e-kyoto「一言コラム」

ガイドブックには載っていない、スキマ情報をご紹介していきます。

ご飯の脇の「ご馳走」

12月21

siba9その昔、北海道出身の友達が「京都の冬は寒い」と呟いていました。
大阪から京都へ通勤する友人達は、京阪電車に乗る人は京都の寒さを「枚方を過ぎて樟葉や橋本駅辺りから空気が変わると思う」。阪急電車の人は「大山崎から感じる」とか。

きっとそんな寒さが美味しくするのが京都のお漬物。
市内中心部より更に気温の低い大原の「志ば久」さんのお漬物を色々頂き、毎日のご飯に添えて楽しんでいます。
テレビ番組でタモリさんが称賛していたこともあり、ずっと買いに行きたいと思っていたのです。
知人もそれでお店を訪れて以来「誰に差し上げても喜ばれるので、京都土産の定番にしている」のだそうです。

「きざみ赤志ば」にはきゅうりが入っていないようで、「きざみ青志ば」の方には入っているようですね。
「慣れ親しんだ柴漬けの味と何か違うな?なんだろな。何か違うんだろうな?」と頭で巡らせながらもいつの間にか何度もおかわりしてしまうのです。
袋の裏側の原材料名を見ても、たった一行で終わるほどシンプルな材料で、素材の味が活きた自然な味わいが、つい次のお箸を呼ぶのでしょう。

ちなみに最も気に入ったのは、大粒の国産らっきょうを、大原の自家農園で栽培された赤しそでくるんだ、ちょっと甘めでシャキシャキした歯ざわりの「しそ巻らっきょう」です!

2022年12月21日 | お店, グルメ | No Comments »

「書きたいもの」を書く

12月7

hude
年賀状、いつもどうされていますか?
挨拶文や礼状、熨斗紙、金封、結婚式などの芳名録など、「こんな時に綺麗な字で書けたら…」と思った人は多いはず。
でも、定期的に書道教室に通うとなると、資金や時間の工面の敷居が高い。
そんな時目に留まったのが、「aotake」の2階座敷で行われている「ふで文字教室」でした。

たまたま常連の生徒さんと入れ違いで、風月柏葉先生とマンツーマンだったので、「自分の名前をもっとこなれた感じに書きたいので、お手本を書いて欲しい」とリクエストさせてもらいました。
「ここにスペースを空けて、風がよく通るように…」「“口”を書くときは、左の縦線が長く、下の横線は少し外に出るようにします」。
「自分の書きたいもの」だから楽しくなり、調子に乗って家族分の名前や、礼状に記すお茶の先生の名前まで書いてもらい、実に様々な見本が出来上がりました。
調子に乗って、「『謹賀新年』や『賀正』以外に、お正月にふさわしい気の利いた言葉が知りたい」とお願いすると、先生が本の中から一緒に探して下さいました。

『初空』。文字通り元旦の空を指す言葉ですが、シンプルな清々しさを感じたので、来年の我が家の年賀状に採用することにしました。

お稽古の後は、先生と美味しい日本茶とお菓子で歓談。
こちらがニワカ生徒なのに、「写真って、どうすればもっと写せるの??」ときさくに話して下さる先生でした。
「ふで文字教室」は日程が限られていますが、興味のある方は相談されてみてはいかがでしょうか。

七五三、衣裳にこだわってみた。

11月23

753 11月15日の「七五三の日」は、「きものの日」にも制定されています。
私事ですが、先日子供達の七五三をお祝いしました。

娘の着物は、かつて赤ん坊だった私のお宮参りのために祖母が仕立てておいてくれたものに、母が「荒川 さんび」の被布を合わせてくれました。
昨年は姪が着て七五三詣り、今回はうちの娘、そして数年後にはもう一人の姪が袖を通す事になるでしょう。

それに見合うよう、息子の衣裳にはこだわりたいと思い、京都らしさのある貸衣裳を探していました。
甥が着ていた兜の柄がはんなりと上品だった事を思い出し尋ねると、二条城の近くで40年続く「お衣裳さわらぎ」のものとのこと。
そこで当時まだ製作中だったある羽織に一目惚れ。
着物としては着れなくなった古い着物を裁断しパッチワークのように繋いで、京都の職人の手で染められた正絹の古生地の反物に貼り合わせて蘇らせたという一点ものでした。

七五三の祝い方は人それぞれ。
賑わう有名神社や写真館で家族撮影をする人もいれば、公園に行く時の様にリュックを背負いシンプルに氏神さんに手を合わせたという兄弟もおられます。
蝶ネクタイの小さな男の子が、社殿の前ではにかみながら両手でピースサインをする姿もとっても可愛らしい。
その場に居合わせた人々の表情もほころびますね。

今回、写真館等のセットプランではなく、カメラマンもお食事もそれぞれ個別に手配したので、それなりの費用がかかりましたが、両祖父母達も含めて顔を合わせる機会はなかなか無いもの。成長した子供達が結婚式を挙げる頃にはもっと高齢になっている事を思うと、手間暇をかけた価値があったかな、と思っています。

ちなみに、京都府外でも、着物一式のみでもレンタルは可能(返送費用は自己負担)のようです。
レンタルするなら、京都の衣裳でしたい!という方はいかがでしょうか。

祇園で気軽に

11月7

irodori
夜の祇園。「どこで食べよ?」
友人が連れて行ってくれたのが建仁寺の近く、大和大路を下がり団栗通りを東に入ったところにある「京おばんざい・串揚げ 彩り」でした。
女性一人でも入りやすく、祇園でもお手頃なお店です。
店主の趣味か、店内はずっとミスチルの曲がかかっていて肩肘張らない雰囲気。

飲み物の種類も豊富で、日本酒のリストの中から、飲みやすいものをウエイターさんに尋ねると、「甘口ですか?辛口がいいですか?それならこちらは…」とテンポよくオーダーが決まります。
他のお客の皿をきびきびと運ぶ合間に、悪酔い防止の和らぎ水も持ってきてくれる自然な気配りも嬉しい。
当たり前のことですが、「愛想のいい接客」は誰にでもできるもので、それがお客への思いやりとお店への愛着、商品知識がベースになっていると「気持ちのよい接客」になります。
再び国内外から京都の風情を求めて人が訪れる観光地には、その様なお店が残っていって欲しいと願います。

きめの細かい衣に包まれカラっときれいなキツネ色に揚がった筍や茄子、焼き鳥などを、お酒をちびちび呑みながら少しずつ。
「空いてますか~?」としょっしゅう戸を開ける人がいて、また観光地の中にありながら、行列ができるという訳でもない、程良い人気ぶりでした。
公式Instagramにも「お一人様から御家族、0歳の赤ちゃんも」とのこと。
呑む人も呑まない人も、祇園で誰でも安心して立ち寄れるお店ですね。

2022年11月07日 | お店, グルメ | No Comments »

駅の喧騒から離れて楽しむお茶

10月18


aotake

京都駅からそう遠くない距離感、落ち着いた風情でゆっくりとお茶を飲みたい。
そんなお店がありました。
京都駅から北東へ徒歩約8分の「aotake」です。

京都に古くから住む人の家を訪ねるように狭い玄関に入り、引き戸を開けて中へ。
22年に農林水産大臣賞玉露の部で受賞した京田辺市の茶園の手摘みの宇治玉露などの日本茶や中国茶など、四季折々の厳選された美味しいお茶やタルトを頂くことができます。
気軽に手に入るスナック菓子なら、家の冷蔵庫から出したお茶やジュースで流し込むようにぺろっと食べてしまいますが、旬の果物がぎゅっと詰まっていて手間暇かけて作られた食べ応えのあるお菓子には、それに見合った飲み応えのあるお茶や器がやはり合うような気がします。

2階の座敷では、お茶会や日本茶の淹れ方のプライベートレッスン、古建具活用講座などこれまで様々な催しがされてきたようです。
その中で「ふて゛文字教室」に興味があったので、参加してみる事にしました(詳細はまた後日)。

お店の隣の古民家前には「七条仏所跡」の駒札があり、近隣には紅葉さんぽが楽しめて煎茶道にゆかりのある渉成園もあります。
席数に限りがあるので、4名以上での利用の場合には、事前に連絡を入れることをおすすめします。

宮津の海鮮グルメ

9月13

kane
天橋立が国内初の名勝に指定されてから2022年で100年。
しつこく丹後ネタを引っ張りますが、宿から徒歩で行けるお食事処もご紹介しておきますね。
旅に「食」は付きもの。お付き合いください。

夕食は宿のオーナーからの口コミで、七輪焼きと丹後の旬の一刻干し「カネマス」へ。
2階のお座敷を家族水入らずの貸し切りで利用させて頂きました。

保存のためではなく、魚本来の旨味を凝縮させるため、限りなく生に近く薄味に仕上げられた一夜干しです。
海鮮ならたくさん食べても罪悪感無し!子供達には香ばしく焼いたイカが人気でした。
食材も調味料もその土地のものにこだわり、「こどもピーマン」など野菜も色鮮やかで新鮮。締めは味噌を塗った焼きおにぎりでした。
女性杜氏が造られたという赤い日本酒「伊根満開」はまるで食前酒のように甘いので、お酒を初めて飲む人にも飲みやすいかもしれません。

翌朝は、「海味鮮やま鮮」で海鮮モーニング。
焼魚に煮魚、刺身…どれをメインに選ぶか悩むのが旅の贅沢。
卵かけご飯の白身は、ふわふわのメレンゲ状でした。
花街の町家のような外観で、上階はお稽古事に使われているようです。
向かいは、店主が現役レスラーという「プロレスバー」でした。

魚市もあるこの近辺は、京都市内の観光地の様に土産物屋が乱立するでもなく、地元の住居と溶け合う程良い観光地化が好感持てました。

340gへの挑戦

8月31

fc
8月も終わり。京都では小学校も始まりました。

話題が前後しますが、先日ご紹介した送り火鑑賞スポット周辺のお食事処は、
エフシーダイニングテーブル」というステーキのお店。
「胃にもたれないので最近気に入ってる」という父からの情報です。
主にアンガス牛、厳選した冷蔵熟成牛肉を使用しているそうです。

画像は、アンガス種のサーロインとリブアイステーキ各340g。
誰もが耳にした事のある「サーロイン」。
「サー」とは称号の事で、牛肉の中で唯一称号が与えられた部位なのだそうです。
赤みと脂身がきれいに分かれたアンガス種のサーロインは、噛み応えがありました。
熟成したアンガス種のリブアイは、ステーキ肉としては最上級とされ、肉質柔らか。
いずれも、テーブルの上に置かれてからも徐々に熱が中まで通っていくので、目の前に運ばれて来たら何はともあれ、堅くならないうちにすぐに味わうのがおすすめです。

なお、340g以上完食した人は、番付表に記入できるとのことで、一部の壁には手書きのメッセージがびっしり。
立地柄、学生さんが多いようで、お店を訪れたグループも大学生らしき男子だち。
若者でも気軽に来れるステーキハウスという事ですね。
340gに挑戦したのは初めてでしたが、意外に難なく平らげました。
でも家族でシェアしていたせいか、番付表は頂けませんでした。残念!

お肉がまだ上手に食べられない小さなお子様には、
国産本格ソーセージが食べやすいです。席数が限られるので、予約が無難です。

宇治で晩ごはん

6月29

afuhi 先日宇治を訪れた際に感じたのは、「いつの間にか、新しいお店がどんどんできている!」。
寺社が閉まる夕方になると、宇治橋商店街は軒並み暖簾を降ろし、昼間は抹茶ソフトクリームを片手にそぞろ歩きをしていた人達の姿もなくひっそりとしています。

夕食を採る場所を求めて歩いていると、「大阪屋マーケット」という横丁の風情の市場があり、どうやら多くの人がここに吸い込まれていったようです。
立て看板を見ると「SINCE 1962」とあり、「そんな前からあったの?」と自分達もついついその中へ。
10以上の店舗が入っており、営業日も様々。
ちょい呑みできる居酒屋の熱気もあれば、反対側には落ち着いたテーブル席のレストランもあり、駄菓子屋や整体医院まで入っています。
本格ナポリピッツァに強く惹かれたのですが友人の好みに合わず、次回は必ず行くと心中でキメて、市場を後にしてまたうろうろ。

薬膳料理 茉莉花」も残念ながら定休日という事で、行き着いたのが「afuhi uji」。
はるばる宇治へやってきた大原の野菜をふんだんに使った、おじや風リゾットとパスタのお店です。
町家のおざぶに歩き疲れたお尻をやすませて、豆タイル貼りのおくどさんにどっさりと置かれた野菜を眺めながら待ちます。
「大原野菜プレート」はまさに自分好みで、花束の様に鮮やかな多種多様な野菜が盛られ、オリーブオイルやミネラル豊富な塩、バーニャカウダソースを付けて歯応えを楽しみながら頂きます。
久しぶりにこんなご馳走サラダが食べたかったのです。
「茶粥風」のおじやんリゾットも、使われるお茶を緑茶か抹茶か選べるのは宇治ならでは。
塩加減もちょうど良く、鯛とも相性がよく、家でも真似して作ってみたくなりました。

平等院やお茶屋だけを巡って帰ってしまうのは勿体ない。
間もなく鵜飼も始まるので、夜も歩きやすくなるでしょう。
夕暮れの宇治川を歩いた後は、夜のお食事も楽しんでみてくださいね。

京都の「里」・大原

6月1

picnic
京都バス停留所「大原」のあるバスロータリーすぐの階段をとんとんと降りたところに、畑の中で食べるカフェスタンド「Picnic OHARA」があります。

可愛らしいキッチンカーで注文した品を受け取って、土の上を歩きながら畑のあちこちにある小屋やテーブルセットなど好きな席に腰掛けます。

もちろんこの畑で収穫した食材も使用されており、川のせせらぎを聞きながら、採れた場所で「いただきまーす」。
その日のメニューは、自家製の柚子ジャムを隠し味にしたちょっとスパイシーな「畑のカレー」やブレンドコーヒー、「ゆずジンジャー」「ぶどうジュース」など。
「畑のたい焼き」は、もちもちの米粉生地によもぎを練り込んだりクリームチーズや紫芋、バターを挟んだりと、ホットサンドに近い印象でした。
「おやさいジュレ」は昆布だしが効いていて、生のサラダを食べるよりずっと美味しい。

少しだけひんやりとした空気と土からの心地よい湿気、思ったより豪快な音を立てる小川や、様々な形の薪がきれいに積み上げられている様でさえ、我々にとっては新鮮な光景でした。

そこからぶらぶらと歩いていると、緑蒸す小川に面したテラスが設けられたり、道具完備・アドバイザー付のシェアファームに併設されたカフェなど、
京都市中心部から1時間足らず、バス一本で来れる「京の里山」・ 大原にはあちこちにぽつぽつと、周辺の豊かな環境を生かしたお洒落なお店ができていました。

京都のナイトライフは…

5月18

samgha 「久々に京都のナイトライフを楽しんでみようかな」と思い立ったものの、
今の時分に夜間拝観をやってるところは思いつかず、日曜の晩にクラブという気分でもなし(歳でもなし)。
ふと思い出したのが「salon&bar SAMGHA」(旧店名「京都坊主BAR」)でした。

行ってみたいと思いつつ、なんともう開店から10年とのこと。
奇しくも現店名に変えてから1周年の満月の日のコンサートがあるというので、速攻で決めました。

本能寺の変跡碑にほど近い場所に建つお店の中へ、半ばミーハー心で入ったところ、
想像以上に落ち着いた空間で、お客の年齢層も高めでした。
アペリティフ(食前酒)やハーブティーを頂きながら、相席の方々と談笑。

小鳥の囀りのようなリコーダー、音色で一瞬にして中世へと誘ってくれるリュート、床からも伝わる重厚な音が心地良いヴィオラ・ダ・ガンバ、繊細で華やかな電子ハープシコード(チェンバロ)のアンサンブルが、
バロックから仏教讃歌まで、主に花をテーマとした短い曲がたくさん奏でられました。

合間に、浄土真宗本願寺派の住職であるマスターの法話があるのがこのバーならでは。
仏教に限らず神道の由来にも触れるところから始まり、
「”罰が当たる”とは不幸な出来事が起こる事だけではなく、”方向転換”を教えてくれているのではないか」とのお話でした。
瞑想では、優しいことばが降って来るような静かなひとときを共有し、後半の演奏はなんだか夢心地のまま聴いていました。

こころに何かもやもやを抱えているようなとき、お坊さんとお話してみたいと思ったとき、
お寺の門戸を叩くのは気が引けますが、こんなバーなら仏教の観点からの気づきがもらえるかもしれませんね。

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