e-kyoto「一言コラム」

ガイドブックには載っていない、スキマ情報をご紹介していきます。

中国風の精進料理

7月5

haku

宇治の萬福寺門前にある「普茶料理 白雲庵」。もとは万福寺の塔頭であったことから、大きな酒樽で作られた茶室には白雲庵の開山・自悦禅師の木像が安置されています。

隠元禅師より伝えられたという中国風の精進料理・普茶料理は見た目も華やか。
品数も多く意外にボリュームがあって満足感があるので、外国人客へのおもてなしにも利用させて頂きましたが、見た目からは何でできているのか日本人でも想像がつきません!より良いガイドをする為には、あらかじめ少人数で訪れてお店の方に色々と解説を受けておくのも良いかもしれない、と感じた覚えがあります。

少量ずつ取り分けられ淡白な味かと思いきや、噛み締める度にひと品ひと品が丁寧に作りこまれているのが伝わってきます。
来客用のお精進ではありますが、時間の流れがめまぐるしい現代において私達は「過去」や「未来」に目を向けがちですが、「今この瞬間」に感謝をして、大切に味わう事こそ今必要な修行の様な気がします。

2011年7月05日 | お寺, お店 | No Comments »

祭・祀・奉・政(まつり)

6月27
試し曳(ひ)きの様子
試し曳(ひ)きの様子

ユネスコ無形文化遺産に登録されている「京都祇園祭の山鉾行事」が1日からいよいよ本格的に始まります。

祇園祭が、疫病退散を願った御霊会に始まったように、「祭」とされるものは、自然と共に歴史を歩んで来た農耕民族・日本人の、神に対する畏れの現れです。
「祭」はまた、それを守り伝えようと人々が団結し、コミュニティーの結束を強める作用があるようです。
「便利で快適であることが幸福」だと思い込み、従来の集団行動を避け、「個」立が声高に語られる中で、自分達の力だけではどうにもできない自然災害や病などに見舞われたとき、それでも生きていく力を授けてくれるのは人と人との絆であることを、先人が「祭」を通して教えてくれているように感じます。

今年の祇園祭は、そんな祭の意義をより意識しながら楽しみたいと思います。

 

2011年6月27日 | イベント, 神社 | No Comments »

鞍馬寺・竹伐り会式

6月21

take鞍馬寺・竹伐り会式に行ってきました。

開始直前に現地入りしたため舞台に近づけず、撮影は困難を極めましたが、青竹が大きなかけ声と共に次々と切られていく様は爽快。本当に厄が祓われていくようです。

終了後はパワースポットとしての人気のためか、多くの人が貴船へと続く山道へ消えていきました。
なお、鞍馬寺の本堂金堂から霊宝館までは登りの階段を含めて約100メートル、霊宝館から奥の院までの道のりはおよそ登りで15分下り15分、更に貴船まで抜けるなら1時間、そこから叡電「貴船口」駅まで徒歩20分とのこと。

鞍馬温泉に浸かり、鞍馬寺をお参りした後で明るいうちに(木陰のため16時以降は暗くなります)貴船まで歩き、川床でせせらぎを聴きながらお食事、蛍鑑賞でシメ!なんて健脚コースはいかがでしょうか。

創作和菓子が食べられるお店

6月14
※画像は4月撮影のものです
※画像は4月撮影のものです

畳の上でなくても、お薄と和菓子が欲しいな、と思う時ありませんか?
季節を繊細に映した伝統的な和菓子も好きだけど、見たことも無いようなお菓子に出会えるお店を紹介します。

数寄屋風カウンターが粋な「SOU・SOUしつらい」では、懐紙代わりに敷かれたオリジナルテキスタイルとお菓子が一体となって一つの作品に仕上がっています。
錦天満宮の湧き水で淹れられたコーヒーやお抹茶と共に楽しめます。

平野神社近くにある「エポケカフェ」。蚤の市を開いたり、併設のギャラリーのテーマに合わせて店の内装まで変えてしまうというキャンバスの様なお店です。
こちらで食べられるのは、京の老舗和菓子店で培った伝統技法をベースに、自由な発想で遊び心のある作品を日々生み出している創作和菓子ユニット「日菓」のお菓子。
こちらでは、ゆらゆら揺れる“ブランコ席”がおすすめです。

舞妓さんとお座敷遊び

6月6
「金比羅船々」
「金比羅船々」

舞妓さんとお座敷遊びの体験が5,000円でできるプランを見つけたので、参加してみました。

お食事が進んだところで、宮川町のふく鈴さんと地方さんが登場。
卓上に置いた徳利の袴を巧みに取りあう駆け引きが面白い「金比羅船々(こんぴらふねふね)」。だんだん早くなる三味線の調子にこちらは慌てるものの、ふく鈴さんは「追風に帆かけてシュラシュシュシュ~♪」と謡いながら涼しい顔。
一方、屏風を隔てて全身でじゃんけんをする「トラトラ」では立場が逆転。観客の方が強みを見せて舞妓さんを打ち負かせていました。

舞妓さんを初めて間近で観るという友人は、「隣に座って話しかけられるとなんだかドキドキする」と緊張していましたが、軽妙なトークでリードする地方さんと老若男女を問わずに盛り上がれるお座敷遊びのお陰で、「お茶屋でお座敷遊びがしたくなる気持ちが分かった」とすっかり興奮気味でした。

「疏水物語」と「京都の水」

5月31

mizu この春から、非常用持ち出し袋を作って枕元に置いています。

各地方自治体の水道局から販売している水道水が、災害用備蓄飲料水として注目されており、京都市上下水道局による「京の水道 疏水物語」は、主に京都市民を対象に販売されています。
先日震災チャリティーイベントで購入した「京都の水」は、京都府営水道が今春に販売し始めたばかりのもので、「国民文化祭・京都2011」PR隊長の「まゆまろ」と琵琶湖がプリントされています。
現在は京都府庁内の生協と、京都府立植物園の売店にて1本100円(500ml)で購入でき、発送を希望の場合は、府庁内の生協にご相談を、とのこと。

「供えあれば憂いなし」と、あれも、これもとリュックに詰めていくうちに、いつの間にかずっしりと重たくなってきました。
果たしてこれでいざという時に背負って走れるのか、それが目下の課題です。

2011年5月31日 | 未分類 | No Comments »

老舗の抹茶おやつ

5月24

oyatu京都好き女子にとって、抹茶スイーツ巡りは寺社観光に並ぶ魅力的な巡礼コース。
敷居が高いものの代名詞の様だった「抹茶」が、「抹茶スイーツ」の台頭によって、いつしかチョコレートと双璧となるくらいにコンビニの棚を埋め尽くすようになりました。

バレンタインに、父の日に、敬老の日にと、抹茶を使ったお菓子を作るときには、「京都・丸久小山園に教わる 老舗の抹茶おやつ」が役立ちます。
変色しやすく苦みもある抹茶を扱うためのコツを京の茶どころ・宇治の老舗から学び、なおかつ家庭の台所でも作れるようにと、詳細な行程写真と共に紹介されているレシピが嬉しい一冊です。

鮮やかな濃い緑色は、茶葉の栄養がたっぷりと詰まっているようで、誰かのために作ってあげたい、との思いを起こさせます。
「おやつ」とは、手作りのぬくもりを感じる言葉ですね。

2011年5月24日 | お店, 書籍 | No Comments »

葵祭・走馬の儀

5月16

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今年の葵祭は休日と重なり、お天気にも恵まれた中で無事終了しました。

小学校の課外授業で行列(路頭の儀)を見学したのを最初に、露払いである流鏑馬神事なども何度も観ていて知ったつもりになっていましたが、同じ祭事でも場所を変えて観たり、それぞれの賀茂社で行われる走馬の儀など、まだまだここで伝えきれていない事がたくさんありました。また、毎年その日限りの祭事を取材し尽くす事の難しさも実感しました。

献茶祭などまだ葵祭を締めくくる行事が残されていますが、京都三大祭の祇園祭は7月に、時代祭は10月、日本三大勅祭の一つに数えられる石清水祭は9月にそれぞれ京都で催行されます。

2011年5月16日 | イベント, 神社 | No Comments »

山蔭祭・生間流式包丁

5月9

siki

吉田神社の境内、料理飲食の神を祀る山蔭神社で生間流式包丁が奉納されました。

料理店や業界関係者が静かに見守る中、美しく研ぎ磨かれた庖丁刀と箸が辺りを清めるかのように厳かに宙を舞い、それから一切手を触れる事無く鯉や鯛をさばきます。
頭部と大きな背骨だけがするりと身から引き抜かれ、まな板の上で横たわっていたところを、最後の包丁ひとふりで立ち上がらせる技はお見事。
世界に誇る京都の食文化が、自然の恵みと職人達の熟練技によって支えられている事を改めて実感させるものでした。

今後の式庖丁の奉納予定は、「有職料理・萬亀楼」のH.Pに掲載されており、当店では予約制で食事の前に式庖丁を見学(有料)する事ができます。

助け合うため「違い」を持って生まれた

4月25
国際会館前の宝々池

国際会館前の宝々池

職種や得意分野を活かした被災地支援は、人それぞれに違う特性を持っているからこそ、他者には思いつかない角度からの活動ができると思います。
中には「私は体力も無いし、医学の知識も無いし、人々の心に寄り添う唄を謡う事もできない。義捐金を寄付しただけでは何だか申し訳なくて…」。被災地の現状を聞く度に罪悪感を覚えている人も多いと思います。
たとえ「祈ることしかできない」状況だったとしても、この時目で見たこと、感じたこと、学んだ教訓を後々に次世代へと語り継いでいけばいいのではないかと思います。

もうすぐゴールデン・ウィーク。金剛能楽堂国立京都国際会館などでは、チャリティー・イベントが開催されます。ぜひ幅広い年齢の人々に参加してもらいたいと思います。

色んな支援のかたちがあります。

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