e-kyoto「一言コラム」

ガイドブックには載っていない、スキマ情報をご紹介していきます。

近くなる京丹後

8月26
ホテル「HOLIDAY HOME(ホリデーホーム)」
ホテル「HOLIDAY HOME(ホリデーホーム)」

 この夏は京都の北部、丹後半島にある久美浜へ。
1年半をかけてリニューアルしたホテル「HOLIDAY HOME(ホリデーホーム)」に再びお邪魔しました。
麦わら帽をかぶったスタッフ達が芝生や季節の花々を手入れしている中に点在する客室棟の他には、宿泊以外の人でも利用できるそば処「ろあん」も新たに併設されていました。
京都迎賓館等で知られる安井杢工務店が手掛けたとあって、まだ新しい木の香りが残る洋間の客室は、どこか日本家屋の中にいるような寛ぎを覚えます。
両側から緑いっぱいの庭を望むダイニングでは、地元の野菜や丹後の魚介に果物を、お庭で育てたハーブの風味と共に頂きます。
車で5分程の小天橋海水浴場は海水も透明感があり、お盆過ぎの昼間は程良い賑わい。浜茶屋が閉店した後の夕方は、泳ぐ人もまばらでとても静か。
泳いだ後は夕日ヶ浦温泉外湯の「花ゆうみ」で流し、さっぱりして帰路につきました。
京都市内からホテルまで、車で片道約3時間半の道のりでしたが、来春には京都縦貫自動車道が全線開通し、京都市内から宮津まで約90分で行けるようになるそうです。
夏は海、冬はカニ!と近畿各地や中京から丹後方面へのフットワークが軽くなり、周辺の観光にも活かされていくといいですね。

2014年8月26日 | 未分類 | No Comments »

一つの送り火

8月18

myo 16日の局地的豪雨は台風11号をしのぐ程の影響力でした。
京都府内各地で被害が出ている一方、雨後は何も無かったかの様に元の状態に戻っているところもあり、奇妙な感覚を覚えます。
それでも、五山の送り火の保存会の人々は火床をシートで保護する等、万全な対策で今年も荘厳な夜景を見せてくれました。
毎年異なる場所から観るようにしているのですが、今年は家族親戚と共に近所の「妙」を観るため、宝が池スポーツ公園(宝が池公園運動施設)へ。
視界が開けているため、目の前の大きな「妙」が点火されると、朱に燃える火床や人影もはっきりと見えています。
人の流れに乗って少し移動すると、「大文字」や「船形」も拝む事ができました。
両手を合わせた後も炎は揺らぎ続け、しばらくすると何か掛け声が聞こえて、次々と鎮火。
立ち昇る水蒸気の中を、懐中電灯の灯りが文字に沿って降りていきます。
炎の祭典と言うより、儀式と言う方が近しい。ライトアップでは味わえない静かな高揚感です。
複数の送り火が見える場所を追い求めるのもいいけれど、一つの送り火だけを、炎が生まれて燃え盛り、消えて暗闇に帰るまで、じっと見届けるのもいいな、と思いました。
一人暮らしとおぼしきご高齢の女性が、点火時間に合わせて、独り杖をつきながら公園へとゆっくりと歩いていく姿が、今でも目に焼き付いています。

2014年8月18日 | 未分類 | No Comments »

京都競馬場

5月7

keiba 上賀茂神社の競馬(くらべうま)…ではなく、京都競馬場で初めての競馬に挑戦してみました。
京都競馬場のある淀は、その名の通り、淀城跡與杼(よど)神社等が近くに点在しています。
京阪淀駅に向かう電車の中には、競馬新聞を携えた熟年夫婦やカップルを見かけましたが、連休中という事もあってか、ベビーカーを押す家族連れの多さに驚きました。
入場料200円の場内にはレストランや無料のキッズルーム、場外ではアスレチック施設やポニー試乗会など、小さい子供連れのママさん達にとっても行きやすい工夫がされているようです。
広大な空のもと、芝生の上にレジャーシートを敷いて観戦する姿はまるでピクニック。子供達が楽しそうにはしゃいでいると、パパさん達も家族サービスできて一石二鳥!?
よく手入れされた毛並み麗しい馬が疾走する勇姿を立派なカメラで撮影する女性や、男女で和気あいあいと予測を楽しむグループもいて、それぞれの競馬の楽しみ方があるのだと思いました。
数多の蹄が土を蹴る音がみるみる近づき、目前を走り去っていく馬の速さと、最終コーナーを越えて一層湧き立つ人々の歓声は、テレビで観るのとは迫力が全然違っていました。
そして気になる成果は…トータルで約4万円勝ちました!恐るべし、ビギナーズラック。

2014年5月07日 | 未分類 | 1 Comment »

残暑のすごしかた

8月21

chaji 京都の日本家屋に住むチリ人の知人が、自宅での茶事に招いてくれました。
夕方、水打ちされた玄関から入ると、待合の床には染付のお皿に氷柱が置かれ、人数分のうちわが添えてありました。
浴衣の袖口からうちわを扇ぐと、風が胸元から襟首へと抜けていきます。
チリの料理やワインがお膳で出された後は、濃茶を頂きます。
なんと、ガラスの水指の中にも大きな氷の塊が!柄杓を差し込むと心地よい音を立てるのです。そのお水も、はるばる梨木神社から汲んできたもの。
薄茶席へ誘う合図は風鈴で。こちらは水で点てたお抹茶です。
すうっと、汗が引くようなさわやかさ。
エアコンの無い部屋なので汗は流れますが、障子を開放しているせいか体感温度は思ったより高くなく、かすかな夜風がとても冷たく感じられました。亭主のすすめで縁側に腰をかけると、夜空には白く涼しげに輝くお月さま。
一昔前の日本人なら、こういう涼の取り方をしていたのでしょう。
密閉され、キンキンに冷房のきいた空間で氷のたっぷり入った飲み物を飲むよりも、うっすらかいた汗が空気の動きで熱を取ってくれる方が、身体にも優しく、夏バテせずに済むような気がします(もちろん、やせ我慢は禁物ですが)。
チリから茶道を学びにやって来たその人に、教えられました。

2013年8月21日 | 未分類 | No Comments »

「千鳥の盃」

4月22

sakaduki 「先輩、一杯どうぞ」「ありがとう。やあやあ、君も一杯…」
宴会で、また新入生・新入社員の歓迎会で、ビール瓶やお銚子を片手に互いの杯に注ぎ合う光景。
これは、懐石料理で八寸を頂く際に、亭主と客たちが1つの盃で酒を交互に注ぎ合う「千鳥の盃」から来ている風習のようです。

「千鳥の盃」は、今では茶道における茶事の稽古の一つとされていますが、その昔誰もがお客を自宅でもてなしていた時代には当たり前に行われていたものだそうです。
そういえば、旧家には御膳やお椀、来客用の座布団等をたくさん所持しているところがありますね。日本人の暮らす家も、床の間がある来客スペースよりも、家族がくつろぐためのプライベートな空間作りが主流となりました。

その会の趣向に合わせて、亭主が酒の肴の代わりに小唄を一曲披露する事も。
今となっては千鳥足でオヤジギャグがオチかな!?

2013年4月22日 | 未分類 | No Comments »

よしもと祇園花月

3月18

kagetu 八坂神社のお膝元にある「よしもと祇園花月」。その祇園花月が入っている祇園会館は、入り口によしもと京都限定グッズが販売されている他は外観も内装もほぼ変わっていないので、かつて二本立て映画館として親しんできた京都人にとしては、ほっとします。
お弁当「よしもと祇園御膳」を予約する事もできますが、好きな食べ物、飲み物を持参して観劇できるスタイルもそのまま。
おなじみの新喜劇や漫才・落語といった本公演の後に、手頃な料金でナイトトークショーが行われる日も。
やはりテレビとは違って芸人との距離が近く、囃し声が舞台に届いたり、また観客にもツッコミが入ったり。そんなやりとりもまた一興。
その日その日に入っている客層を意識して話題を変えてみたり、ハプニングも笑いに変える臨機応変な話術は、息遣いさえ聞こえてくるようで、「あっほやなあ~」と笑いつつもその芸人魂を感じずにはいられません。
最近パソコンやスマホの画面ばかり見ている貴方!表情筋、使ってますか?お腹から笑っていますか?
笑いは自身の免疫や自律神経のバランスを整えるといいます。心身のサプリメントに生ライブ、いかがでしょう?

2013年3月18日 | 未分類 | No Comments »

ものの価値とは?

10月23

sikunsi秋季の展示が開催中の北村美術館で、四君子苑の公開が始まりました。国の登録有形文化財である四君子苑は、春・秋共に公開時期が短い(28日まで)ので、見逃さないように訪れたいと思っています。
茶道具や骨董品、芸術品には、その由来や希少性等によって時折驚くような値段が付いている事があります。
「ものの価値」とは不思議なもので、数字や星の数で左右される事もあれば、贅沢品を持つ人を「無駄遣いだ」と非難する人が、底値を追い求め安価で質の悪いものを使い捨てにしているという場合もあります。
また、ある物が世間から見ればさほど高い評価を受けてなくても、手にした本人の目的に適い心から惚れ込んだものであれば、それも十分に価値があるとも言えます。
お金を払うという事は、それを作った会社や職人さんに賛同し、応援する投資行為であるとも聞きました。
そうなると、高いか安いか、という基準よりも用途や目的に沿っていて、「適正価格」「適材適所」を知るバランス感覚の問題でしょうか。
ものの価値が分かるようになるために、あらゆるものに「自分の眼で」触れて、そのバランス感覚を磨いていきたいと思います。

ローチョコレート専門店

10月9

cacao秋はチョコレートが美味しい季節。でも「身体に悪い」「吹き出物が出そう」というイメージが先行して、食べていると後ろ指をさされている様な気持ちになってしまう事も。

京都にローチョコレート専門店とカフェ「カカオ∞マジック」(075-757-8914)ができました。
「ローチョコレート」とは、天日干しされた生カカオをローストせず、300種類を越える栄養素と酵素を失わないよう、48℃以下で作られたもの。
巷のチョコレートから余分な油分や添加物が抜き取られたような清涼感と酸味があり、カカオ豆を一口かじってみたかの様な気分になりました。
カカオは古代マヤ文明の時代から様々な儀式で使われている「スピリット・フード」とも考えられ、「食べると元気が湧いてくる」という人も。

白砂糖、乳製品、添加物、保存料、香料を使用していないローチョコなら、食べる時の罪悪感も少しやわらぎそうです。

2012年10月09日 | 未分類 | 1 Comment »

京都と大阪を結ぶ高速バス

9月18
直Q京都
直Q京都

京都と大阪を結ぶ高速バスがあるのをご存じですか?
京都駅八条口(ホテル京阪前)~大阪・なんばOCAT間を運行する「直Q京都・京都交野なんば線」に乗車してみました!

いつも大阪へ向かう時とは違う景色が観られて、ちょっと新鮮。
ちなみに、京都駅からなんばまで電車で移動すると、交通費は770円で所要時間は約50分。
「直Q京都」だと800円で約77分です。

何より乗り換えが無く、二人分の席に座ってゆったり移動できるのが魅力。
荷物が多い人やお年寄り、小さな子供連れの方に便利かもしれませんね。
願わくば、夜間ダイヤがより充実してくれれば…今後に期待します!

2012年9月18日 | 未分類 | No Comments »

鳥居形の送り火

8月20

torii

今年の送り火は、鳥居形を初めて観に行ってきました。
渡月橋畔は点火時間の1時間以上前からたくさんの人々が集まり、大堰川沿いを縁取っていきました。灯籠流しの傍らで納められた水塔婆は、読経の後に翌年の釈迦堂お松明式で焼却供養されるそうです。

ふと鳥居形を近くで観たくなり、既に遠くで灯っている種火を頼りに、できるだけ近いところまで歩いて行ってみる事にしました。
天龍寺を越えた辺りで歩行者がぐっと減り、清凉寺を過ぎて住宅地へ入る頃にはすっかり人気も無く、薄暗い夜道が続きます。
迷いながら30分近く歩き、鳥居形のふもとまで迫る事ができましたが、高度が低い鳥居形は周囲の木々や住宅で見えなくなってしまい、山の入口は真っ暗。懐中電灯を持っていても心細くなりそうな…。
なにより、これより先の神域に踏み入るのも気が引けるので、来た道を少し戻り地元の人々と共に点火を待ちました。
合図の太鼓が鳴り、保存会の人々が松明を手に所定の位置まで走る姿がかすかに見えます。
一つ、また一つと火の玉が一列に並んでいく様子を見ていると、たくさんの魂が空に向かってゆっくりと昇天していくかのようでした。

2012年8月20日 | 未分類 | No Comments »
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