e-kyoto「一言コラム」

ガイドブックには載っていない、スキマ情報をご紹介していきます。

カカオマーケット バイ マリベル

10月28

cacao 秋になるとチョコレートが食べたくなるのはなぜ?今年9月にオープンした「カカオマーケット バイ マリベル」には、早々に足を運んでいました。
小規模ながら外観と内装もアンティーク風の凝った造りで、中央のオブジェは、天井を舞う天使たちの足元から白茶のチョコレートが滝の様に流れ落ち、燻した金のハンドルを回すと、艶やかなチョコボールが溢れ出てくるという夢のような仕掛けです。

お買い物やテイクアウトがメインのお店ですが、屋内と外には少しだけ席があり、目前にある祇園白川のせせらぎを聴きながら軽食を頂くこともできます。
オーダーしたホットチョコレートが小さな小さな紙コップで出されたので驚きましたが、その味はまったりと、舌で重量を感じる程に濃厚。普段チョコレートを食べていて余り気にする事が無かったけれど、改めてカカオ豆の存在を意識した風味でした。
傍らに用意されているミルクで自由に注ぎ足せるのが嬉しいところ。

運良く席が空いていれば、来年は川面を染めるを眺めながら、「お花見カカオ」を楽しめそうです。

2013年10月28日 | お店, グルメ | No Comments »

京都文化博物館「八重の桜」展

8月5

yae いよいよ、NHK大河ドラマ「八重のの京都編が始まりました。
京都文化博物館で開催中の「八重の」展のギャラリートークでは、学芸員と共に展示室内を巡りながら、見どころやエピソード、そして展示構成に込められた思いを感じ取る事ができます。
今回の展示のテーマは「故郷の喪失」。新政府軍の凄まじい砲撃を受け続け、ぼろぼろになった鶴ヶ城の写真から始まり、美しい錦の御旗と対照的に置かれた焼瓦、孝明天皇から松平容保へ授けられた宸翰(しんかん)、そして最後を飾るのは昭和3年に京都の金戒光明寺で撮影された会津会の記念写真。
この年は、昭和天皇の弟・秩父宮雍仁親王と旧会津藩主・松平容保の六男・松平恒雄の長女・勢津子の婚儀が行われ、それまで「逆賊」「朝敵」とされてしまった旧会津藩の人々の心に重くのしかかっていた暗雲が晴れ、ようやく復興の光が差し込んで来た事を意味するのです。
苦難を幾度も乗り越え、郷土愛によって結集した会津の人々が確かにそこにいた。
それもまだほんの80年程前のこと。胸がじーんとしてしまいました。
戦国幕末時代が多い大河ドラマで、明治維新以降が描かれていくのは珍しい事ではないでしょうか。
原発事故によって被害に遭われている人々、故郷に帰れなくなってしまった人々にとっては自身の境遇と重ね合わせて辛い思いもあるかもしれませんが、これから立ち上がっていく八重たちの姿を、見届けて頂きたいと願います。

2013年8月05日 | 歴史 | No Comments »

今井食堂のさば煮

4月9

imai 週末の台風の様な風が吹いた後、京都のはどうなっているでしょうか?
の定点観測のため加茂川沿いの道を走っていると、散り始めたがひらひらと空中を流れてきました。
ソメイヨシノの花はもう半分程になってしまいましたが、半木の径のベニシダレザクラや上賀茂神社境内の斎王桜、みあれ等は強風にもめげずに見事に咲き誇り、道行く人々を喜ばせていました。

門前の神馬堂で焼き餅を買おうと思ったら、お昼前にして売り切れ!しかしそこでタダでは帰りません。そのまま道なりに進んで、昔ながらの「今井食堂」(075-791-6780)で名物の「さば煮(3切れ500円)」を買ってみる事に。
平日でも少しだけ待ちましたが、帰宅して早速お昼のおかずとして頂きました。どこに骨があるのか分からない程柔らかく炊かれた鯖は、しっかりと味が染みこんでいながら塩辛いという事もなく、どこかニシンそばに似た味がしました
総菜屋に売られている様な濃くて甘い味付けが苦手な人にもおすすめです。
お弁当の持ち帰りもできるので、近くの加茂川の吹雪と芝生の中で食べる事もできそうですね。

遅咲きで知られる仁和寺の御室もただ今見頃とのこと(公式ホームページで咲き具合を告知しています)。
週末までもってくれるといいですね!

東寺・夜桜ライトアップ

4月1

toji 東寺で夜のライトアップ。「京都駅に寄ったついでに撮影して帰ろう」くらいの気持ちで向かったのですが、五重塔を背にした「不二」を目前に立ちすくんでしまい、しばらくその場から動けなくなってしまいました。
まるで噴き出す水の流れを一瞬止めてしまったかの様に見事な八重紅枝垂れ
東北・盛岡の生まれだというこのの大木を目で追うと、土から養分を吸い上げ、空目がけてまっすぐに伸び、やがて徐々に枝の力を緩めて再び土の方へと戻っていく。
この世に「気」というものがあるとしたら、それが目に見える形になったものが植物の姿なのではないでしょうか。住む場所が変わっても、眺める人が変わっても、繰り返される命。
ただただ毎年花をつけて、生き続けてきただけなのに、これだけ多くの人の心を動かし、スポットライトを浴びている事に、自身も驚いているかも?
「不二桜」を噴水や滝に例えるなら、瓢箪池の東側の並木は綿花のようで、まるで五重塔が気持ちよさそうに泡風呂に入っているかのようでした。

『熊野(ゆや)』と「地主桜」

3月4

yuya 世阿弥の娘婿・金春禅竹の作とも言われ、能を代表する曲の一つ『熊野(ゆや)』。
能楽金剛流宗家の長男・金剛龍謹さんによる「龍門之会」で初めて鑑賞しました。

故郷にいる母の病を案じながら、清水での花見の宴で舞い、勤めを果たす平宗盛の愛妾・熊野。
面はわずかにうつむき、心の曇りを写しだしているかのようです。
鼓の音が突然の村雨を表し、雨に打たれて散るを母の姿に重ね、扇で受けとめる情景が美しい。
翌日、『熊野』に登場する「地主」があるという地主神社に足を運んでみました。
清水の舞台の近くにあり、なおかつ縁結びのパワースポットとして人気の神社のため、若い女性や外国人旅行者で混み合う中で、
『熊野』の村雨降る感傷に浸る事は叶いませんでしたが、「えんむすび祈願さくら祭」でも謡曲「熊野」を聴く事ができるようです。

地主権現の、親と子の縁を結ぶ働きのためか、宗盛から帰郷の許しを得た熊野。無事に母の顔を見る事はできたのでしょうか。

京都府立植物園の夜桜

4月16

shokubutuソメイヨシノの開花もピークに達し、しだれがほぼ満開を迎えようとしています。
京都府立植物園のしだれも8~9分咲きで、「ライトアップ2012」は17日まで期間が延長される事になりました。→→動画はこちら

当植物園は、国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」にて無重力状態で保管されていた円山祇園枝垂など全国の名桜14種類の種を「宇宙」として育てています。
桜林の歩道沿いにある細い若木の「高桑星桜」も「宇宙桜」に含まれるものと同じ品種で、岐阜市の「高桑保存会」から2月に贈られたばかり。
夜間は確認しにくいかもしれませんが、花弁が白い星のように見える品種で、関西で見られるのは同園だけ。今月の20日過ぎまで順次咲くそうです。

お昼間の植物園も、近くの半木の道の紅しだれと合わせてお楽しみ下さい。

映画村さくらまつり

4月9

eiga京都のは寺社だけにあらず。東映太秦映画村のあちこちで染井吉野やしだれ桜の大木、里見浩太朗さん植樹の八重などが青空の下で満開になっていました。
昨秋からアニメミュージアムや忍者屋敷の新設、お化け屋敷の改装などが進められてきた映画村は敷地が約3割拡張され、JR太秦駅からのアクセスも徒歩5分以内と大幅に短縮されました。
昼食には、日本で初めてラーメンを食べたという水戸黄門さんの「水戸藩ラーメン」。
明の儒学者から伝えられたレシピを再現し、五辛を添えた当時の薬膳風になっています。
箸袋は日本刀、貯金箱としても使える御用提灯ビールジョッキ、思わず「控え居ろう!!」と突き出したくなるような印籠型の最中アイスなど、遊び心満載のグルメグッズは時代劇に馴染みの無かった人でも気分が上がります。
東映の役者さんに案内してもらったり、チャンバラや花魁道中を観たり、忍者修業をしたりと盛りだくさんなので、映画村を十分に楽しむなら午前中から入村しましょう。
なお、2012年秋にも新施設がオープン予定だそうです。

春の便り

3月21

garden朝のウォーキングを再開して2ヶ月程が過ぎました。
最初はすれ違い様に軽く会釈をするだけだったけれど、今では挨拶をする顔見知りの人も増えて来ました

しばらくサボっていた間に宝ヶ池の畔のカフェ(「カフェ&ランチGarden(ガーデン)」075-706-5980)がお洒落にリニューアルしていて、わんこと一緒にコーヒーやカレー等の軽食を楽しむ夫婦連れの姿も見られます。
朝日がきらきらと反射する池を一周した後、まだ少し寒いけれどソフトクリームをテイクアウトして自分にご褒美。
近くの広場のベンチに腰掛ければ、池の向こう遠くに比叡山がゆったりと横たわっています。
梅林園の回廊を紅白交互に彩る梅は今が盛りで、ランニングする人ついつい回り道。手前の大きなの木も出番を待っています。

まだ寒暖差の大きい日が続きますが、春の便りは、ようやく洛北にまで届いて来たようです。

2012年3月21日 | 未分類 | No Comments »

京都洛東迎賓館

4月18

rakuto吉田内閣での国務大臣・大野木秀次郎氏の自邸を活かし、現在はハウスウエディングの会場となっている京都洛東迎賓館
普段は和食の要素を取り入れたイタリアン&フレンチの「レストラン秀岳」として予約制で営業しており、外国人観光客にも好評だそうです。
昭和11年創建の屋敷の両側には回遊式の日本庭園と、美しい芝生の庭園が広がっているのがユニーク。様々な貴賓を迎えてきた和洋の調度品はどれも本物ばかりで、重厚な唐破風のある車寄せの前には、ちょうど枝垂れが咲いていました。

京都での挙式を望む人々から人気を集めているのは、ここが氏のお孫さんによって今でも「おもてなしの館」として受け継がれているからなのだと感じました。

2011年4月18日 | お店 | No Comments »

東福寺塔頭・勝林寺

4月4
普段は写経もできます

普段は写経もできます

東福寺の鬼門に建ち一山を守る塔頭・勝林寺。普段は一般非公開ですが、今だけ本尊のご開帳や座禅など特別な体験ができます。

秘仏の毘沙門天立像・吉祥天像・善膩師童子像はそれぞれ夫婦・親子の仏像で、これらが安置されている奥の間と本殿とを結ぶ板の間は、天に通じる空間として床に傾斜が付けられており、この様な珍しい設計は他において観た事がありません。
毘沙門天の使いであるムカデの装飾や、大襖絵に描かれた虎も、手触りが伝わってきそうな程にリアル。東京から訪れ、本格的な精進料理を体験されたという方は「美味しかった~」と、満足げでした。

静かな境内の片隅にある桜の木はまだ蕾でしたが、散った後に地面がの花びらで覆われ様が美しいそうです。

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