e-kyoto「一言コラム」

ガイドブックには載っていない、スキマ情報をご紹介していきます。

京北で桜ドライブ

4月24

keihoku 先週末は、右京区京北にある宝泉寺を観てきました。
京都市内よりも開花が遅く、シーズン終盤のお花見が楽しめます。
遠く坂の先の壁越しにピンク色のが溢れるように垣間見えてくると、期待値が上がります。
その割に「花より団子」とは言ったもので、着いてすぐさま東屋の日陰の中でぜんざいやよもぎ餅を頬張りました。
京北地域では、お正月に餅で納豆を餅で包んだ「納豆もち」を食べる風習があり、こちらもぱくり(味はそのままでした!)。
徒歩で一周できるほどの丘に、「観音桜」、「平安しだれ桜」、「金剛桜(うわみず桜)」、仁和寺から移植した「御室桜」、「楊貴妃」などの希少なが約20本あるそうで、子供が触れられる程の高さに枝を伸ばしたものや、桃色のシャワーの様な木がたくさんありました。
夕方になってからもぽつり、ぽつりと参拝者が絶える事はなかったのですが、不思議と静か、車で時間をかけて来て良かったと呼べるのどかな名所でした。
東屋に置いてあった「花降る里けいほく SAKURAめぐりマップ」によると、樹齢300超年とされる「黒田百年桜」をはじめに周辺にも美しいの木があくさんあるようで、紹介されているスポットは39箇所も!
また、夕方の帰路の高速が渋滞していたので、早めに京北に入って車で巡るのが正解かもしれません。
今年の「まつり」は終了しましたが、は自由に見学できるそうです。まだ間に合うかも!?

一匙の粋

4月17

nodate
平安神宮のホームページによると、枝垂れ桜は満開、八重などは8分咲きだそうです(16日現在)。
先立つソメイヨシノは鮮やかな若葉が目立ち始め、川には花筏。散りゆく花びらが美しい頃合いです。
能を習う知人が舞囃子を披露するとのことで、小腹満たしの差し入れを持って観世会館へ向かいました。
能舞台の切戸口から、黒の紋付き袴姿の男性達に混じって紫の袴の女性が現れた瞬間の清々しさ。
女性が踏む能舞台もまたいいものだな、と感じました。
家の近くの公園にもが植わっているので、籠に茶碗や抹茶の缶を入れ、道中のケーキ屋でチョコレート菓子を買い、家族とベンチでささやかに一服しました。
タクシーの運転手をしている知り合いは、貸し切りのお客様のためにお茶を振舞うため、車のトランクには野点セットをいつも入れていたそうです。
夏になると、娘さんを乗せて蛍を観に行ったりしていたとか。なんて素敵なお父様でしょうか。
その方はもう故人となられて久しいのですが、今でもその話を思いだします。
ちょっとした事でいいから、日々の生活の延長線上に日本人としのて一匙の粋を持っていたい、そう思う春です。

地上天国の桜

4月3

heian
歴史的風土保存特別地区に指定されている地域の一角にある「平安郷」と呼ばれる庭園が一般公開されています。
入場無料で、両側に続く並木と竹林に誘われると、たんぽぽが水玉模様のように咲く芝生が眼前に広がります。
約3万坪の敷地内の約半分が広大なお庭で、寺社の庭園とは異なり、小さな子供達が駆け回っても余りある広さ。
シートを広げてお弁当を食べていたグループも見受けられました。京のの名所は数あれど、酔客のいないお花見ができる空間は貴重ではないでしょうか。
西には広沢池を臨み、豊かにざわめく竹林のふもとには白や黄色の水仙が揺れ、二本の小川も夕日を受けて銀の鱗の様に輝いています。
いやはや、宗教の力とは凄いもので、絵に描いた様な地上天国が広がっていました。
当初の公開期間中は、まだは一部しか咲いていなかったので、予想通り、一般公開の期間が延長されたようです。
なお、次回は新緑の頃(5/4~/5)と秋(11/22~/24)に公開される予定です。

2019年4月03日 | 観光スポット | No Comments »

新名所・淀のお花見さんぽ

3月20

yodo
京阪「淀」駅の4番出口を出て、ピンク色の幟を頼りに歩くこと約10分。
早咲きの河津が水路沿いに延々と連なる淀緑地の入り口が見えてきます。
手を伸ばせば子供でも届く程の低木で、一面の花に埋もれるようにして写真撮影を楽しむ人がたくさんいました。
付近の住民によって植えられた河津2本が、水路沿いの淀緑地や京阪淀駅前のロータリー、淀城跡公園などにも植えられ、現在は約300本にもなったそうです。
鮮やかな若葉がのぞき始めているものの、見応えも十分。サギが足を浸す水面も、色に染まっています。
ところどころにベンチやブランコ、蕾が目立ってきた枝垂れ桜等があり、雨で湿って色濃くなった土の上では、菜の花などの花壇の花々も濃いピンク色のと共演していました。
孫橋脇には淀観光協会による期間限定の売店が設けられていたので、“京みそ焼き鯖寿し”をお土産に買い求めました。
近くの東屋に目をやると、お弁当を膝に載せてお花見を楽しんでいるグループも。
淀緑地東詰に近づくにつれて人の数はぐっと少なくなりますが、地元の人と行き交いながら静かなお花見散歩を楽しめます。
淀緑地周辺の散策手帳」によると、橋を中心にシダレザクラが満開になる4月が人も少なく穴場なのだそうです。
現在のの様子などリアルタイムな情報は、「淀さくらを育てる会」Facebookをご覧ください。

職人の未来を繋ぐ

2月14

asa
他の漆器の産地に比べて高価なものが多く、いわゆる「高級品」として知られている京漆器
美しい蒔絵や光沢に目を奪われますが、その下にある木地の土台を担うロクロ木地師は、京都に独りしかいません。
北山の檜や京都府産の漆を使い、製作工程も全て京都で行うなど、常(日常使い)の京漆器作りを通して将来の職人達の仕事も生み出していこうという「アサギ椀プロジェクト」が始動しました。
発案者の故・石川光治氏の意思を受け継ぎ、京都でただ一人のロクロ木地師の西村直木さん、塗師の西村圭功さんと石川良さん、漆精製業の堤卓也さんらが進めており、その取り組みを紹介する展覧会が19日まで「The Terminal KYOTO」にて開かれています。
既に滋賀県の日野椀が、妙心寺のこども園に器を納めているように、京都の保育園でアサギ椀を子供達に使ってもらおうという計画も進められています。
アサギ椀の子供椀は、あえて幼い子が扱いやすくするような細工はせず、大人の椀がそのまま小さくなっただけの姿かたちをしています。
落としても投げつけても割れにくいプラスチック容器と違って、落とさないようにこぼさないように両手で包み込み、漆が剥げないように箸やフォークをやさしく当てるなど、物を大切に扱う姿勢が自然と身に付くよう、しつけの意味も込められているのだそうです。
幼い我が子にも、食洗機で洗えるプラスチック容器で食事をさせる事が多いのですが、それでもいつも同じ食器では味気ないと思い、手洗いが必要な木地の椀や割れないよう注意が必要な陶器の小皿なども、料理に合わせて出しています。
同じ素材、同じ色で統一された西欧の食器とは違い、様々な素材の器で食事を取るのも、日本文化の豊かさの現れだからです。
サンプルのアサギ椀を掌で撫でながら「やはり雑貨店で買うものとは値段が違う…でも痛んでも塗り直して末永く使えるし、入金は椀を受け取る2か月先でいいみたいだし、子供の小さな指先でも感じ取るものがきっとあるだろう…」と悶々と思案した末に予約を入れる事にしました。
小ぶりで軽い漆のお椀は、外でお茶を点てる時にも便利かもしれません。手元にやってくるの季節が楽しみです。

宇治の炭山へ

4月2

moto
空は青、満開の宇治市に入り、車でつづら折りの細道を進みながら最初に目指したのは、炭山というのどかな住宅街の中にある「基牛舎」でした。
4,50年程前には牛舎、その後は椎茸の栽培にも使われていたいう建物を、カフェと暮らしの雑貨を展示販売するギャラリーに改装しており、陶芸作家であるオーナーのヤマモトソウヘイさんが作った器や、自ら選んだ選んだ暮らしの道具を展示販売しています。
カフェではオーナーの母親が手作りしたランチや、貴重なコーヒーのスペシャルティ、宇治の抹茶を使ったロールケーキ等が頂けます。
わずかに灰色がかった白い皿やカップの京焼・清水焼、サイダーの様な水泡を閉じ込めたガラスの器は、主張し過ぎず日常に溶け込んで、生活空間にささやかな高揚感を加えてくれそうなものばかり。
木造の梁を残す高い天井にファンが回る店内は、各席のイスやシャンデリア等のインテリアだけでなく、ジュースのグラスやストローの色など細部に至るまでこだわりとセンスが光っていました。
京焼・清水焼は、昭和46年の条例で京都市内にて薪窯を焼くことが禁止された事から、清水坂界隈の窯元が山科の清水焼団地や宇治の炭山に移転して創作を続けていました。
車が無いと少し不便な立地ですが、観光客で賑わう駅前の茶店街や茶畑、萬福寺・三室戸寺界隈とは異なる宇治の一面です。
その後は宇治川沿いの「朝日焼ショップ&ギャラリー」(7、8日に「夜の音楽会」を開催)や平等院鳳凰堂(5日からライトアップを開催)にも立ち寄りましたが、その話はまた後日。

宮川町「游美」

7月3

yubi 宮川町にある「游美」で、少し贅沢なお昼ご飯。
予約の際に、妊婦を含む小さな女子会である事を伝えていたので、献立にもご配慮を頂きました。
珍しい食材よりも、どちらかというと普段から親しみのある食材が多く登場しますが、淡白な蛸はしっかり味を含ませて煮凝りに、当然、魚はきれいに形を保ったまま、炭火でふっくらと焼き上げられて。
素材の魅力はそのままに、堅実に磨きがかけられて、すっと檜舞台に出されます。
なんとなく、お店に向かう道中ですれ違った、素肌の美しい浴衣姿の舞妓さんを思い出しました。
友人は「ここのお料理は元気が出る」と、毎月通いつめて、およそ一年が経ったそうです。
カウンター席とテーブルが一台の内装は、客側の漆喰の壁は店主自ら塗ったそうで、厨房側は更に漆が擦り付けるように黒く塗られています。また、天袋の戸はの樹の皮が網代になっている珍しいもの。かつて天龍寺宝厳院で見かけたものに惚れ込み、作れる人を求めるうちに京都を飛び出し、滋賀の職人に依頼したのだとか。
多くを語らない、物腰やわらかな若い主人ですが、質問すればするほど、こだわりの逸話が引き出されそうです。
お店を開いてからもう10年になると聞き、驚きついでに思わず「お弁当やお節はされているんですか?」と尋ねると、「残念ながら…」との返答。
その代わりに、お正月の三が日は営業されているそうです。いいことを聞きました。

2017年7月03日 | お店, グルメ, 町家, 花街 | No Comments »

セレブ御用達のお寺

4月17

yoshi 先週末に勝持寺を訪れた後、せっかくなので、そこから車を15分程走らせて善峯寺へ。
竹の里らしく、と竹林の合間を縫って走っていると、所々個人宅の軒先に朝堀り筍が並べられているのが視界に入ってきます。
境内はもさることながら、山肌のあちこちに春霧が立ち昇り、樹齢600年を経た「遊龍の松」は霧雨に打たれて新緑の鮮やかさが増し、まるで龍が息を潜めて横たわっているかのような枝ぶりで、思わず足を止めてしまうのでした。
通常のお寺の2、3倍の規模はあるかと思われる宝物館も、寺の紋と徳川家の紋を配した大層な品が多く、善峯寺がいかに「セレブ御用達の」お寺であった事が伺えます。
境内にはソメイヨシノより少し遅れて咲く枝垂れの蕾も多く見られ、公式ホームページからの情報によると、今週末も名残のが楽しめるかもしれませんね。

花と西行の寺・勝持寺

4月10

shouji 交通の便の良いの名所は車では近付きにくいので、市の中心部から少し離れた「花の寺」こと勝持寺ドライブをしてきました。
雨天で足元がぬかるんでいるのもあって人数はそう多くなく、傘や木の葉に当たる雨音だけが響きます。
ここで出家したと伝わる西行法師ゆかりの「西行桜」をはじめ百本を越えるとされるさの木が植わっているのですが、西行と言えばかつての大河ドラマ『平清盛』で藤木直人さんが演じていたイケメン西行をついつい思い出してしまうのですが。
すっかりとぬかるみに気を取られて上下ばかり見て歩いていましたが、ふと目に留まった木に張った苔や、草の鮮やかな青さに、新緑の季節の便りを受け取ったのでした。
勝持寺周辺には他にも、大原野神社正法寺など桜の美しい寺社があるので、尽くしの一日を満喫できますよ。

名もなき者が遺したもの

4月12

taizo 妙心寺退蔵院のの咲き具合は、前週末でこんな感じでした(画像参照)。
春の特別拝観期間中はまだ袖を広げていてくれるでしょうか。
せせらぎが潤し、大きな花傘をさしたかのように枝垂れが立つ余香苑は、現住職のお父様が作られたものだそうです。
また、宮本武蔵も修行したと伝わる方丈に残る襖絵は400年もの歳月が経っており、その間に一度も修理された事が無いと聞いて、再び振り返ってしまいました。
表は一枚の和紙に見えますが、その断面は何枚ものミルフィーユの様な層になっていて、その目に見えないところに施された丁寧な仕事が、高温多湿な日本の気候にも耐えてきたのです。
副住職の松山大耕さんが話していた「決して評価される事の無い、名も無い人々が作り上げ遺して下さったものの恩恵を受けて私達は生きている」という言葉が胸に残りました。
枯山水の白砂の溝にも花びらが落ち、普段は侘びた風情の禅寺が艶めく季節です。
のライトアップも17日まで。

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