e-kyoto「一言コラム」

ガイドブックには載っていない、スキマ情報をご紹介していきます。

ユネスコ無形文化遺産「和食;日本人の伝統的な食文化」とは

10月8

2den   
京料理「二傳」の専務取締役・山田晃弘さんのお話を聞く機会に恵まれ、「和食に込められた思いとは何か」についてレクチャーをして頂きました。
まずは2種類の水を飲み比べ、どちらが水道水か井戸水かを当てます。
正誤が目的ではなく「違いを感じ取れるかどうか」の実験だそうで、料理の目的によっては水道水の方が向いている場合もあるそうです。

和食は、日本人が稲作によって安定的に食物を得られるようになり、
病草紙」という絵巻物に一汁三菜が初見されるように、平安末期には今のようなスタイルが完成していたようです。
室町・安土桃山時代に外来の食文化が入って来たものの、1641年の鎖国によってその影響は中断し、明治以降になると日本人は初めて牛肉を食べるようになり、コロッケやシチュー等が一般家庭の食卓に現れるようになりました。

調理技術の面では、硬さの異なる鋼を合わせ、用途に応じて形状や研ぎ方まで変えていく和包丁の奥深さの一方、炊飯器の登場など新たな道具や技術も取り入れ、合理的な判断で変化してきました。
「より美味しく、より美しく、より無駄なく」と品質(小さな違い)を追求してきた日本の文化・和食。
それは食する相手への思いがあってこそだと山田さん。食材ごとに願いが込められている
お節料理はその最たるものでしょう。
食する場のしつらいまでも心を砕くところも含めて料理だと言います。

季節の食材の持ち味を生かし、無駄なく使い切る和食。個人的には、「自然の恵みに感謝して、その命を頂く」という姿勢もまた和食の姿なのではないかな、とも感じました。

2019年10月08日 | お店, グルメ, 歴史 | No Comments »

京都のヴィーガンカフェ巡り

8月13

choice
外国人に京都を案内するガイドさんの頭を悩ませているのが、食事の問題です。
動物性のものを一切食べない「ヴィーガン」、小麦等から由来するグルテンを除去する「グルテンフリー」、また菜食「ベジタリアン」と言っても乳製品や卵は食べるという人もいたりで、人それぞれにアレルギーや信条など様々な事情があるため、全ての人々を受け入れられるお店選びが難しいのです。
それらのメニューを体験すべく、『Vegewel』を参考に、その都度お店を色々と巡ってみる事にしました。
今回は京阪三条駅すぐの形成外科がプロデュースしている「CHOICE-チョイス-」にて、ノンオイルマヨネーズのタマゴサンドをチョイス!
色も食感もタマゴ。コクもあり、バンズも食べ応えあり。でも不思議と食後は身が軽い。
「どうやって作ってるんだろう…?」とまじまじと眺めてしまいます。
ほんのり甘いドレッシングについて尋ねると、玉ねぎと甘酒を使用しているとのこと。
間口は広く、ソファ席には大家族が寛いでいて赤ちゃんも楽しそうでした。
カウンター席には充電コンセントもあるので、特に菜食でなくても気軽に入れて、「ちょっと身体が疲れてるかな?」と感じるときに利用するのもいいですね。
メニューには、パンケーキやグルテンフリービール、珍しい「ヴィーガンチーズ」も。
アレルギーや病気で除去食を余儀なくされている人も、食べる楽しみを諦めないで!

2019年8月13日 | お店, グルメ | No Comments »

和のアフタヌーンティーと非日常空間

6月26

tea
外資系ホテルが続々と進出を果たしているここ最近の京都ですが、フォーシーズンズホテル京都は、早い段階から京都の史跡を活かしたラグジュアリーなホテルを展開しています。
日本の外から京都という町のエッセンスをどの様に生かしているのか、興味はあるものの宿泊でもしない限り機会が無いと敷居が高いもの。
そこで季節の催しとして、宇治の銘茶をふんだんに使った「和のアフタヌーンティー」があると聞き、初めて足を踏み入れてみました。
ゆったりしたソファ席に落ち着くと、グラスに入ったまろやかなアイス玉露で幕開け。
ミニローストビーフバーガーやほうじ茶と栗のバターサンド等を摘まみながら小腹を満たし、宇治茶だけでなくロンネフェルト社の紅茶やオリジナルの中国茶もオーダーして、まさにお茶尽くしのひとときです。
抹茶とバニラのスコーンは、冷めないよう純白のナプキンにふっくらと包まれてサーブされました。
丸久小山園とフォーシーズンズホテル京都の焼き印入りのお茶のクッキーが入った、手の平サイズの可愛らしい茶箱はお土産に。
さすがにいいお値段はするのですが、別の日にアフタヌーンティーを予約していた友人は、「確かにそうだけど、お金に換えられないものがあります」と満足していたようでした。
非日常を楽しんだのち、ホテルを出ると左手には新日吉神宮が見え、いつもの京都の景色に戻りました。
アフタヌーンティーは今月いっぱいまでですが、平重盛の小松殿跡と言われている庭園「積翠園」の池の畔にある茶室「積翠亭」では、日本茶やシャンパン、日本酒のほか期間限定でかき氷も頂けるそうで、この夏の間に再びお洒落して伺いたいと思っています。

祇園祭の新休憩スポット

5月22
きものステーション・京都

きものステーション・京都

「京都経済センター」がこの春、「京都経済センター SUINA(すいな)室町」として新装開店しました。

約1100平方メートルの大規模書店や、その周囲や地下1階に飲食店が集まり、「モリタ屋」が営む食料品店には驚きました。
勿論「きものステーション・京都」も健在で、若い感性でラインナップされた店内は明るく、また和室の小上がりもあり、和裁などのワークショップも参加できるようです。
男女の浴衣と共に展示してあった、丸い籠のショルダーバッグは、和装でも洋装でもコーディネートが楽しめそうでした。

二階に上がり、「ポケモンセンターキョウト」への入り口に至る空間が広々としていると思ったら、ここ四条室町はちょうど祇園祭シーズンになると「鉾の辻」とも呼ばれる最も賑わいのあるところ。
そう考えただけで、お囃子が流れる鉾町の風景が目に浮かんでくるよう。_

祭りの熱気から抜け、涼みがてらこのビルに入ってお土産を選び、また山鉾が建ち並ぶ様を眺められるスポットとなること間違いなしですね。

2019年5月22日 | お店, グルメ, 和雑貨 | No Comments »

川床でカレーランチ

5月14

ina
南座のイベントを体験しようと現地に降り立ったものの、日程を間違えて準備日に来てしまいました。
間抜けな自分を慰めるべく、昼食を川床で取ろうと思い立ち、先斗町を北へ南へぶらぶら。

独りでコース料理は勿体ないので、「京都牛 稲吉」にて「カレーランチ」を頂く事に。
春を通り越して初夏並みの日差しがさんさんと降り注いでいたため、床には出ずに店内で涼しく食事している人もちらほら。
日傘を挿しても良いとの事でしたが、少々の暑さくらいならなんのその、それより鴨川の畔で川床を満喫したい!という方は、帽子をお忘れなく。
上品な佇まいのお店で、和服のお運びさん達の接客も自然なので、こちらは一人でも緊張もせず。

牛肉の旨みが溶け込んだカレーを頬張りながら、対岸でジョギングをする人、家族でサイクリングをする人などをぼんやりと眺めます。
遅めのランチタイムだったので、グラスに浮く氷同士がかすかに触れ合う音が聞こえるくらい静かで、うっすらかいた汗が風と共に額の熱を連れ去っていきました。
京都牛懐石のお店という事で、香合の様な小鉢の中には「牛肉の甲州漬け」。
歯応えのある肉から、ワインやみりんの優しい香りが漂い、コース料理への想像が膨らみます。
気になるお値段は、ソフトドリンクと共に2千円ちょっと。
次回は家族や友人を誘って、京都牛懐石を頂きたいと期待しています。

2019年5月14日 | お店, グルメ | No Comments »

誰かに贈りたくなる八百屋さん

2月5

loja
錦市場より少し北を歩いている時、実家から「ロジャヴェルデさんで、キャベツ買って来て」との連絡が入りました。
店名はポルトガル語で「八百屋」の事だそうで、まるで外国の花屋さんかと見間違うような瀟洒な店構え。
花のギフトのような「京野菜アレンジメント」が人気で、いつ行っても配送で忙しそうです。
かごに並べられた野菜は、茎は太くしっかり、葉は美しく肉厚、身も詰まっていそうです。
なんと毎朝丹波から運ばれているそうで、自宅近所のスーパーの野菜と比べて、どれもどっしりと大きくて、大地を感じさせる力強さがあります。
美味しい野菜が手に入ったら、凝った味付けはせずシンプルに食べたいもの。小房に分けたブロッコリーとカリフラワーの袋詰めがあったので、家で蒸して岩塩とオリーブオイルやマヨネーズだけを付けて、ほくほくと頂きました。
「野菜は持ち歩けないわ」という観光の方には、オンラインショップを利用するか、入り口近くに置いてある「根蕈果KONSINKA 乾燥野菜チップス」がおすすめです。
無添加、ノンフライなのに、野菜ときのこ、ドライマンゴーの甘味が十分に感じられて、ちょっとつまむつもりがあっという間に完食してしまいました。
でも、野菜だから食べ過ても罪悪感はありませんね。

2019年2月05日 | お店, グルメ | No Comments »

白味噌雑煮と花びら餅

1月17

zouni
新装の南座に、新たに和菓子の老舗「とらや」の喫茶室が入ったとの嬉しい話題を聞き、お邪魔してみました。
時間はランチタイム。ちょうどお品書きの冒頭にあったので、
「とらやさんのお雑煮ってどんなんやろ?」
と試してみることに。
一口大の小芋や金時にんじんが、まるでホワイトシチューのように顔をのぞかせる、京都の白味噌仕立てのお雑煮
ん?うちのと同じ味?」
もともとが限られた食材から作られる汁物だし、我が家と同じ本田味噌を使用しているのなら似るのは必然的。
これはやはり、他府県から来た人々が異文化を体験するためにあるメニューですね。
「同じ1400円くらい出すなら、花びら餅にすれば 良かった…」と激しく後悔。
「そりゃそうだろ!」
と総突っ込みが入りそうなところですが(もちろんお雑煮は美味しかったです。周りの殆どの人が注文していました。)、既に汗ばむくらいにお腹が温まってしまい。
とらやに来て甘いものを食べずに帰るなんて、勿体無くてできる筈がありません。
きなこあんみつのミニサイズで口直しとなりました。

2019年1月17日 | お店, グルメ | No Comments »

年末年始のあれこれ

1月8

huku
昨年姪っ子が生まれたので、お年玉代わりに「福玉」をプレゼントしました。
もともと舞妓さんがご贔屓さん達からもらう物なので、中の小物は赤ちゃんにはまだまだ早いのですが…自己満足です。
井澤屋」のは以前に購入した事があるし、「切通し進々堂」のは予約不可だったので、今回は一銭洋食の向かいの和菓子屋の「福栄堂」になりました。
最中の様に軽い玉なので、運ぶのも保管も割らないように気を付けながら。さて、いつそれを開くかは相手次第です。
お年玉の準備に大掃除、お正月飾りにお節作りに年賀状…。仕事納めに向かってひたすら忙しい師走に、どうして日本人は色んな風習を詰め込むのでしょう。
「クリスマス終わったとこやん!」「梅雨明けに大掃除した方が色々乾きやすそうやん!」「年始の挨拶なんだから、年賀状は年明けてからの投函にすればいいのに」とぶつぶつ言いながらも、なんだかんだで結局いつも通りに。
三が日を過ぎ、乾かした塗りのお椀を布で磨きながら、その漆の深い艶に「きれいだな。面倒でもやっぱり出して来て良かったな」と思うのです。
携帯電話に目をやると、年末に京都に引っ越して来た友人から「護王神社は3時間待ちだって!」とのメッセージ。
「断捨離」や「ミニマリスト」という言葉が生まれる一方で、無駄なものに見えるたくさんの物事に支えられて生きている事を再確認する年明けでした。

2019年1月08日 | お店, 和雑貨 | No Comments »

文化は「食」から

12月19

imura
お正月準備を始めるとされる「事始め」よりもずっと早くから、お歳暮需要で賑わう百貨店。
大幅に増床し、リニューアルされたジェイアール京都伊勢丹地下一階の食品フロアが話題になっています。
特に変化が顕著なのはお菓子や酒のコーナーで、パン屋も多くの有名店が入店した模様です。
菓子編集のコーナーはその品揃えから、「京都土産の定番」から「関西限定土産」、「現代版日本土産」に範囲が広まった事を象徴するような展開でした。
京都はリピーターも多いので、「定番の進化系」が最も安心感や話題性が求められるのでしょう。
また、体験型イートイン空間「TASHINAMI」が新たに設けられ、喫茶室「菓子のTASHINAMI」では、フロア内の約100ショップ・3000種類以上の和洋菓子からバイヤーが選定した旬の菓子と、日本茶やコーヒーを合わせたメニューが提案されています。
旬の銘酒と酒肴を嗜む割烹風カウンター「酒のTASHINAMI」では、京都を中心とした老舗料亭やホテル、レストランの酒肴と、バイヤーやスタイリストがおすすめする旬の銘酒を気軽に楽しめるとあり、既に何組かの大人が談笑していました。
後者は席に限りがあるので、ぜひ一度予約してみたいと思いました。
反対側の和洋酒ゾーンはガラッとシックな装いとなり、700本を貯蔵するというワインセラーや全国120蔵の日本酒を揃えています。
新たな京都の食の玄関口。「新幹線の待ち時間に寄ろう」なんて言ってると、時間が足りなくなりますよ!

2018年12月19日 | お店, グルメ | No Comments »

アートを多角的に発信する

11月5

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もとはスナック等が入る祇園の雑居ビルが、ギャラリーやカフェ、イベントスペースを内包した複合施設「y gion」として生まれ変わり、白く長い暖簾をたなびかせています。
イベント開催中は反対側に併設されたカフェのキッチンも稼働し、連動した企画が楽しめるようになっているそうで、訪れた当時は地球環境をテーマにした現代アート展に合わせて、なんと昆虫食の会が開かれていたとか。
なお、通常の企画展の期間中は「カカオ∞マジック」のローチョコレートメニューが楽しめるのでご安心を。
また、屋上には「sour」による期間限定ルーフトップバー「サワーガーデン」、5階にはレコードショップ「JAZZY SPORT KYOTO」、「CANDYBAR Gallery(キャンディバーギャラリー)」が入居しています。
DJターンテーブルやミキサーも備え、結婚式の2次会や忘年会といった利用もできますが、ただアートを並べるだけでなく、ビル全体で多角的に展開することをコンセプトとしているようです。
スペースの窓からは夕暮れの鴨川、カフェの窓からは東山と夜の海の様に波打つ瓦屋根を見下ろし、これもまた、京都の古美術の一面を見せてくれました。

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