏らしてしまいました。
高雄・神護寺では、年配の参拝者も、あの急な石段を果敢に登っていました。
ライトアップは華美な演出が無く、澄んだ空気が胸をスッキリとさせてくれます。
なお、嵐山~高雄間は、「嵐山&高雄フリーきっぷ」や「嵐山高雄パークウェイバス」があるので、異なる風情を一日で満喫できます。
高雄と岩倉
京都の北西・高雄に住む知人が「11月10日前後が高雄の紅葉の見頃」と連絡を入れてくれました。ちょうど、「弘法大師 空海 入山千二百年紀」の特別拝観とライトアップの実施期間が重なるタイミングです。
京都府立植物園によると、市内の紅葉の見頃は例年と同様に、10月下旬~11月中旬になりそうとのこと。
先週の半ばに岩倉実相院を訪れましたが、染まりかけの紅葉と瑞々しい青もみじの両方が望め、それまでカメラのレンズの如くギラギラと張りつめていた自分の目元が緩みました。朝の小鳥のさえずりとひんやりと引き締まった空気、ころころと軽やかな水音だけが響く様は、言葉や画像だけで伝えられるものではない。改めてそう思いました。
今でこそ人里離れた土地でさえ公共交通で足を踏み入れる事ができますが、それぞれの地に身を置いた先人の思いに少しばかり触れられる気がします。
大徳寺黄梅院
「紫明 卯庵」と大徳寺黄梅院での「盲導犬支援チャリティー茶会」に参加しました。
「紫明 卯庵」は随筆家の故・岡部伊都子さんが長年住んでいた家で、12月の毎週水曜日にTV番組「知る楽 こだわり人物伝」で岡部先生の特集が組まれる予定だそうです。
黄梅院は現在秋の特別公開中で、修復中の「自休軒」の内部も観る事ができます。
「自休」とは、自ずから立ち止まって真剣に向き合うこと。一考すること。周りの助言からではなく、自らが自発的に立ち向かっていくことだそうです。
今年の紅葉の色づきは冷夏の影響で遅いかとおもいきや、ここ最近の朝晩の冷え込みで、端からうっすらと染まり始めている木が所々見られるようになってきました。
立ち止まる事もままならない程毎日に追われているのなら、思い切って予定も立てずに京都へ飛んでみませんか?
織部流扶桑派のお茶会
珍しい「織部流扶桑派」のお茶会が、建仁寺両足院で催されました。
フランス人旅行者と同席となり、副住職や半東さんが流暢な英語でご解説。
戦国武将・古田織部の創始とされる「サムライスタイル」の流派なので、最もカジュアル(簡素)な「草」のお点前が無いそうです。茶碗や道具が高台や盆に乗せられ、まるで大名同志の茶会!?
ざらざらとした手触りの伊羅保(いらぼ)の茶碗は月面のよう。大きな円形の水指は、満月の様な白い木地の蓋を取ると、影となった水面がまるで新月の様でした。
「お茶碗の拝見は、次客へこんな感じで送って宜しいのでしょうか?」
「ええ、月面着陸でお願いします。」
お客の殆どが初心者の席でしたが、和気藹々と和やかに楽しめました。
観光地に住む人々
茶碗坂のふもとにある個人宅へ料理を習いに行って来ました。
今はまだ甘味が少ないいちじくですが、今月の終わり頃になると城陽産のものが美味しいそうです。
先生のご自宅は清水寺のお膝元。窓の外は観光客が行き交う姿が絶えません。
特に観光シーズン中は細い坂を観光バスやタクシー、マイカーが登り家路は一苦労だといいます。
うっかり車で出かけて戻って来たら大渋滞!普段の所要時間が30分のところを2時間もかかってしまったとか…。
人気の観光地に住む人達は大変ですね。
建仁寺両足院
建仁寺の塔頭・両足院では、葉の一部が白く変化する半夏生(はんげしょう)が見頃を迎えています。
臨池亭での呈茶席にて、初めてお茶室での煎茶道のお点前に触れる事ができました。
壁のほぼ一面分がまるごと切り取られたかのような開放的な空間に、瑞々しい緑の庭園からの風が吹き抜けて行きます。
途中で雨が降りだし、珍しく雷鳴の中でのお茶会となりましたが、恵みの雨を吸いこんで甦った方丈前の苔を眺めながら、ゆっくり雨宿りをさせて頂きました。
普段は非公開ですが、朝鮮通信史ゆかりの寺宝や重要無形文化財保持者・清水卯一親子三代の京焼の展示、国宝・如庵写しの茶室「水月亭」、虎市など、見所の多い塔頭です。
両足院の新緑画像はこちら。








