e-kyoto「一言コラム」

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京都文化博物館「八重の桜」展

8月5

yae いよいよ、NHK大河ドラマ「八重の桜」の京都編が始まりました。
京都文化博物館で開催中の「八重の桜」展のギャラリートークでは、学芸員と共に展示室内を巡りながら、見どころやエピソード、そして展示構成に込められた思いを感じ取る事ができます。
今回の展示のテーマは「故郷の喪失」。新政府軍の凄まじい砲撃を受け続け、ぼろぼろになった鶴ヶ城の写真から始まり、美しい錦の御旗と対照的に置かれた焼瓦、孝明天皇から松平容保へ授けられた宸翰(しんかん)、そして最後を飾るのは昭和3年に京都の金戒光明寺で撮影された会津会の記念写真。
この年は、昭和天皇の弟・秩父宮雍仁親王と旧会津藩主・松平容保の六男・松平恒雄の長女・勢津子の婚儀が行われ、それまで「逆賊」「朝敵」とされてしまった旧会津藩の人々の心に重くのしかかっていた暗雲が晴れ、ようやく復興の光が差し込んで来た事を意味するのです。
苦難を幾度も乗り越え、郷土愛によって結集した会津の人々が確かにそこにいた。
それもまだほんの80年程前のこと。胸がじーんとしてしまいました。
戦国幕末時代が多い大河ドラマで、明治維新以降が描かれていくのは珍しい事ではないでしょうか。
原発事故によって被害に遭われている人々、故郷に帰れなくなってしまった人々にとっては自身の境遇と重ね合わせて辛い思いもあるかもしれませんが、これから立ち上がっていく八重たちの姿を、見届けて頂きたいと願います。

2013年8月05日 | 歴史

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