e-kyoto「一言コラム」

ガイドブックには載っていない、スキマ情報をご紹介していきます。

古門前でコーヒーを。

7月3

loto 祇園さんこと八坂神社の氏子地域は広範囲にわたります。
中でも17日の神幸祭で祇園祭の神輿が通る古門前通りは、画廊美術商懐石料理店等が並び、祇園の中でも落ち着いた大人向けのエリアといった趣きです。

その一角にある「Cafe Loto Kyoto」は、アート巡りの合間の喉を潤すのにちょうど良いスタンディングカフェ。

大理石のカウンターに淡いグリーンが目を引くエスプレッソマシンは、シアトルのMavam製。開店当初は、京都のコーヒー店で初めて導入されたものだそうです。
香しい珈琲豆の香りの中で、今までに見たこともない動きに目を奪われてしまいました。

訪れたのは6月も下旬、ベリーが鎮座するタルトが水無月に見えてしまい、アイスカフェラテと共に頂きました。
細い路地を抜ける風、さくさくのタルト生地と果実の酸味、ミルクに溶け込むビターなコーヒーを交互に行き来する、ささやかだけど深い幸せ。
季節の果物のジュースや、抹茶を楽しむイベントもあります。

マドレーヌ等の焼き菓子は、このカフェをプロデュースした料理研究家・武田雅代さんの手作り。2階は料理研究所武田サロンとなっていて通常は非公開ですが、「ウェルカムセット」をオーダーすると上がらせてもらえるのだとか。

お土産には、限定帆布バッグ入りのコーヒドリップバッグのセットも。
一澤帆布とのコラボはとても珍しいそうですよ。

更に注目していただきたいのは、しつらいだけでなく公式インスタグラムの投稿に散りばめられた、京都に息づく職人技などの文化に触れられる話題です。
古門前に足を運ぶ人々の審美眼にかなうカフェでした。

水無月食らうは京都人のノルマ!?

6月19

mina 6月に入ると、京都の家庭や茶席では、当然のように卓に上がる菓子・水無月
どちらかというと漉し餡派なので、特に購入する意欲が無かったとしても、結局手土産やおもてなしで頂くことがあったりして、なんだかんだ毎年食べている気がします。
京都暮らしの「定番」というよりもはや「ノルマ」に近い気が…。

水無月に関する蘊蓄についてはあちこちで語られているので割愛しますが、どこかドライな感覚を持っているお茶の師匠が、
「氷を象ったとか、魔除けとか言われているけど、四角い型から対角線上に切り取るだけで無駄が無いから菓子屋に重宝されたんじゃないか」
と話していて妙に納得した覚えがあります。

なにはともあれ、京都人にとっては「え、水無月って全日本人が食べてるもんとちゃうのん!?」と県民ショーばりの驚きであって、「土用の鰻」や「節分豆」のように、「食べるおまじない」のような存在ですね。

ちなみに、画像の水無月は「たからや」のもの。
素材の風味がストレートに伝わってきて、あんこがそのまま自分の身体に馴染んでいくような、おまんやさんの素朴な水無月です。
お皿をあらかじめ冷蔵庫でひんやりさせて、おいしく頂きました。

2024年6月19日 | お店, グルメ, 歴史 | No Comments »

祭に食するもの

7月27

hamo 歳時記を大事にしている京都人の友人は、6月も末になると「水無月食べなきゃ」。
祇園祭の季節に入ると「したたり買って帰ろ!」「今年まだ稚児餅食べてない!」と大騒ぎ。
なんとも律儀な事です。確かにそれぞれ美味しいので好きですが、まあ忙しいこと。
食べる事で厄払いしたような安心感が得られますもんね。

その人が祇園さんの紋に似ているからと真面目にきゅうりを避けているかどうかは知りませんが、
「鱧まつり」と呼ばれるこの時期には、季節限定の食品が実にさまざま。
ずっと昔に料理人の知人から教えてもらっていて食べ損ねていた「たん義」のはも丼を思い出し、お持ち帰りを予約しました。
祇園の割烹とはいえ、3000円から5000円程でお食事ができるのは、若い人達にも嬉しいですね。
明るく感じの良い電話口の応対で、地元に長年愛された良いお店である事が伝わります。

初代から伝わる秘伝のたれをまとった焼き鱧は、箸でほろほろ、ほくほくととそぼろのようにこぼれます。
同じくご飯もほんのりたれの色に染まっていて、家族にも好評でした。
折詰のたん義弁当は、虫養いにちょうど良い分量です。
個人的には鱧の落としが好物なので、次は割烹の風情の中でライブ感を肴に頂こうと、今後のお楽しみとしました。

2021年7月27日 | お店, グルメ | No Comments »

「出町ふたばの新顔さん

5月27

futaba新茶のお供にしようと、「出町ふたば』(075-231-1658)さんへ出かけると、新顔発見!
かぼちゃの餡が入った豆もちです。1個170円。
ほんのり色の透けたおもちにかぶりつくと、分厚いおもちもの中にとっても鮮やかな黄色のこし餡が包まれています。周りの大豆も香ばしく、なんだか元気をもらえそうなおやつ。
今年の初め頃から販売されているそうで、まだまだ当分店頭に出されるそうです。

まだぬくもりの残っている急須の蓋を開けて見ると、お湯を含んで明るい黄緑色になった茶葉は、まさに今年生まれた葉っぱの赤ちゃん。
さわやかな香りの新茶に、ビタミンカラーの豆もち、そしていよいよ水無月の季節。
初夏は自然の恵みがいっぱいです。

2013年5月27日 | お店, グルメ | No Comments »

夏越祓

7月3

tinowa清く正しく生きているつもりでも、それは人間の価値観が基準になっているもので、様々な立場にいる私達は知らず知らずのうちに罪や穢れを積み重ねているかもしれません。
一年間の折り返し地点を迎えた6月30日の朝は、お抹茶と共に水無月を食べて悪魔払い・暑気払いのおまじない。
その後、伏見稲荷大社のお山へ月参りを済ませて、夏越の大祓式が行われる本殿へ戻ると、向かいの楼門を突き抜ける程の長蛇の列!
正式な作法に則って八の字に潜るのは諦めてしまいましたが、これで下半期へのスタートを切る事ができました。
なお、稲荷山山内の幾つかの神社でも茅の輪は設けられるので、行列に並ぶのはイヤというせっかちな人は、来年そちらへお参りしてみては…!?

2012年7月03日 | イベント, 神社 | No Comments »

賀茂神社と梅

6月7

ume青空と芝生が清々しい上賀茂神社。桜の季節に花嫁行列に遭遇したかと思えば、水無月6日に出会ったのは「梅」の行列でした。
参拝客に振る舞われたのは南高梅。時代装束に身を包んだ和歌山県南部の生産者達が、上賀茂神社に青梅や梅干しを献上していたのでした。
宮中の文献によると、1545年の京の「賀茂神社」での例祭で、梅が献上されたとの記述があるのだとか。それを基に、6月6日を「梅の日」として数年前から献上を始めたのだそうです。こちらの行列は同日、下鴨神社にも向かったようです。

青梅のさわやかな便り。もうすぐ、梅雨入りですね。

2010年6月07日 | イベント, 神社 | No Comments »

水無月の美味しいお店

6月26

6月のお菓子・水無月の美味しい和菓子やさんを教えてもらいました。 他のお店のものと比べると、ここのは殆どあんこが乗っていません。 小豆5,6粒が散らしてある程度で、土台の外郎がひときわ白い。
口に入れてみると、あっさりとしていて甘ったるさがありません。 どうやら、この外郎生地がこのお店のウリなのかも。
水無月を食べて、おいしく暑気祓い、厄除けと致しましょう。

八勧本店:(上京区寺ノ内大宮東入ル南側3軒目) 075-441-2001

2006年6月26日 | お店 | No Comments »

水無月と氷室

6月13

6月。恒例のお楽しみと言えば水無月を食べること!

旧暦6月1日は「氷の朔日(ついたち)」と言い、天皇が氷室に貯えておいた氷を取り寄せて、これを「氷かちん」と呼んで臣下達にも分け与えていたといいます。 氷のかけらを模した水無月の上に乗っている小豆は、「斎(いつき)」「斎く」(けがれを落として身を清め、神に仕える)から来た言葉とも言われ、 昔はお餅の上に小豆を塗って食べる事で厄払いをしたそうです。

「氷室」という地名はかつてたくさんありましたが、現在は西賀茂の奥に残っています。

2005年6月13日 | イベント | No Comments »