e-kyoto「一言コラム」

ガイドブックには載っていない、スキマ情報をご紹介していきます。

上七軒歌舞練場ビアガーデン

8月30

beer上七軒歌舞練場ビアガーデンに行ってきました。
ここでは夏着物姿の舞妓さんが各テーブルを回り、隣に腰掛けて話しかけくれます。
別席には綺麗な芸妓さん達や、浴衣の旦那衆の姿も。

「おっしょさん(お師匠さん)が、『最近大人の色気が出てきた』って言ってくれはって、とっても嬉しいんどす~」。
普段は花街で見かけても少し遠巻きに眺めていた舞妓さんと、間近でお喋りできるチャンス。
ありきたりな話題じゃ勿体ない。事前に質問を考えておき、ここだけのプライベート話も聞き出しちゃう!?

ビアガーデンは今週末まで。今夏最後の思い出作りにどうぞ。

「清経」

8月17

816京都御苑の向かいにある金剛能楽堂にて、大文字送り火の直前に催される『大文字送り火能 ~蝋燭能~』。今年の演目は「清経」でした。
源氏に敗れ入水した清経の霊に向かって、都に残された妻は恨めしい気持ちをぶつけ、清経もまた、形見の髪を返してきた妻を嘆きます。

奇しくも五山の送り火の前日は終戦記念日。お盆はほんの僅かな間の魂の里帰り。
炎を眺める心の中は、「まだ行かないで欲しい。けど、送り出さなければならない。」。

清経」という曲は、もしかすると戦争で愛する人を失ってしまった人々の心にも染みるものなのだろうか。ふと思いました。

2010年8月17日 | 芸能・アート | No Comments »

「翁」に願いを

7月20
金剛能グッズ

金剛能グッズ

今年も金剛能楽堂の能面・能装束展を観に行って来ました。
やはり、一日2回ある解説の時間に合わせて行くと、興味が倍増します。

中でも年の初めや何かの節目の際に用いられ、神面として大切にされている「翁」の面は、能が成立する以前には呪師が儀式の際に掛けていたといい、人々は翁の面に向かってお願い事をしていたのだとか。
「現在は能役者が演じているけれども、その呪師の力が面に宿っているかもしれない。」とのこと。
この面が何百年という時を経て現在まで伝えられているところを思うと、生命力のような特別な力が宿っていても不思議ではありません。
思わず、翁の面の前で手を合わせてしまうのでした。

25日には「羽衣」等が演じられる定期能、お盆には「大文字送り火能 ~蝋燭能~」が予定されています。

2010年7月20日 | 芸能・アート | No Comments »

革新は核心にあり

6月15

pagong京友禅アロハシャツ「パゴン」で知られる亀田富染工場が、イタリア車のショールームを会場に、染めのアート展(~6/20 11~19時水曜休 075-322-2391)を開いています。

昨夏に始めて企画された「京友禅お化け屋敷」は、映画監督・林海象さんによる映画の特殊技術とサイケデリックな柄の友禅染で演出するもので、今年も7月中旬から開催予定だとか。今や、友禅染が人を脅かす存在になるとわ…。

纏う、広げる、包む、バラバラになる、つなぎ合わせる…。
古くから人々を魅了してきたのは、平面と立体で表情を変える柄行の面白さと美しさ。
伝統産業の無限の可能性は、最も核心的な部分に秘められているのですね。

和紙の緞帳

5月24

doncho約60年ぶりの補強大改修を終えた上七軒歌舞練場に今春から、和紙で作られた緞帳が設置されています。

在京の和紙造形作家・堀木エリ子さんとスタッフが制作にあたったもので、手漉き和紙の継ぎ目の無い大きさに驚くと共に、その上に施された様々な模様はどうやって作り出されるのだろうとこれまで不思議に思っていましたが、その正体はコウゾの茎だったんですね。
照明を当てると、縁起の良い「七宝柄」の意匠の中に、上七軒の紋「五つ団子」が柔らかな光を帯びて浮かび上がるようになっています。
まさに和紙だからこそ、演出は緞帳にまで及ぶようになったのです。

残念ながら、舞台イベントがある時しか公開されないのですが、チャンスがあれば是非観てみて下さいね。

「没後400年長谷川等伯」展

5月11
京博からの景色

京博からの景色

「没後400年長谷川等伯」展が終了しました。最終日の夕方に行くと、待ち時間無く入る事ができましたが、それでも中にはたくさんの人が作品に見入っていました。

実際に会った事が無い人物なのに「リアル」だと感じてしまう肖像画の数々。
絵師としての栄光と引き替えに愛する人々を失った後に描かれたとされる『松林図屏風』を観て、背筋にひんやりと漂うものを感じた人も多かった事でしょう。
同じく代表作『楓図壁貼付』に描かれた草木や花は、三歳で夭折した豊臣秀吉の長男・鶴松が現世で叶えられなかった「命の輝き」をここにめいっぱい咲かせてあげたのかもしれません。

この全ての展示作品に共通するもの。それは喜びも悲しみも憧れも怒りをも内包した「生きた証」ではないでしょうか。皆さんはどう感じられましたか?

2010年5月11日 | 芸能・アート | No Comments »

妙心寺の隠し茶室

3月30
隠し茶室
隠し茶室

妙心寺のとある塔頭を、関係者の方に案内して頂きました。

床の間を拝見していると、隣の立ち入り禁止の結界が置かれている襖をカラリと開けて下さいました。そこには通路が現れ、更にその先の襖を開けると…茶室が現れました!
その昔、妙心寺ではお茶をすることは邪道とされていましたが、それでもここでお茶を楽しみたい、という人のために隠し茶室を設けられたそうです。
以前このお寺を訪れていた際には、床の間の裏に隠し茶室があるとは知る由もありませんでした。

京都は小さな町といえども、まだまだ知らない事がたくさんあるんですね。

アートとしての生物

3月23

kingyo『東京・六本木ヒルズで反響を呼んだ「スカイアクアリウム」が、“金魚”をテーマに大丸京都店(29日まで)で開催されています。

金魚は、突然変異と交雑の繰り返しの中で人間が「観賞用の魚」として人工的に作り出してきた「生きる芸術品」。殆どの品種は水槽の中でしか生きられません。
美しい尾びれをなびかせるものや、頭部に大きなこぶや房があるもの、目が飛び出しているもの。人間に置き換えると少し恐い気もしますが、隣の水槽を覗いている人からは「きれいだね」「かわいいね~」という歓声が溜息と共に漏れています。
これが「アート」であるがゆえに、人々の受け取り方は様々です。
しかしながら、生き物を絵画の様に演出させる技術は、繊細な管理能力の上でこそ成り立ち、簡単には真似のできない芸術だと思います。

撮影は許可されていますが、うっかりフラッシュを焚かないようにご注意下さいね。

ミュージアムぐるっとパス関西2009

12月21

mpassミュージアムぐるっとパス関西2009」を頂きました。
大阪・京都・滋賀・兵庫・奈良・和歌山の加盟博物館施設64館で無料入場や割引のサービスが受けられる太っ腹なパスポートです。
冊子に目を通してみると、京都の「ルイ・ルルー美術館」や、大阪の「上方浮世絵館」、「住まいのミュージアム大阪くらしの今昔館」など今まで知らなかった施設がいっぱい!
パスの有効期間は最初の利用日から3ヶ月間、2009年度分の利用期間は2010年の3月31日までとなっているので、今からでもまだまだ有効活用できそうです。
来春から関西で新生活を送られる学生さんへ、2010年度版のパスをプレゼントするのも良さそうですね。

2009年12月21日 | 芸能・アート | No Comments »

「文化」で生きる

11月30
輪違屋

輪違屋

輪違屋十代目当主が語りかけるように綴る『京の花街「輪違屋」物語』(PHP新書)。
それぞれの花街で踊りの流派が異なるのはなぜか、廓で生きるとはどんな状況なのか、かなり本音の部分にも迫っていておすすめです。
京都検定の公式テキストには「島原ではお茶屋営業がなくなって、現在は五花街が残る」とありますが、輪違屋は日本最古の廓・島原で唯一お茶屋を今でも営み、当主は男と言えども月の半分は小唄や常磐津に踊り、鼓など7種類の稽古で自分を磨きながら300年の伝統を受け継いでいます。
「文化」とは、動物ではないヒトならではのアイデンティティー。しかしながら、人間にとってあっても無くても生きていけるもの。それで身を立てる難しさ。
最後に、輪違屋の今後についての一言に、ピリリと心を刺激されました。

2009年11月30日 | 芸能・アート | No Comments »
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