e-kyoto「一言コラム」

ガイドブックには載っていない、スキマ情報をご紹介していきます。

頭上の桜、脚下のたけのこ

4月9

takenokoの満開を迎えた週末の京都。
平日蕾を濡らした雨も上がったというのに、家族行事で京都のを拝みにいけずじまい。

そんななか、生協の宅配のネット注文をしていると、期間限定企画の「京都の皮付たけのこ」を発見!
新物で、あく抜きに必要な鷹の爪入りのぬかまでセットされていました
(ちなみに税込2,138円でした)。

スーパーでもたけのこのそばに米ぬかが置いてあったりするものの、これまで
たけのこで有名な「とり市老舗」の前でも
「美味しそうだな…でも手間だしな…値段も…」と
横目でやり過ごしていました。

京都のたけのこは、肥料を与えるなどの手入れは全て手作業で行われ、えぐみが少なく肉厚でやわらかく、甘みがあるのが特徴なのだそうです。

一度は自分で下ごらしえしてみたかったので、ポチっと注文して、いざチャレンジ。

たけのこは何日も置いておかず、すぐに調理するのが鉄則。
かつてお料理教室で習ったことを思い出しながら、こちらも参照しました。
他産地のものをゆがいたことが無いので分かりませんが、思っていたより短時間でやわらかくなりました。

2本をまるごと家族で頂く贅沢。
牛肉と一緒に炊くのも捨て難いけど、やっぱりシンプルな若竹煮に。
こりこりとした歯応えとやわらかい肉質を、子供達も楽しんでいるようでした。

初めてにしてはうまくいきましたが、やはり料理屋で食べるものとは味付けが違いますね。
プロが仕上げたたけのこは、より上質な素材の味を引き出すように工夫されているのだろうと、自分で手をかけてみて改めて感じます。

たけのこ尽くしで有名な「錦水亭」にも行ってみたくなりました。
長岡天満宮の八条ケ池のライトアップも10日まで期間が延長となったようです。
これからの季節はキリシマつつじも綺麗でしょうね。

オープントップバスから桜の京都を眺める

4月2

sky満開のタイミングや自身の予定、お天気との掛け合わせにやきもきするシーズン。

屋根のないオープントップの2階建てバス「スカイバス」の「満喫ドライブ」を予約してみよう。そう思い立ったのが、天気予報での開花予想が出たころでした。

1週間後のに満開のタイミングには少し早いものの、翌日から雨続きの予想のために数日前倒しの4月頭で予約することに。
それからは雨予報がずれ込まないか、毎日のように「近畿地方の2週間天気」とにらめっこ。
ところが、あれから3月末の気温が冷え込み、実際の開花は予想よりも遅くなってしまいました。

当日は快晴に恵まれました。4月1日より改名されたばかりの「ニデック京都タワー」が青い空に映え、心地よい風に吹かれて出発進行!

さて、桜の結果は…鴨川・賀茂川沿いの桜はちらほら咲き、岡崎エリアへと続く冷泉通りは早咲きのがところどころピンクの塊となって窓を撫でるように続きます。
「最初の開花予想のままだったら、今頃延々を続く見事なに客席からもっと歓声が上がっていただろうなあ」と思いましたが、予約した日を後ろにずらしたところで、雨と被ってしまっては元も子も無いと思い当初通りの日取りで乗車したのです。

気候も開花も自然のものだから仕方のないことですね。

春の風と日差しを受けながら、沿道のホテルのスタッフさんが大きく手を振ってくれたり、琵琶湖疎水船(動画にリンクします)と並走したり、信号ほどの高さから知恩院の古門をくぐるのはこのバスならではの楽しさでした。

ちなみに、五条より南の桜は満開で、窓の外を流れる並木と雪柳の共演を眺めることができました。

京都のシーズンはスタートを切ったばかり。
ダメもとでチャンスを伺ってみてはいかがでしょうか。動画は後程アップ予定です。

川床でお月見

10月4

yuka 仲秋の名月は、家族で鴨川の川床から月を観ながらお食事しようと思いつきました。
お手頃なお店を探して「B STORE 1st」を初訪問。
四条大橋に立った時、月は南座の上に。
川床に出てみると、ちょうど真正面に満月が登っていました。

夜風が涼しく空も晴れて、気持ちの良いお食事タイムでした。
鴨川納涼床は、店舗により10月末まで利用できます。
残暑もようやく和らぎ、いい季節ではないでしょうか。

そして、食後にもう一つの目標のため、出町柳まで移動し、鴨川へ降りました。
レジャーシートを広げ、お茶を点てます。

月明かりの下で一服しながら澄んだ空を仰ぐと、まぶしいくらいに輝く満月の下に、いつしか同じ方向へと伸びる二筋の飛行機雲。
見回すと、芝生に二人もしくは数名で腰を下ろして月を見上げているグループが点々と。 外国人もいます。
中にはアウトドア用の折り畳みテーブルを据え、小さなスタンドライトで手元を照らしながらお酒を酌み交わしつつ談笑するグループも。

の頃とは違う、暗くて静かな賑わい。
こうして仲間と月を愛でようという人たちが現代にもこんなにいる。
どれだけ観光地化が進んでも、これが京都のいいところ。

2023年10月04日 | お店, グルメ | No Comments »

ただのコラボではない

7月5

kongou
金剛能楽堂では、装束の虫干しに合わせて「金剛家 能面・能装束展観」が毎年行われています。
今年は華道家・写真家である池坊専宗氏を迎えて能楽と華道についての鼎談が企画されました。

いけばなの成り立ちを遡ると、古来は神仏への供えもの。そこから真(本木)と下草で構成される「立て花(たてはな)」というスタイルが生まれ、もてなしの場に用いられるようになり、室町時代後期には「立花(りっか)」へと発展、
多種多様な草木を使って自然の景観美、更にはこの世の森羅万象を表現するようになります。

一方、『泰山府君』の等、能においても草花はよく演目に登場しますが、基本的には「作り物(造花)」が用いられ、最後は縁者も作り物も舞台からはけて「無」に戻ります。
内生(心の内に感情や考えが生じること)を生かす芸能なので、花は人の姿を投影されたものとされています。

平成3年、観世弥次郎長俊作の『花軍(はないくさ)』という珍しい演目が現代の金剛版として上演され、能舞台は池坊専好氏によるいけばなで装飾され、子方が菊や女郎花、仙翁花、牡丹の精を演じました。
(「花軍(いくさ)」という言葉を聞いて、つい、5年前に野村萬斎さんが演じた映画「花戦さ」を思い出していました)

一見「華やかなコラボレーション」という印象になるでしょうが、同時代に発展し、「花」への捉え方が異なる芸能同士が共存しているという背景を思うと、また観方が変わるかもしれませんね。

草花で染められた能衣装は、化学染料とは違い、時を経て色褪せていきます。
特に赤い染料のものは黄色になり、周囲の文様と馴染んでいきます。この枯れて調和ができていく過程も、能の世界では良しとされています。

鼎談そのものはまるで室町オタク同士の雑談を聞いているかのようなマニアックな盛り上がりでしたが、「国際化が進む日本において、自国の事をよく知ることが本当の国際化である」との提言で締めくくられました。

本当の贅沢とは

4月3

han
白木が新しい高瀬船が停泊する史跡・一之舟入の高瀬川畔に、を眺めながらお食事できる素敵なテラス席を教えて頂きました。
飲食店を営む町家の2階「帆-HAN-」です。

カフェタイムのメニューはロゼシャンパンと濃厚な自家製プリンのみ。
春風を感じながら、外の川辺に見えるのは、記念撮影を楽しむ振袖姿の女の子たち。
舞い散るの花びらのなかでの嬉しそうな笑顔はこちらにも眩しいものでした。

絶好の満開のタイミング。
日本人の思う「贅沢」とは、お金をかけてめいっぱい飾り立てる事ではなくて、

「移ろう自然が美しく輝く今この瞬間を味わう」
「何もしない余白」
にある気がします。

昼会席(3日前までに要予約。8000円)とカフェタイム(14~17時)に利用できるのはオープニング期間の4月27日まで。
テラスの側にはワインと国産ウイスキーを扱うバーカウンターもあり、
これからの新緑の季節や夏の夜には、夜風にあたりながら飲むのも気持ち良さそうです。
オープンな川床とも違う隠れ家のような風情は、誰か大切な人を連れて行きたくなるかも。

2023年4月03日 | お店, グルメ, 町家 | No Comments »

背割堤と新たな計画

3月29

sewari 京都と大阪の間、石清水八幡宮のある男山と天王山に挟まれ、木津川と宇治川と桂川が出逢う背割堤は、すっかりの名所となりました。
展望台ができる前と比べて観光地化が進んだ印象ですが、それだけ老若男女が共に楽しめるということです。

「背割堤さくらまつり」の期間中、のトンネルから途中階段で南岸へと降りると、そこは屋台が建ち並ぶグルメストリート。
レジャーシートやテントさえ持参すれば気軽にお花見ができます。
本格的なキッチンカーも多数なので、味のレベルも期待できますよ!
「お花見船Eボ-ト」も運行しています。
反対の北岸へ降りると、ひらひらとの花びらが舞う静かな小径。まつりの熱気と日差しで火照った身体を、木陰でクールダウンできます。

ところで、2025年の大阪・関西万博を見据えて、淀川舟運を活性化しようと、水深が浅い大阪府枚方市からこの背割堤付近まで川底を掘削して航路を確保する構想が上がっているそうです。更に上流の伏見港まで中型船を運航させることも視野に入れた、京都市、宇治市、八幡市、枚方市の4市と国土交通省がタッグを組む「かわまちづくり計画」です。

かつては坂本龍馬や伊藤若冲も船便で京都~大阪間を移動していました。
三川が合流する背割堤は治水のために生まれたものですが、今後この計画への安全と環境への配慮がクリアされたとしたら、わくわくしてきますね!

花より団子か、団子より花か。

3月22

iori 例年よりも1週間以上も開花が早く、慌ててお花見の計画を立てた人も多いのではないでしょうか。

梅・桃・が一度に楽しめる京都御苑を去年の今頃に訪れた時にはまだ工事中だった「SASAYAIORI+」を目指して自転車を走らせました。
壁一面の窓からの木々が眺められる休憩所だからです。

カウンターで注文をする前に席を確保する必要があります。
ぜひとも窓側の席を…と、見回していると、ちょうど席を立つ方の後ろで待機して、無事窓際に着席できました。
画像は17日(金)時点でのの様子なので、今週は更にゴージャスな景色が望めることでしょう。

どら焼きにも惹かれたけど、ここは素朴なみたらし団子とほうじ茶で。
食べるのに忙しくならないシンプルなメニューの方が、花を愛でる時間には向いているような。

桜の名所や美しい場所は全国どこにでも、家の近所でもあるものですが、この近衛邸宅跡ののように、雅やかな風情は京都ならではのような気がします。

自然の中から見出されるもの

9月27

bonsai

大徳寺山内の最北にある塔頭・芳春院

現在、伽藍内の拝観はありませんが、2021年より盆栽庭園を開園しています。
看板は立ててあるものの、よっぽど近づかないと気づかないくらい。

受付で目録を受け取り、お庭を一周するように配置された作品の前で立ち止まっては覗き込んだり離れて眺めたり。

大陸から伝わったとされる盆栽は、「自然の中のどこにでもある仏性」の象(かたち)として創作されたものだそうです。
水石(すいせき)とは「山水景情石」の略称で、石を鑑賞する文化のこと。日本古来から伝わるものだとか。

なんの知識も持ち合わせてはいないのですが、盆栽を観るのは好きです。
自然のもたらす曲線美と人の手が加わった力強さが、ルネサンス彫刻を観ているときのような気持ちになるのです。
誰もいない庭園の中で床几に腰掛けていると、お彼岸の涼しい風に、鳥のさえずりと遠くから木魚のやわらかい音が載ってきました。

春にはの作品が置かれ、庭園内の紅葉の木の麓に立てば、開けた空の向うに比叡山も見渡せるので、
これまで訪れてきた寺社とは違う趣のお花見や紅葉狩りができそうです。

有名な戦後武将や茶人、座禅に禅庭、精進料理、月釜。
禅やサムライに興味のある人にとって、大徳寺は見どころの宝庫。
いつ訪れても外国の方がぽつり、ぽつりと歩いています。
きっとこの盆栽庭園もこれから注目されるはず。教えて差し上げたい!

春のうつろい

4月20

10
今年のは雨にも強く、長く楽しめたように思います。

早咲きの河津に始まり、辺りを華やかにする染井吉野に若葉が覗き始めた頃に、枝ぶりまで艶やか枝垂れが花開き始めます。
そしてぽってりと毬のように愛らしい八重桜へと見頃が移りゆく花見も終盤の頃のお楽しみが、散ったの花びらが水面を連なって流れていく花筏。
哲学の道高瀬川など川幅の狭いところに行くと、水面は一面花びらのじゅうたんのようになります。

朝の伏見に降り立ち、「京橋」の脇から降りて東へ川沿いに進み、その先にある伏見十石船の出発地点の方面へ。
川のカーブにさしかかる辺りは、新緑の合間に菜の花や雪柳が呼応するように鮮やか。
ちょうど酒蔵を背に十石船がさざ波を立てながら、レッドカーペットならぬピンクカーペットを進む姿を観る事ができました。
乗船したりゆく船を見かけると、手を振りたくなるのは何故なのでしょうか。カメラを片手に乗客に小さく手を振ると、気付いた方もまた小さく振り返してくれました。

昼間は自転車で青空と半木の道の枝垂れを見上げながら鴨川沿いを走り、夕方には車で大原へ向かいました。
バス停「戸寺」付近の橋から高野川沿いを眺めたときは「ちょっと盛りを過ぎたかな?」と思いましたが、付近を走ってみるとまだ満開のがたくさん花を咲かせていました。
観光地化されていない、里山を遠くに川の両岸を縁取るピンクの霞です。地元の人くらいしか見かけませんでしたが、他にもを求めてはるばる車で来ている人もいるようでした。
日が落ちるのものんびりな週末の夕陽のなか、戸寺ふれあい公園からは子供達の「だるまさんがころんだ」の声が何度も響き渡っていました。

2022年4月20日 | 観光スポット | No Comments »

「日本のあそび」曲水宴

4月11

kyoku
上賀茂神社の渉渓園に一歩踏み入れると、濃厚なお香の香りを感じて思わず振り返ると、山田松香木店が「薫物(たきもの)」をされていました。
薫物の演出は『源氏物語』等の古典文学にも記されており、今年は染殿后藤原明子の「梅花」をもとに、昔ながらの調合方法で調整されたものだそうです。

「ならの小川」からの分水が流れ、木漏れ日の中には客席が設けられ、そよ風に汗ばむ程の陽気も忘れてしまうほどの心地よさ。
受付から開宴までの合間に、たまたま居合わせた和歌をたしなむという方とならの小川の畔に腰かけて、せせらぎの音に耳を傾けながら昼食を取りました。

「五・七・五・七・七」のリズムを持つ短歌と和歌と違いとは。
和歌には型というものがあり、いわゆる「現代短歌」は、明治以降に入ってきたもので、芸術として自我を表現するものだそうです。
令和元年に選ばれた斎王代が十二単の袖を引いて現れると、場が一層華やぎ、客席も色めき立つのが伝わってきます。

薫物は二箇所であり、遮る物の無い開けた庭園であっても、披講の抑揚ある調べに載せるようにリズミカルに濃淡を変えながら香りが漂っていました。
曲水宴は、中国の禊祓の行事が日本流にアレンジされたもので、自然の中に身を置き、香を焚いて雅楽とともに場を盛り上げ、歌を詠む順番さえも羽觴(うしょう)を運ぶ遣水(やりみず)の流れに任せるという、まるで王朝文化への憧れを投影した「日本のあそび」を象徴するような催しでした。

宴の後は、斎王代が境内の斎王の前で美しい立姿をみせてくれました。

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