e-kyoto「一言コラム」

ガイドブックには載っていない、スキマ情報をご紹介していきます。

名月堂のニッキ餅

3月10

nikki 「京都の和菓子に詳しい方に教えてもらったの。」と、名月堂の「ニッキ餅」をお土産に貰いました。
ケーキなら紅茶、甘~いパンなら珈琲、そして和菓子の場合は抹茶を、お供のドリンクに選ぶところなのですが、今回はニッキ(肉桂)と言えばシナモン味を想像するので、大好きなロイヤルミルクティーと合わせてみました。

フォーク越しに指にも伝わってくるふわふわの触感に、こちらの期待心もふるふると、軽やかに踊ります。
しゅっと溶ける噛み応えは、わらび餅とは違うもっちり感で、大きなマシュマロにかぶりついているような楽しさ。
口いっぱいに広がるニッキの香りと、どこかジューシーさのある後味に、思わずかじった後の断面を眺めてみたりして。
まだニッキの余韻に浸っている間にミルクティーを飲むと、またいい感じ。

花街・宮川町にあるお店なので、「京おどり」の頃には、お花見団子と一緒に買い求める人で賑わいそうですね。

2014年3月10日 | お店, グルメ, 花街 | No Comments »

「文化の発信装置」としての百貨店

3月3

taka 普段、色々な百貨店を利用するなかで、高島屋に対して個人的に持っている印象と言えば、“高級感”や“美術に力を入れている”、“客の年齢層が高め”でしょうか。
1831(天保2)年、烏丸通松原上ルに古着・木綿商「高島屋」を開いてから約180年。「暮らしと美術と高島屋」展が、創業地の京都で開催されています。
明治期の高島屋を再現したミニチュアから、京都と百貨店、そして日本の歴史を併記した巨大年表に始まり、レトロな広告や美術品、史料の中でも、吉野の桜やベニスの月、ロッキー山脈の雪を描いた「世界三景 雪月花」ビロード友禅の原画は圧巻でした。
竹内栖鳳や池田遥邨、富岡鉄斎など、誰もが知る作家の名が次々と登場しますが、これは意識して収集されたのではなく、創業以来の歴史の間に自然に集まったものなのだそう。
オリンピックに出場した選手が多くの人々や企業に支えられていたように、美術工芸の分野においても、日本の企業と文化が共に育ちながら、万国博覧会を通して世界に受け入れられていった経緯が読み取れます。
今でこそ百貨店にレストラン街や美術館に画廊、催事空間を設けているのは当たり前となりましたが、身の回りの人が、「特に買い物の予定は無いんだけど、ちょっと高島屋に寄って行こうかな…」と呟きながら、入口へと吸い込まれていくのを今でもよく見かけます。
客の需要に応え、またある時は時代に先駆けて新たな価値観を提案する「文化の発信装置」としての百貨店は、これからも姿を変えながら進化をし続けていくのでしょうね。

冬の貴船

2月25

botan 冬の貴船を訪れました。夏の川床、秋の紅葉シーズンは多くの人が足を伸ばすこの地も、人影はまばらだな…と思いきや、若い女性のグループやオフシーズンならではの静けさを楽しむ外国人カップルなど、意外に人足が絶える事は無いようでした。
特に貴船神社では最も人が多く、水に浮かべてご神託を受ける「水占おみくじ」を試みる家族連れや、お札を求める夫婦などの姿があり、パワースポットとしての人気は冬場も衰えを見せません。
川沿いでは3月まで店を閉めているところもありましたが、今回は「べにや」で寒い時期のお楽しみ、「ぼたん御膳」を頂く事にしました。
「昔は猪に抵抗のある人が多かったけど、最近は若い人がよう食べはりますね。」と仲居さん。
締めには、野菜と猪肉の旨みが溶け込んだスープでおじやを作ってもらい、お腹の中からぽかぽか温まります。
なにより料理旅館なので、仲居さんにお座敷へ通された時から、まるで旅行に来た様な気分。窓を開けると、せせらぎも聞こえてきます。
冬の貴船は、京都の人にとっては小旅行の気分を味わえ、他府県から観光で来た人にとっても、京都の町中とは景色がガラッと変わるので、このしんと冷えた空気も気持ちよく感られました。

椿堂茶舗・ 茶房竹聲

2月17

tubaki 2月の半ばから下旬にかけては、京都の観光「オフシーズン」。寒さが最も厳しくなる頃ですが、年に数回程度の積雪による「雪の京都」が楽しめたり、観光地や飲食店でも比較的ゆっくりとした時間を過ごす事ができます。
こんな時こそ行こうと思っていた、墨染の地の「椿堂茶舗・ 茶房竹聲 」。茶房は京都府内数あれど、こちらは煎茶道の趣です。
本来なら店主が厳選した煎茶や玉露を頂きたいところなのですが、今回は以前から国産の紅茶を試してみたかったので、茶房「竹聲」にて「京都紅茶」を頂く事にしました。
コチコチと柱時計の音だけが響く店内で、自家製の和菓子と共に運ばれて来ます。
砂糖もミルクも添えられてはいませんが、ストレートでもすっきりと飲みやすく、繰り返しお湯を注ぎ足して飲んでも苦みが出ません。
このまろやかさは、きっと京都産の最高級品種のお茶を使用しているからこそ引き出されたもの。むしろ何も足さずに、純粋に紅茶のみの味を楽しむのが正解なのでしょう。
抽出した後の、まだ湯気の残るお茶の葉に鼻を近付けてみると、普通の紅茶とは異なる、何か植物系の独特な甘い香りがしました。
店舗にも、煎茶や抹茶、番茶、国産烏龍茶等と並んで、「京都紅茶」はティーバッグや茶葉の缶入り、お土産にも便利なサイズの箱モノもがあり、そのバラエティに富んだラインナップに人気ぶりが伺えます。
甘味以外はちょっと玄人向けな風情ですが、次回はカウンター席で、お茶の飲み比べに挑戦してみようかな。

2014年2月17日 | お店, グルメ | No Comments »

「いもぼう」

2月3

imobou 節分も旧暦のお正月も迎え、冷たい風の合間にさす日差しも春めいて来ました。
京都のお正月料理として、また毎月15日に食べる伝統的なおばんざいとして知られる「いもぼう」。
カチカチの干物である棒鱈(ぼうだら)を水で戻すには1週間以上もかかるという手間から、我が家では余り作った事がありません。
そんな経緯により、仲間内の新年会で「いもぼう」を食べようと、「いもぼう平野家本店」の暖簾を潜りました。
事前に念を押していたにも関わらず、「本店」と間違えて目と鼻の先にある「いもぼう平野家本家」に辿り着いてしまう人が出てきてしまうのは、もはや「お約束」でしょうか。
別々に煮て一つに盛る炊き合わせとは違って、「いもぼう」は煮崩れやすい芋と、煮えにくい棒鱈を一緒に炊きます。
それなのに双方に味がしっかり染みて(京都弁で語るなら「味がしゅんで」)、型崩れせずに綺麗な面取りの形を留めているのに感動!
それは、海老芋から出る灰汁が棒鱈を柔らかくし、棒鱈から出る膠成分(コラーゲン)が海老芋を包み込む事で煮崩れを防ぐのだそうで、お互いを助け合う「出会いもの」として、相性の良い組み合わせなのだそう。
我が家の煮物は甘口なので、程良い塩梅でしたが、同じ京都人達の中には「結構甘い味付けなんだね」と驚いていました。
今回は縁あって「本店」の方にお邪魔しましたが、次回は「本家」にも伺って味比べをしてみたいですね。

2014年2月03日 | お店, グルメ | No Comments »

『シェフの饗宴 in KYOTO』

1月28

tower 京都タワーホテル内の「タワーテラス ダイニングべにしろ」で『シェフの饗宴 in KYOTO「春の京」』の期間限定ディナーコースを頂いて来ました。
リニューアルオープンしてからまだ約1年という店内は、同フロアにあるバイキングスペースとは分けられているので喧騒も聞こえる事無く、壁一面の窓かの京都駅の蒼い夜景を眺めながら落ち着いてゆっくり過ごせました。
京野菜も取り入れられたメニューの中で、「真鯛と帆立貝のマリネ」は優しい酸味のカルパッチョソースが美味しく、色どりも春らしい華やかさ。この日は人参のポタージュで、ふんわりと乗ったオレンジの泡が素敵なアクセントになっていました。
京都駅周辺のホテル共同企画『シェフの饗宴 in KYOTO』 の「春の京コース」は、加盟する8ホテルならどこでもランチで 2,000円、ディナーで3,000円(共に消費税・サービス料込。デザートとコース外のドリンクは別)とお手頃価格。
そのボリュームは、男性ならシェフの味を腹八分でお試しする感覚、女性や年配の方ならちょうど良い量ではないでしょうか。
高級感も満足感も味わえて、今回で58回目、まもなく16年目という長寿イベントなのも納得!
WEB予約限定のサービスがあるお店もあるので、ぜひチェックしてからお試しを。
来月からは「ダイナースクラブ 京都レストランウインタースペシャル2014」もあり、既に一般予約も始まっています。
京野菜が美味しくなる初春。ますます食欲が抑えられそうにありません!!

お稲荷さん前のカフェ「Vermillion」

12月24

ver 伏見稲荷大社へ月詣りする度に立ち寄っている「薬力亭」の息子さんが、とうとうカフェ『Vermillion(京都市伏見区深草稲荷御前町85)』をオープンされました。

千本鳥居の「朱色」を表す店名で、メニューはまだコーヒーとカフェオレ、手作りのお菓子とかわいいお稲荷さんポストカードのみですが(電話もまだありません!)、若いオーナー夫妻は英語が堪能なので、お稲荷さんを目指して訪れる外国人観光客へのインフォメーションスポットとしても、これからも充実していく事でしょう!
場所は、JR「稲荷駅」や京阪「伏見稲荷」駅から伏見稲荷大社の表参道へ向かう途中にあるという好立地。
そして二階は未だ工事中。この先一体どんな展開が!?

とにもかくにも、初詣の寒さでかじかんだ指先には、一杯の温かいコーヒーをどうぞ!

「ARASHIYAMA JK WAZUKA」

12月9

wazuka 大覚寺の夜間特別拝観(12/9で終了)が始まる前に、京福嵐山駅「はんなり・ほっこりスクエア」の中にある
和束茶とお酒のカフェバー「ARASHIYAMA JK WAZUKA」(075-882-5288)に立ち寄ってみました。
「ジャズが流れる~」と聞いていたので、ちょっと気取った雰囲気なのでは?と身構えていたのですが、お品書きは「ほうじ茶ミルク」や「抹茶のフレンチトースト」など、思わずほっとしそうなものばかり。
茶畑が広がる茶源郷・和束町は宇治茶の主産地。無農薬・無科学肥料で栽培されたという煎茶(「林くんのお茶」という銘柄でした)の一煎目はまろやかな口あたりと甘みがあり、二煎目、三煎目とお湯を注いで抽出される度にさわやかな渋みが広がっていく変化が楽しめます。
桃のリキュールを煎茶で割ったものや、抹茶ミルクをココナッツ・リキュールで割ったカクテルは、家ですぐにでも真似してみたいところ。
いつも観光客でひしめき合っている駅ナカですが、こちらはホーム北側の最も奥にあるためか比較的空いていました。
営業時間は9~20時なので、14日から始まる「京都・嵐山花灯路」の際には、ホームを発着する嵐電を眺めながらのちょっとした休憩にも使えそうです。

カカオマーケット バイ マリベル

10月28

cacao 秋になるとチョコレートが食べたくなるのはなぜ?今年9月にオープンした「カカオマーケット バイ マリベル」には、早々に足を運んでいました。
小規模ながら外観と内装もアンティーク風の凝った造りで、中央のオブジェは、天井を舞う天使たちの足元から白茶のチョコレートが滝の様に流れ落ち、燻した金のハンドルを回すと、艶やかなチョコボールが溢れ出てくるという夢のような仕掛けです。

お買い物やテイクアウトがメインのお店ですが、屋内と外には少しだけ席があり、目前にある祇園白川のせせらぎを聴きながら軽食を頂くこともできます。
オーダーしたホットチョコレートが小さな小さな紙コップで出されたので驚きましたが、その味はまったりと、舌で重量を感じる程に濃厚。普段チョコレートを食べていて余り気にする事が無かったけれど、改めてカカオ豆の存在を意識した風味でした。
傍らに用意されているミルクで自由に注ぎ足せるのが嬉しいところ。

運良く席が空いていれば、来年は川面を染める桜を眺めながら、「お花見カカオ」を楽しめそうです。

2013年10月28日 | お店, グルメ | No Comments »

お月見女子会

9月30

13 2013年の十五夜(9月19日)は、「FORTUNE GARDEN KYOTO(フォーチュンガーデン京都)」のスカイバー(今季は終了。来年は5月からの予定)でお月見女子会でした。
武田五一によって昭和初期に建てられた島津製作所旧本社ビルが前身で、竹林のふもとを鯉が泳ぐ1階のテラス席は、昼間に訪れても気持ちが良さそうです。

この十五夜のお月見の慣習は中国に由来するものですが、旧暦の9月13日(2013年は10月17日)を「十三夜」として月を愛でるのは日本独自のもの。「十五夜」と「十三夜」は対をなすもので、片方だけを観ることを「片見月」として忌み嫌われていたそうです。
しかし、それが何故縁起が悪いのか疑問に思っていましたが、どうやら江戸時代の遊女らが、客の再来を促すためにその様な慣習を語っていたようです。
それでも、「来月はポイント何倍!」とか「次回来店時には何割引き!」と言うよりかは幾分風流かもしれませんね。

食事の後は屋上のソファ席で尽きないおしゃべり。うっかり終電を逃しそうになりました。
10月の満月は19日の週末です。今度のお月様は、どこぞで愛でましょう。

2013年9月30日 | お店, グルメ | No Comments »
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