e-kyoto「一言コラム」

ガイドブックには載っていない、スキマ情報をご紹介していきます。

お稲荷さんのきつね煎餅

9月6

kitune「ここに来ると必ず買ってしまうもの」。京都で言うなら、例えば伏見稲荷大社のお膝元に来ると食べたくなるキツネのお面のお煎餅。

色んなお煎餅屋さんが軒を連ねて賑わいをみせていますが、今回は裏参道の鳥居をくぐったところにある「総本家いなりや」に立ち寄ってみました。
こちらの「きつねせんべい」の原材料は小麦粉、砂糖、白味噌、胡麻だけ。
味もシンプルであっさりとしていて、素朴な味わいが好みの人へのお土産に。

「鼻のところが焦げてしもたんで、一枚どうぞ」と、目の前で一枚一枚焼いていたお店のご主人が、あつあつの焼きたてを下さいました。
パリっと乾く前の、ややしっとりと柔らかいお稲荷さんのお面。思わず自分の顔の前にかざしてしまうのでした。

「変わらないこと」の価値

8月30

kanokoエアコンの温度をもう1度上げてみたり、温かい飲み物が欲しくなったり、秋の気配を肌で感じるようになってきました。
夜は暑さを感じさせず、名残の川床を楽しむには良い頃になりました。

手頃なお値段ですき焼きが楽しめる「かのこ」さんに行ってきました。
ここの肉はその日によって仕入れ先を変えて、一つの産地に偏らず店の基準を満たした品質を保つようにされています。
てきぱきと箸を動かし、ザラメと醤油だけで絶妙な味加減に仕上げながら
「玉ねぎも甘いでっしゃろ?淡路のもんですねん。」
と仲居さん達の軽妙な京都弁のキャッチボールの合間にも、シンプルな料理だからこそ中身にこだわる姿勢と自信が感じ取れます。
箸休めの漬物も良い塩加減で、泉州の水茄子の香り高いこと!
大正創業以来のままという店構え。「変わらないこと」の価値を上手く体現したお店でした。

2011年8月30日 | お店 | No Comments »

門前の茶店

8月23

saruya参拝客の休憩所として、またお土産を求める場として、神社とお餅やさんとは今や切ってもきれない関係です。
残暑の日差しをやわらげてくれる糺の森の傍らで、今年5月の葵祭の頃より「さるや」という茶店が開店しました。
明治期に途絶えたという申餅を現代に復活させ、江戸時代の文献「出来斎京土産」にも描かれていたそうなので、これも「リニューアルオープン」でしょうか!?

申餅の進物用は、夏場は販売されていませんが、バラ売りは1個から持ち帰りができました。
残念ながら寒天やところてんは終了してしまいましたが、下鴨神社大炊殿で使用されていたという雪の貯蔵庫・氷室にちなんだかき氷やラムネ、ひやしあめ等、魅力的なお品書きが並んでいました。

「はねず色は夜明けの色、食べると無病息災だよ!」昔はこんな呼び声が響いていたのかもしれませんね。

2011年8月23日 | お店, 神社 | No Comments »

中国風の精進料理

7月5

haku

宇治の萬福寺門前にある「普茶料理 白雲庵」。もとは万福寺の塔頭であったことから、大きな酒樽で作られた茶室には白雲庵の開山・自悦禅師の木像が安置されています。

隠元禅師より伝えられたという中国風の精進料理・普茶料理は見た目も華やか。
品数も多く意外にボリュームがあって満足感があるので、外国人客へのおもてなしにも利用させて頂きましたが、見た目からは何でできているのか日本人でも想像がつきません!より良いガイドをする為には、あらかじめ少人数で訪れてお店の方に色々と解説を受けておくのも良いかもしれない、と感じた覚えがあります。

少量ずつ取り分けられ淡白な味かと思いきや、噛み締める度にひと品ひと品が丁寧に作りこまれているのが伝わってきます。
来客用のお精進ではありますが、時間の流れがめまぐるしい現代において私達は「過去」や「未来」に目を向けがちですが、「今この瞬間」に感謝をして、大切に味わう事こそ今必要な修行の様な気がします。

2011年7月05日 | お寺, お店 | No Comments »

創作和菓子が食べられるお店

6月14
※画像は4月撮影のものです
※画像は4月撮影のものです

畳の上でなくても、お薄と和菓子が欲しいな、と思う時ありませんか?
季節を繊細に映した伝統的な和菓子も好きだけど、見たことも無いようなお菓子に出会えるお店を紹介します。

数寄屋風カウンターが粋な「SOU・SOUしつらい」では、懐紙代わりに敷かれたオリジナルテキスタイルとお菓子が一体となって一つの作品に仕上がっています。
錦天満宮の湧き水で淹れられたコーヒーやお抹茶と共に楽しめます。

平野神社近くにある「エポケカフェ」。蚤の市を開いたり、併設のギャラリーのテーマに合わせて店の内装まで変えてしまうというキャンバスの様なお店です。
こちらで食べられるのは、京の老舗和菓子店で培った伝統技法をベースに、自由な発想で遊び心のある作品を日々生み出している創作和菓子ユニット「日菓」のお菓子。
こちらでは、ゆらゆら揺れる“ブランコ席”がおすすめです。

舞妓さんとお座敷遊び

6月6
「金比羅船々」
「金比羅船々」

舞妓さんとお座敷遊びの体験が5,000円でできるプランを見つけたので、参加してみました。

お食事が進んだところで、宮川町のふく鈴さんと地方さんが登場。
卓上に置いた徳利の袴を巧みに取りあう駆け引きが面白い「金比羅船々(こんぴらふねふね)」。だんだん早くなる三味線の調子にこちらは慌てるものの、ふく鈴さんは「追風に帆かけてシュラシュシュシュ~♪」と謡いながら涼しい顔。
一方、屏風を隔てて全身でじゃんけんをする「トラトラ」では立場が逆転。観客の方が強みを見せて舞妓さんを打ち負かせていました。

舞妓さんを初めて間近で観るという友人は、「隣に座って話しかけられるとなんだかドキドキする」と緊張していましたが、軽妙なトークでリードする地方さんと老若男女を問わずに盛り上がれるお座敷遊びのお陰で、「お茶屋でお座敷遊びがしたくなる気持ちが分かった」とすっかり興奮気味でした。

老舗の抹茶おやつ

5月24

oyatu京都好き女子にとって、抹茶スイーツ巡りは寺社観光に並ぶ魅力的な巡礼コース。
敷居が高いものの代名詞の様だった「抹茶」が、「抹茶スイーツ」の台頭によって、いつしかチョコレートと双璧となるくらいにコンビニの棚を埋め尽くすようになりました。

バレンタインに、父の日に、敬老の日にと、抹茶を使ったお菓子を作るときには、「京都・丸久小山園に教わる 老舗の抹茶おやつ」が役立ちます。
変色しやすく苦みもある抹茶を扱うためのコツを京の茶どころ・宇治の老舗から学び、なおかつ家庭の台所でも作れるようにと、詳細な行程写真と共に紹介されているレシピが嬉しい一冊です。

鮮やかな濃い緑色は、茶葉の栄養がたっぷりと詰まっているようで、誰かのために作ってあげたい、との思いを起こさせます。
「おやつ」とは、手作りのぬくもりを感じる言葉ですね。

2011年5月24日 | お店, 書籍 | No Comments »

京都洛東迎賓館

4月18

rakuto吉田内閣での国務大臣・大野木秀次郎氏の自邸を活かし、現在はハウスウエディングの会場となっている京都洛東迎賓館
普段は和食の要素を取り入れたイタリアン&フレンチの「レストラン秀岳」として予約制で営業しており、外国人観光客にも好評だそうです。
昭和11年創建の屋敷の両側には回遊式の日本庭園と、美しい芝生の庭園が広がっているのがユニーク。様々な貴賓を迎えてきた和洋の調度品はどれも本物ばかりで、重厚な唐破風のある車寄せの前には、ちょうど枝垂れ桜が咲いていました。

京都での挙式を望む人々から人気を集めているのは、ここが氏のお孫さんによって今でも「おもてなしの館」として受け継がれているからなのだと感じました。

2011年4月18日 | お店 | No Comments »

増田屋ビルの月市

3月28

masuda 増田屋ビルで毎月行われる「月市」に行って来ました。
築50年程のレトロな5階建てビルの中に、工房を兼ねたアクセサリーショップや陶芸教室、靴屋等が入居しています。もちろん、実際に生活している人も。

このビルを訪れたのはおよそ8年ぶりでしたが、独特の品揃えのマニアックな古書店「書肆 砂の書」も健在でした。
「ここは開店してるのかな?あ、鍵がかかってた!」と、薄暗い各階の扉のノブをドキドキしながら回すちょっとしたスリル。お店の人との会話も楽しんで欲しいところ。
特に「HappyRock!! slow design」(土日営業)の、ころんとしたフォルムの家具や小物は、思わず誰かに贈り物をしたくなります。
ギャラリーアンテナでの「江口寿史ポップアート展」は4/10(※ 月曜休)まで開催しています。

ミニサイズの和菓子

3月8

kasiwa旅先でもお抹茶セットを持参して、野外や宿でお薄を楽しむときがあります。
3日以上の連泊、あるいは行き先が海外にもなってくると、主菓子では日持ちがしないし、かといって干菓子だけではちょっとボリューム感が足りない。

そんな時に活躍するのが吉田山のふもと、神楽岡にある「柏家宏之菓舗(075-771-6529)」の『千種の季彩』です。
2~3センチくらいの落雁や松露、胡麻だんごなど、半生菓子とも言えるミニサイズのかわいい四季折々のお菓子が、箱いっぱい! 10日ほど日持ちもします。

仕事の合間の息抜きに甘いものを少しだけ欲しいときや、行楽シーズンなど大人数でわいわいと色んな種類を食べるのに絶妙な、おつまみサイズの和菓子です。

2011年3月08日 | お店 | No Comments »
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