京風中華
花街に詳しい人に教えてもらった「中国料理 八楽」は、高台寺近くの、観光客が素通りしてしまいそうな路地を入ったところにありました。
夫婦で切り盛りされていて、カウンター席のみ。大人向けですがコースでもリーズナブルで、肩ひじ張らずに足を運べそう。
さっぱりとした味付けは胃が重くなる事も無く、軽やか。殆ど常連客のみで続いているのが素晴らしい。
お店の中央にある柱には、芸舞妓さんなど花街にゆかりのある人々の千社札でいっぱい。
その中で三角の紙が気になったので尋ねると、舞妓さんがデビューするときに配られる「さし紙」に対して、こちらは芸妓さんが引退するときに挨拶回りに配る「引祝」だそうです。
芸妓さんに定年は無いと聞きますが、結婚等で芸妓さんが引退するときには、引祝の紙と共に白飯(またはおこわ)とお赤飯を半々にしたものを一緒に配るのですが、引退してもまた復帰するかもしれないという時は紅白、もう戻って来ない場合は白飯にするのだそうです。
芸舞妓さんのデビューを追ったドキュメンタリーはよく見かけますが、引退のエピソードは初めて聞きました。
お味も雰囲気も、「京風中華」と形容したくなるお店でした。