e-kyoto「一言コラム」

ガイドブックには載っていない、スキマ情報をご紹介していきます。

東龍 河原町店

8月14

tonryu「野菜を煮込んだポタージュの様なスープ」という評判に惹かれて、「東龍 河原町店」の暖簾をくぐりました。

お目当てのスープは黄色がかっていてとろみがあり、まるで豚骨や鶏ガラと煮込んだコーンスープのよう。縮れた自家製玉子麺によくからみます。
上にたっぷり乗った白菜は炒めてあり、歯ごたえや甘みと共に香ばしさが伝わります。
京都産もち豚を使用した台湾風唐揚げ「排骨」は、外はさくさく中はやわらか。思わず手に取る白ごはんは、店主の実家である滋賀県朽木村で育ったもの。

ラーメンの名店が多いとされる京都において、元は料理人だったという店主が、コース料理を一つのラーメン鉢に凝縮するような心意気で挑んでいるのが、その店ならではの個性に繋がっている気がしました。

2012年8月14日 | お店, グルメ | No Comments »

マリベルの魔法

8月6

marieチョコレートが大好きです。
仕事の合間に一粒…という大人な嗜み程度ではなく、がっつりと心ゆくまで味わいたいので、チョコレートは何かの際のご褒美として頂く存在なのです。

ニューヨーク・ソーホーのチョコレート専門店・マリベルが日本初上陸の地に選んだのが京都。
町家にアンティーク家具を配し、ショップやカフェの他、テイクアウトアイスのカウンターも備えた店内はテーマカラーのブルーとココア色に統一され、その魔法にかけられたような空間ととろける味わいは、夏イベント「京の七夕」に合わせておめかしした浴衣女子たちの心もわしづかみにしてしまったようです。
その甘~い誘惑に、次に足を運ぶ時までまた頑張ろう、と思いながらショッピングバッグを覗くと、ひとひらの花びらが。ここにも魔法が残っていました。

2012年8月06日 | お店, グルメ, 町家 | No Comments »

テイクアウトひやしあめ

7月30

ame寄り道したり、回り道したり、いつもと違う道を選ぶと、思わぬ発見があったりします。
激しい夕立の後の、蒸せる空気に苦笑いをしながら二条通りを歩いていると、「ひやしあめ」と大きく書かれた目にも眩しい冷蔵ケースが。
1杯160円という、美よし菓舗さん(0757711015)の「ひやしあめのテイクアウト」でした。
喉を潤すのにお水では物足りないというこのタイミング。しかも手元にはちょうど空になった容器まである!と考えるやいなや、吸い込まれるようにお店に入って「ひやしあめくださーい」。
お店の夫婦が二人がかりで入れてくれたばかりの冷え冷えを、お釣りもまだ受け取らないうちから、思わず口にしてしまいました。
茶店や夜店で飲むものよりキンと冷えていて、一部が凍ってシャリシャリした飲み心地は、冷蔵ケースから容器に移したばかりだから。
しっかり甘いのに、生姜風味で後味はすっきり。冷たさが身体に染み渡るようで、疲れが吹き飛ぶおいしさでした。

2012年7月30日 | お店, グルメ | No Comments »

増田徳兵衞商店の「稼ぎ頭」

7月9

kasegi 増田徳兵衞商店から新発売されたお酒を頂き、早くもリピートしています。
純米酒「稼ぎ頭」は、フルーティーな香りと程よい甘さでとっても飲みやすい!
お米由来の優しい芳香を楽しみ、舌先に甘味と酸味がころりと乗っかって、舌の両側から鼻奥へとじんわり伝わるアルコール分(8度)が、身体の緊張と共にふっと抜けていく感覚はアペリティフ(食前酒)を飲んだ時とよく似ていて、幅広い世代の男女やお酒が苦手な人が集まるお祝いの席にも合いそうです。
コバルトブルー色の端正なボトルには、ワイングラスやカットが美しいミニグラスを添えるとより清涼感があって楽しい。

それにしてもユニークなネーミング。
女性にも飲みやすいので、日頃便りにしている女上司にプレゼントしてみては!?

2012年7月09日 | お店, グルメ | No Comments »

福栄堂と壹錢洋食

6月12

fukuei湿気で少し重くなった空気を一瞬忘れさせてくれる、夏の冷菓。
祇園のお土産に頂いた「福栄堂」さんのお菓子は、鮮やかな抹茶のゼリーに、笹で巻いたれんこんのお菓子(「蘇民将来様之心継菓子也」だそうです)…なんだかどこかで見た事があるような気がしないでもないですが、まあいいや、と口に運びます。
素材にこだわり、無添加・無保存料で作られているだけあって、なかなか素直なお味で美味しい。つるつるっと食べ尽くしてしまいました。
祇園の一等地に店を構えながら「京都ブランド」ぶる事なく、「祇園のぷるこちゃん」なるキャラクターを生み出すこの独特のノリもどこかで…。実は、お向かいの「壹錢洋食」は福栄堂から派生したお店なのです。
漉しあんでお餅をくるんだ看板商品の「祇園の月」は、冷蔵庫でちょっと冷やしておくと口あたりがひんやりとして、おすすめです。

2012年6月12日 | お店, 修学旅行 | No Comments »

田舎料理 加悦

6月5

kaya洋食より和食、肉より魚、会席より家庭料理が食べたい気分のときがあります。
久しぶりに「田舎料理 加悦」の暖簾をくぐりました。
お刺身がたっぷり盛られた夜のおまかせ定食(2,500円)を頼み、もちもちの山芋と卵、日本酒で作った名物「加悦汁」をお腹に流しこみます。
夫婦でもう40年も続けておられるので、さすがにお二人ともスローペースですが、それをよく分かっている常連さんも気にせずマイペース。
京都コンサートホールが近いこともあり、名指揮者の小澤征爾さんも年に1~2回訪れているそうです。
実は、裏メニュー(!?)のきつねうどんもおすすめなのです。きっと出汁が良いのでしょう、甘いお揚げさんと山椒が透明な出汁の中で溶け合って、うどん屋さんのそれとは違う、優しい味わいなのです。
ダメもとで聞いてみて良かった!今宵もごちそうさまでした。

2012年6月05日 | お店 | No Comments »

映画村さくらまつり

4月9

eiga京都の桜は寺社だけにあらず。東映太秦映画村のあちこちで染井吉野やしだれ桜の大木、里見浩太朗さん植樹の八重桜などが青空の下で満開になっていました。
昨秋からアニメミュージアムや忍者屋敷の新設、お化け屋敷の改装などが進められてきた映画村は敷地が約3割拡張され、JR太秦駅からのアクセスも徒歩5分以内と大幅に短縮されました。
昼食には、日本で初めてラーメンを食べたという水戸黄門さんの「水戸藩ラーメン」。
明の儒学者から伝えられたレシピを再現し、五辛を添えた当時の薬膳風になっています。
箸袋は日本刀、貯金箱としても使える御用提灯ビールジョッキ、思わず「控え居ろう!!」と突き出したくなるような印籠型の最中アイスなど、遊び心満載のグルメグッズは時代劇に馴染みの無かった人でも気分が上がります。
東映の役者さんに案内してもらったり、チャンバラや花魁道中を観たり、忍者修業をしたりと盛りだくさんなので、映画村を十分に楽しむなら午前中から入村しましょう。
なお、2012年秋にも新施設がオープン予定だそうです。

林忠次郎商店

3月26

su「“さしすせそ”の順番に入れる」と教わったように、限られた調味料の組み合わせだけで無限のレシピが生まれる和食の不思議。
その調味料一つとっても、時代や人の好み、ライフスタイルによって味は千差万別です。

そんな外的要因や添加物を排除して、素材だけで「限りなく自然に近い酢造り」を守り続けているのが「林忠次郎商店」。長年京都に住まう年配のグルメな方から教えて頂きました。
目と鼻の先にある「孝太郎の酢」さんの本家にあたるそうです。
そこの味ぽん酢を一口含んでみると、すだちと鰹節の風味が飛び込んで来て、口いっぱいに香りが広がります。飲み込んだ後には、それぞれの味が一体となって舌に余韻を残します。
お店の奥さんが考案したという「氷砂糖のお酢」は甘口なので、水や果汁で割って疲れた時のリフレッシュに。女性誌に紹介された事で注目を浴びたそうです。
「お酢って、こんな味だったんだ」。

本当の個性とは、足し算ではなく引き算の末に残るものなのかもしれません。

2012年3月26日 | お店 | No Comments »

美容室「やまと」と日本髪資料館

2月27

yamato芸舞妓や嶋原の太夫の髪を結ってきた美容室「やまと」と併設の日本髪資料館が2月末で閉められると聞いて、慌てて見学に行って来ました。
コンパクトな空間ながら、櫛や簪にも本物にこだわった日本髪の豆かつらは古墳時代から現代のものまで、想像を越える数でした。
実演映像の上映もあり、束ねられた髪がまるで漆を塗り込めた板の様になり、そこからみるみるうちに髷(まげ)に変化していくダイナミックな手技に引き込まれ、一人で長らく見入っている人もいました。
真っ直ぐに伸び、「烏の濡れ羽色」と評される黒髪ならではの結髪の世界は、現代のアートシーンでも十分に通用する気がするのに、現在京都の結髪師は5人だけ。高齢化も進んでいるそうです。
「やまと」の結髪師・石原哲男さんは今後は持病の療養に専念され、閉館後の日本髪資料館のコレクションの行方についてはまだ決まっておらず、豆かつらをまとめて引き取って貰えるところを探す予定だそうです。

手打ちうどん 山元麺蔵

2月13

yamamoto京都人は行列に並ぶのが苦手といいますが、岡崎にある「手打ちうどん 山元麺蔵」も、いつも店頭で人が団子状に連なっているお店の一つ。
以前から気になりつつも並ぶのを避けていましたが、先日ラストオーダーの少し前だったためか珍しく行列が見あたらなかったので、これはチャンス!とばかり初入店。
温かい「ごぼう天うどん」に香味油をトッピング。並サイズでもボリュームがありました。
京都のうどんといえば、素朴な麺でどちらかというと出汁で勝負といったところですが、ここのうどんは噛むともっちりと押し返してくるような強いコシ。
「次に来た時はまた長蛇の列ができているかもしれない…」と貧乏性を発揮して、ざるうどんまで追加してしまいました。食べ過ぎ…。
こちらは長~い麺を好きなところでカットしながら頂きます。つるつるとした艶と喉越しが気持ちいい。
食べ応えに加えて、店の内外で待つそれぞれのお客さんへの気配りもあり、店長の意欲的な姿勢が現れています。ガツンと主張の強いうどんが好みの人は、是非。

2012年2月13日 | お店 | No Comments »
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