e-kyoto「一言コラム」

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日本文化の砦としての花街

6月5

siryo 先月開館した「祇園 花街芸術資料館」へ。
1時間程で見学する予定が、気がつくとトータル4時間弱も長居していました。

場所はお馴染みの祇園甲部歌舞練場やギオンコーナーに隣接する八坂倶楽部内です。

舞妓さんが手にする籠の中身や化粧道具、月毎に替える簪や帯に忍ばせる懐中時計などを間近で拝見できます。着物も帯も、さすが本物ばかりで、花街が日本の文化のみならず伝統工芸を維持するための砦となっていることに気づかされます。

五世井上八千代さんが舞い、京舞について、また自身の襲名に至るまでを語る映像もつい最後まで観ていました。どの瞬間を切り取っても凛とした女性の美しさを表していて惹き込まれるのです。

国産ウイスキーやソフトドリンクをおつまみと庭の新緑と共に楽しめるバーもあり、今なら割引価格で静かにくつろぐことができますよ。

花見小路を歩く観光客が急増したとはいえ、お茶屋に縁のある人やお金を落とす人はそう多くはないでしょう。
美しい芸舞妓さんと出会える瞬間は、たまたまそこを横切っていく姿を追うときだけ。
彼らは決してその世界観を侵そうと徘徊しているのではなく、「もっと知りたい」だけなのです。

そんな人達がツアーではなく自分達のペースで花街の文化やしきたりに触れ、間近で舞を眺め一緒に記念撮影(別料金)できる施設がようやくできたと思いました。
ここを利用することで、花街という「ハレ」と「ケ」が同居する独特の世界への理解が深まり、維持していくための一助となることを願います。

ちなみにポスターのあの美しい人は「華奈子(はなこ)」さん。
会場には彼女の別の写真も展示してあり、あの大人っぽさとは違う少女のような表情が見られますよ。

One Comment to

“日本文化の砦としての花街”

  1. On 6月 11th, 2024 at 2:00 PM e-kyoto「一言コラム」 » Blog Archive » 昭和と平成の狭間とサイフォン式コーヒー Says:

    [...] 「祇園 花街芸術資料館」に行く前に軽くお昼を食べようと、友人が提案してくれた「菊しんコーヒー」に行ってみることにしました。 [...]

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