e-kyoto「一言コラム」

ガイドブックには載っていない、スキマ情報をご紹介していきます。

京焼と清水焼

11月13

somei
素明窯」三代目・井上路久さんのお話は、とても分かりやすく、親しみのあるものでした。
日本の数ある焼き物の中で、定義や特徴が曖昧とされている京焼・清水焼。
もともと「土もの」の陶器が作られていた我が国では釉薬をかける風習がありませんでしたが、「石もの」とされる磁器においては、豊臣秀吉による朝鮮出兵を機に現地の優秀な陶工達を連れて帰り、各藩で抱えました。
後に京都に集められ、京都においては陶器も磁器も発展する事になったためです。
京都では陶土が採れないため、必然的に器は「薄づくり」となりましたが、その分、高度な技術が磨かれていきました。

清水焼とは京焼の一部かと思っていましたが、「京焼」と「清水焼」は一対のものだそうです。
初代・清水六兵衛は五条坂に窯を開き、明治の陶芸家・楠部彌弌(くすべやいち)は、山科の清水団地で創作しました。
五条坂近辺だけでは場所が足りなくなって日吉や今熊野へと範囲が広がり、「清水焼」だけでなく「粟田口焼」や「音羽焼」といったその土地に由来した窯も開かれていきました。

陶磁器は、資産価値が高いという事で日本画より人気があるそうですが、床の間や仏壇が日本の住宅から減ってきているため、需要も下がって来ているといいます。
従来なら、展示してある器を見て、「どんな作家だろう?」と解説に目をやるのが当たり前でした。
そこで若手作家がアイドルや俳優並みのいで立ちでカメラに収まり、逆に「この男子が作る器ってどんなだろう?」と興味を持ってもらおうという目的で、「うつわ男子-UTSUWA DANSHI-」という焼き物ユニット(?)を立ち上げられました。
その「うつわ男子」の展示会が夜間拝観中の清水寺経堂で「祈り」をテーマに行われます。
なんと、1100ものぐい呑みが無料で配られるとの噂です。

京都でも鉄道イベント

10月30

eiden 時代祭の話題でなくてすみません。10月の週末は立て続けに鉄道イベントに参加していました。

関西を中心に活動している「鉄道模型で遊ぼう会」では、会場の一室が鉄道ジオラマに変身。
おもちゃと違って、場内アナウンスも本物さながらで、子供達は一目で釘付けになってしまいます。
小さなハンドルを操作しながら、普段はなかなか乗れないような豪華列車を運転させてもらいました。

一方、修学院車庫で行われた「えいでんまつり」には、家族で参加。
お目当ての洗車体験は窓の大きな展望列車「きらら」で行われ、踏切の非常ボタンを押す禁断の体験もできました。
お食事屋台のお品書きは京阪ホテル由来のカレーやローストポーク丼、ブイヤベースのおでん等、なかなか美味しいものばかり。
よく見るとお店の店員さんの名札には「主任」や「運転士」とあり、なんと駅員さん達が活躍されていたのですね。
廃品オークションや各地を走る鉄道会社の出展、各車両の内外で写真展や縁日、ミニ電車の乗車もあり、盆栽風鉄道ジオラマ「盆ラマ」も初めて製作体験しました。
今回の来場者数は4000人と盛況だったようで、「鉄ちゃん」も「子鉄」も「ママ鉄」も混じって楽しめる催しでした。

2019年10月30日 | イベント | No Comments »

運気も開く傘回し

10月22

kasa
佳き日の余興といえば、曲芸「傘回し」。
故・海老一 染之助・染太郎兄弟の「おめでとうございま~す!」を思い出す人もいるかもしれません。

「saru」こと笠井さとるさんのパフォーマンスを見せて頂きました。
毬に始まり、雲一つ無い快晴の様な色の傘の上で回る茶碗は、意外にも澄んで涼しげな音色を奏でます。
鋭く回したり、時にはスピードを落としてうねるように転がったり、また額の上に乗ったりと、傘の動きも一様ではありません。
「皆様の運気も上向き!」
「この升のように、皆さんにますますの幸せが訪れますように~!」
これまで単なる曲芸としか見ていなかった傘回しでしたが、喜ぶ人々の無邪気な笑顔を見ていると、傘の勢いで邪気を振り祓い周りの空気をぱっと明るくして、人々の幸せを願うおまじないのようにも見えてきました。
なんとスマートフォンを回転させる技は現代ならでは。外国人客に人気だそうです。

これまでは主にゲストハウス等で披露されてきたそうですが、これならある程度のスペースさえあれば屋外やどこでもやってもらえそうです。
是非とも二条城で開催すれば、多くの人々から喝采を浴びる事うけ合いなのではないでしょうか。
なお、チップ制につき、施設への負担金はかからないそうですよ。動画はこちら

子供と楽しむ京都

10月1

chelo
乳幼児連れで参加できる『育みコンサート』が妙心寺塔頭の大雄院で開催されました。
赤ちゃんが泣いても、子供達が走り回っても大丈夫。大人が「しーっ!」と言わないコンサート。
300年の歴史ある大広間と、眼前に広がる緑豊かな庭園。こんな所でオムツ替えまでさせてもらってもいいんだろうかと思うような環境です。

映画『おくりびと』で本木雅弘さんの演奏指導を行っていたというチェロ奏者の斎藤孝太郎さんのソロコンサートで、子供達は手拍子をしたり、チェロの周りに集まったり、自由に動き回ります。
和尚さんも自身の幼いお嬢さんを抱きながら、足でゆったりスイングしておられました。
我が子は庭に降りようとしたり、周囲を携帯カメラで撮りまくったり、お寺の玄関のすのこを気に入って、ずっと行ったり来たりしていましたが、拍手の時だけは参加していました。

ディズニーやジブリなど、和尚さんの奥様による選曲で、子供達は次第にノリノリ。終いにはお堂の真ん中で踊り始め、盛況のうちに幕を閉じました。
こちらでは他にもアートイベントや秋の特別拝観も予定されています。

帰りに寄ったカフェ「fuyukostyle」も、おうち兼店舗みたいなところ。全てテーブル席ですが、子供のおもちゃも2,3個ほど置いてあります。
「妙心寺さんも、最近ヨガとか色々やってはりますね」と、眠ってしまった我が子を見て布団を敷いて下さり、久ぶりにゆっくりケーキを頂く事ができました。
パティシエさんの祖父が着物の図案の参考にしていたという名だたる作家の絵画の図鑑が置いてあり、それをきっかけにおうちのお父さんと世間話をしていると、
「すみません~父がすぐ一緒に話に寄っちゃって」とパティシエさん。

洗練されているけど家庭的なおおらかさを感じる一日でした。

見た景色、知らなかった世界

9月16

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天皇の菩提寺である泉涌寺にて、「御寺(みてら)ART元年 未景(みけい)」展が16日まで開かれています。
久しぶりにあのきつい坂道を登ると、木陰に入った辺りから、羽織っていたカーディガンが秋風をはらみ、うっすらかいた汗が体の火照りを爽やかに奪っていきました。

特定の集団に属さず独自の表現を探る美術家26名による様々なジャンルの作品群に、鴬張りの廊下を歩きながら次々と遭遇していきます。
巨石が美しい泉涌寺の庭に溶け込んだオブジェ、既知のものを作家の目線で解釈し直したもの、阪神淡路大震災を経験した現地外国人が当時を語る映像作品など。
来訪者は多過ぎず少な過ぎず、小さな子供連れの若い家族もいて、ゆっくり自分のペースで観る事ができました。
真面目な作品ばかりではなく、「イケメン美人画」として描かれた寝仏も見ものです。

参道を登り始めたお昼間はまだセミの鳴き声が落ちついたトーンで聞こえていましたが、会場を出た頃には陽が傾き、夕暮れの境内の静けさが名残り惜しくて、この場ならではの夏の名残りと秋の始まりの空気感をもう少し味わっておけば良かったかな…と坂道を降りながら思いました。
なお、学生さんの拝観料は学生証の提示で無料となり、最終日16日の14時半より妙応殿にて、中野康生氏による寺院や文化財での表現・アートの楽しみ方を、誰にでも分かりやすく紹介する講演会も行われます。

感性を呼び戻す

9月11

kiku
9月9日の重陽の節句に、初めて菊酒を頂きました。
現代となっては3月3日の桃の節供や、5月5日の端午の節供に比べると知名度が低く、京都に住まう人々の間でも行われているところは希かもしれません。
その理由の一つとして、もともと節供行事は旧暦で行われており、旧暦のこの日は新暦では10月頃。
残暑も厳しく、盛りの美しい菊が手に入りにくい季節になってしまったためとも言われています。

四季がはっきりしている風土に暮らす農耕民族の日本人は、一年を24等分してそれぞれに名前を付けて読んだ「二十四節気」や、二十四節気を更に約5日ずつに分けた「七十二候」を大切にし、自然に寄り添う暮らしをしてきました。
また、今年は13日が「仲秋の名月」ですが、月齢15日目の十五夜「満月」を過ぎると、月の出は毎日約50分程遅れていくので、翌16日目は、月が顔を出すのをいざよう(ためらっている)として「十六夜(いざよい)」と呼び、更に遅くなる17日目は、まだかと立って待つ「立待月(たちまちづき)」…という風に粋な呼び方をしていました。
いやはや、この細かさ。雅というかオタク気質というか…。

ところが、日本人のライフスタイルも変化し娯楽も多様化したため、わずかな季節の移ろいに鈍感になってしまい、今やスーパーやコンビニの幟、お天気ニュースを通して文字や映像から季節を感じるという状態になっている人も多いのではないでしょうか。
「まだ暑い」ばかり言っていないで、この二十四節気七十二候を、毎日選ぶ衣服のように身に着けていきたい。
片口に浮かんだ菊の上品な鮮やかさに吸い込まれるように顔を近づけると、かすかに優しい香りがしました。

2019年9月11日 | イベント, 歴史 | No Comments »

天岩戸のこどもカミあそび

7月24

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祇園祭の前祭では、岩戸山前で行われる童舞「天岩戸のこどもカミあそび」を目指して宵山に繰り出す事にしました。
四条通りの黒山の人だかりから外れ、レトロでお洒落な飲食店が点在する仏光寺通りに沿って西へ移動していきます。
予め「こどもステーション」に加盟しているホテル「MIMARU京都」に寄って、子供のおむつ替え、トイレ休憩をさせてもらいました。
色とりどりの浴衣に兵児帯を揺らしながら登場した子供達が一斉に吹く横笛は、最初は表情からも緊張が伝わってくるような音色でした。
でも、年齢も性別も異なる子供一人一人が、緊張を扇子を持つ握りこぶしの力に換えて、それぞれの成長に合わせた舞を一人ずつ舞っていきます。
その真剣な眼差しには、この日のために練習してきたことをしっかり務め上げようという心意気が感じられました。
最後は銘々の手に岩戸山の粽を持ち、お腹の中から張りのある声で粽売りの唄を合唱します。
これらの舞台は、祭を盛り上げると共に、山を守り継承するための粽の販促活動でもあるのですね。
昨年はこちらの「食べられる粽(木乃婦謹製)」を食しましたが、今年ももちろん厄除け粽を購入させて頂きました。
童舞は今年は試演という事で、来年から毎年行われる予定だそうです。
舞台の柵より1~2列目までは床几が置かれて関係者席となるので、正面と両外側の床几との隙間が良い撮影ポイントとなりますよ。
動画はこちら(近日公開)

子供と京町家で「ゆるり茶会」

7月16

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「にゅ、乳児連れでも宜しいでしょうか…?」
「どなたでも、どんな格好でも気軽にどうぞ~」

祇園祭宵山の喧騒より少し東に離れた、「らくたび京町家」の門前。
お言葉に甘えて、「祇園祭・宵山ゆかた茶会」に一歳の子供を茶会デビューさせてしまいました。

この会場は「旧村西家住宅」とも呼ばれ、国指定の登録有形文化財、また京都市指定の景観重要建造物に指定されている築80年超えの京町家で、公開されるようになったのは、ここ最近のこと。
茶会の参加者は銘々に、月見をする為の二畳の部屋や、電気の配線が見えないよう工夫された釣灯籠などを祇園祭にちなんだしつらいの中で見学できます。

され、子供が茶会の最中に退屈して騒ぎださないかと心配していましたが、
祇園祭仕様のお菓子をよばれた後、他の人の膝前にあるお菓子を指差して、
「あーー❗️(もっと食えるで)」
点前座から運ばれる抹茶を指さして、
「あぁああぁあああぁぁあああ❗️(その抹茶を早くよこせ)」
結局、浴衣姿の少女が運んで来てくれた私の分のお薄を、子供が半分以上飲み干してしまい、別の人の分まで欲しがり始めたので退散させました。
大人ばかりで退屈というよりも、むしろ本人なりに楽しかったようです。
この宵山の茶会は16日の20時半までです。

和のアフタヌーンティーと非日常空間

6月26

tea
外資系ホテルが続々と進出を果たしているここ最近の京都ですが、フォーシーズンズホテル京都は、早い段階から京都の史跡を活かしたラグジュアリーなホテルを展開しています。
日本の外から京都という町のエッセンスをどの様に生かしているのか、興味はあるものの宿泊でもしない限り機会が無いと敷居が高いもの。
そこで季節の催しとして、宇治の銘茶をふんだんに使った「和のアフタヌーンティー」があると聞き、初めて足を踏み入れてみました。
ゆったりしたソファ席に落ち着くと、グラスに入ったまろやかなアイス玉露で幕開け。
ミニローストビーフバーガーやほうじ茶と栗のバターサンド等を摘まみながら小腹を満たし、宇治茶だけでなくロンネフェルト社の紅茶やオリジナルの中国茶もオーダーして、まさにお茶尽くしのひとときです。
抹茶とバニラのスコーンは、冷めないよう純白のナプキンにふっくらと包まれてサーブされました。
丸久小山園とフォーシーズンズホテル京都の焼き印入りのお茶のクッキーが入った、手の平サイズの可愛らしい茶箱はお土産に。
さすがにいいお値段はするのですが、別の日にアフタヌーンティーを予約していた友人は、「確かにそうだけど、お金に換えられないものがあります」と満足していたようでした。
非日常を楽しんだのち、ホテルを出ると左手には新日吉神宮が見え、いつもの京都の景色に戻りました。
アフタヌーンティーは今月いっぱいまでですが、平重盛の小松殿跡と言われている庭園「積翠園」の池の畔にある茶室「積翠亭」では、日本茶やシャンパン、日本酒のほか期間限定でかき氷も頂けるそうで、この夏の間に再びお洒落して伺いたいと思っています。

お父さんも喜ぶバスまつり

6月19

bus   
前回の「一言コラム」で触れました「スルッとKANSAI バスまつり」。
昨年は台風の影響で見送られましたが、京都では7年ぶりの開催となりました。
25ものバス会社の車両が岡崎公園に大集合するというもの。
きっと、車が大好きな子供達があっちやこっちの車両に囲まれて興奮する様が見られるに違いないと想像しながら、いざ会場入りすると…おじさんがいっぱい!バスはどこ!?
そこにはバスの車両だけでなく、各バス会社のブースが建ち並び、それぞれオリジナルのミニカーやバスの備品、古い停留所の表示板などをフリーマーケットの様に展開しています。
鉄道ファンならぬバスマニアがこんなにいたとは。
もちろん小学生からベビーカーの子供達もたくさんいるのですが、黒山の人だかりと熱気に意表を突かれました。
平安神宮への参道の両脇に整列する様々な色や形のバスは乗車することができ、警察車両や屋根が開閉されるオープンバスは人気で長蛇の列です。
今年の4月に初登場し期間限定で運行中の「宇治茶バス」も、この機に乗り込んでみました。
宇治田原町にある正寿院の「猪目窓」を模したハート型の窓に、畳風の座席シート、茶壺や掛け軸に茶釜、手すりも竹模様です。
冗談ばかりと侮るなかれ。茶道裏千家の千玄室前家元も乗車した事のある由緒正しき?バスなんです。
これまでは9月に行われていたそうですが、なるほど、父の日の開催なら家族サービスをしながら自分のお買い物も気兼ねなく楽しめるというわけですね。
催しは15時半で終了しましたが、その後全てのバスが列を成して会場を出発し、鳥居をくぐって通過して行くとの事で、カメラ小僧たちに囲まれながら最後まで手を振って見届けました。

動画はこちら(近日公開)

2019年6月19日 | イベント | No Comments »
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