e-kyoto「一言コラム」

ガイドブックには載っていない、スキマ情報をご紹介していきます。

織部流扶桑派のお茶会

10月5
「明歴々露堂々」
「明歴々露堂々」

珍しい「織部流扶桑派」のお茶会が、建仁寺両足院で催されました。

フランス人旅行者と同席となり、副住職や半東さんが流暢な英語でご解説。
戦国武将・古田織部の創始とされる「サムライスタイル」の流派なので、最もカジュアル(簡素)な「草」のお点前が無いそうです。茶碗や道具が高台や盆に乗せられ、まるで大名同志の茶会!?
ざらざらとした手触りの伊羅保(いらぼ)の茶碗は月面のよう。大きな円形の水指は、満月の様な白い木地の蓋を取ると、影となった水面がまるで新月の様でした。
「お茶碗の拝見は、次客へこんな感じで送って宜しいのでしょうか?」
「ええ、月面着陸でお願いします。」

お客の殆どが初心者の席でしたが、和気藹々と和やかに楽しめました。

東山花灯路&韓国茶禮

3月16

東山花灯路が始まりました。賑わいの中からふと石塀小路へと迷い込むと、驚く程静かです。その一角に、韓国茶道・閑珠流茶禮が体験できる「閑珠房」があります。

吉田珠子先生は、とてもお綺麗で柔らかな物腰の方で、日本の茶道と韓国の茶禮の良いところを組み合わせた独自の作法を紹介されています。
ルールが複雑になり、茶道具が高価なものとなってしまった日本の茶道に比べて、韓国のものはとてもおおらか。華やかな色を好む民族性でしょうか、しつらいや小物がカラフルでとても可愛らしいです。

花灯路の灯りがともる前、チマチョゴリを着てお稽古体験なんていかがでしょうか。

時には「後ろ向き」に

1月20

新年初の茶会、初釜を終えました。

昨年は段取り良く準備できなかった事を今年はできるようになったか、できないままでも少しは進歩したか、毎年同じ催しに参加していると自分の成長具合がよく分かります。
お茶の稽古に限らず、「毎年同じ頃に同じ事をする、同じ場所に足を運ぶ」習慣を持って、一年ごとの自分を振り返ってみるのはいかがでしょうか。

オフシーズンの禅寺は、クールダウンしたい気分に応えてくれます。

 

クリスマス茶事

12月30

聖夜の賑わいも、年の瀬の騒がしさへと変わってきましたね。皆様はどう過ごされましたか?
デンマーク人茶道家宅でのクリスマス茶事に参加しました。
点前座の上にはお星様が吊され、馬小屋と飼い葉桶に見立てた風炉先と棚の中には、白い布にくるまれた茶入れ(イエス・キリスト)が。水差しは聖母マリアを見立てています。
漆の盆に並べられた懐石代わりのお食事は奥様お手製の北欧の伝統料理。ちょっと強いお酒に体が火照ります。薄茶席のチョコレートも、後席のクッキーも全て手作りとは驚きです。
障子を開けると、露地の向こうには大きなもみの木のツリー。街角のお手軽な電飾の青白い炎とは違い、ろうそくのオレンジ色の灯はとても暖か。
茶道家の優しい微笑みは、まるでサンタさんのようでした。

2004年12月30日 | 未分類 | No Comments »

茶道って結局何をするもの?

1月24

茶道って結局何をするもの?」「おもてなしの心を学ぶ」って?

例えば人を招待する時、部屋に花を飾り、いいティーカップを出したりします。客人は自分が先にお茶を頂く際に周りに挨拶をしたりしますね。お茶の世界でも、茶会で床の間に花を生け、とっておきの器を用意し、お客は隣の人に「お先に」と挨拶をします。

「お点前」とは「器を出し、清める」→「お茶を点てる」→「お茶碗等をお披露目する」といった、お茶会全体流れの中の一部分であり「作法」とは道路交通法の様なもの。渋滞を起こさないためには形だけにとらわれず柔軟な気配りができる事が大切なんですね。

2004年1月24日 | 未分類 | No Comments »