e-kyoto「一言コラム」

ガイドブックには載っていない、スキマ情報をご紹介していきます。

日本のファストフード

3月11

dasi
先月、有次さんに修理の品を出した帰りに、今年1月に柳馬場錦小路上ルに登場した、だし茶漬けの専門店 「京の魚屋 だし茶漬け 錦 おぶや」で昼食を取りました。
1927年の創業、西京漬で有名な「京都 やま六」さんの新業態と聞いていましたが、入ってすぐの所に券売機が据えてあって驚きました。
だし茶漬けなら全て税込みで1000円以下、ざっと券売機を見渡したところ、価格帯は巷のだし茶漬けチェーン店舗のものとは50円程の違いでしょうか。
「7種の海鮮」だと、海老・いくら・サーモン・帆立等が入って980円(税込)です。
添えられた小鉢は温泉卵と漬物の2品。食べ方は個人の好みですが、まずはだしをかけずにそのまま温かいご飯と魚介を一口頬張ってそれぞれの素材の良さを味わい、それから鰹と昆布がベースのだしを少量ずつかけてまた一口二口、胡麻やぶぶあられもふりかけて香ばしく三口。
最後は残りのだしを味わうようにさらさらと、味と食感の変化を楽しみました。ご飯は迷わず「大」を選びましょう。
もちろん、西京焼きの定食セットや単品のご飯の友、ドリンクもあります。
食事をささっと軽く済ませたいけど、チキンやフライ等のファストフードはちょっと重いし、近くにある京の台所・錦市場の風情からも離れたくない。
そんな時、真鯛やうに、焼き鯖に鴨なんて選択肢があるのは魅力的です。
これこそ「日本のファストフード」か!?

2020年3月11日 | お店, グルメ | No Comments »

スパイシーな干菓子

3月3

wakasa

阪急「四条大宮」駅からほど近くに、趣ある佇まいの干菓子屋「若狭屋久茂」があります。
戸をからからと開け、道から差し込む陽の光だけの店内を見回していると、暫くして「ああ、すんまへんな」と、ご高齢の主人が出て来られました。
様々な木型や篩が、江戸時代中期の創業から300年を越える足取りを静かに表し、茶櫃の他に大きなレジスターも。実際に使われていた事もあるそうです。
初めて訪れた理由は、スパイスが入っているという干菓子を食べてみたかったから。
こちらの跡を継ぐ長女であり、インド舞踊家でもある女性が考案したというもの。
「Ganesha(ガネーシャ)」というインドの智慧と成功の神様の名前を冠しており、象の頭を持つその姿も特注の木型で再現してありました。
変わり種の品を試食無しで買うのは多少勇気が要るのものですが、スパイスが2個、プレーンが1個という内訳の小袋サイズだったので、気軽に手が伸びました。
四国阿波特産の和三盆糖と若狭の本葛に、フェンネルや生姜、カルダモン、シナモン、胡椒、クローブというスパイスが配合されています。
昔ながらの干菓子に親しんでいる両親は、食べて「!?」と目を白黒させていましたが、このお菓子は抹茶よりも紅茶が合いそうだと思いました。
おもてなしに、カップのソーサーに添えると映えそうです。
紀州の南高梅の細かい粒々が入った、可愛らしいラッピングの「maki*maki」は、なめらかでジューシーな口融けの後に甘じょっぱさが残り、単品でも楽しめるお菓子でした。
これからも新しい干菓子が生まれていくようで、楽しみです。
2020年3月03日 | お店, グルメ | No Comments »

『麒麟がくる』の予習

1月15

mapple
大河ドラマ放映前の頭の整理として、『まっぷる 明智光秀』出版記念「明智光秀講座」を受講してきました。

明智光秀という人物像の裏表、人物相関図に加えて、本能寺の変から時代を遡るという珍しい構成ながら、観光ガイドブック『まっぷる』らしい親しみやすさで、知りたい情報がうまくまとめられています。
日本史を語る上で京の地は避けて通れないと言っても過言ではありませんが、特に若い頃の資料が少ないと言われる光秀の足跡が分かるのが主に京都だと言われています。
本能寺の変が勃発した市内はもちろん、京都大河ドラマ館が開館した亀岡市、織田信長没後に羽柴秀吉と対決した長岡京・大山崎、信長の命で平定した丹波等々、京都府内や周辺にもゆかりの地がたくさんあります。
5月の連休中に開催される「亀岡光秀まつり」に、あるいはそれまでに亀岡に是非とも足を運んでみたいと思いました。

講座の最後に、明智光秀は、制圧した土地で善政を敷くという仕事を実直に行っていた万能型の武将であり、だからこそ信長に重用されたのだろう、また、比叡山の焼き討ち等、様々な戦の後処理も担っており、家臣を案じる彼の手紙には、一人一人、下々の者の名前まで書かれ、自分の守るべき人々を思うがこそ、信長を討つという手段を選んだのかもしれない、との結びでした。

早速この本を頼りに、帰りの足で光秀の首塚に立ち寄り、塚を守る「餅寅」で「光秀饅頭」を家へのお土産にしました。

おしるこの癒し

12月10

take 寒い外から帰宅したら、すぐに着替えて温かい飲みものでほっとしたいですね。
生姜のぴりりとした刺激もいいけれど、疲れてひたすら甘いものが欲しい時にはお汁粉です。

京華堂利保さんの箱を開け、筍や松茸を模した、ずっしり重たい懐中最中「たけの露」を取り出します。
お湯を注ぎ、少しふやけたところを開くと、淡い小豆色の粉の中にお湯が流れ込んでいきます。

掌に抱かれた温かい椀の中には、明かりが映り込んでぴかぴかと光る餡のお池。 匙を沈め、その照りごと口に運びます。 さらさらのさらし餡が舌の上に流れ込み、そのきめ細かな粒子の一粒一粒に餡と砂糖の粒が乗っているかのような甘さ。 洋菓子のそれとは異なる風情です。

すっかり口の中が甘くなったら、ふやけた最中の皮をはむはむと噛んで香ばしさを感じます。
椀の中に篭っていた温もりは、すっかり懐の中へと移ってゆきました。

あとはぼんやり、椀に残った粒子の波跡を眺める、冬のひと休み。

2019年12月10日 | お店, グルメ | No Comments »

京都から世界へ発信するドーナツ

11月20
  • koe 京都人のパン好きが知られてから、まるで朝ごはんの連想ゲームでもするかのようにパン屋も珈琲店も劇的に増えました。
今度は…ドーナツです。
たまたま「koe donuts (コエ ドーナツ)」の前を通りかかり、3月のオープン当時、建築家・隈研吾氏が無数の竹籠を天井にあしらった内装が話題を呼んでいたのを思い出しました。
こだわりのドーナツ専門店の中でも、こんな有名建築家が手掛けているのはさすがアパレル企業プロデュースといったところですが、「オーガニック」「天然由来」「地産地消」に配慮したドーナツを日本から世界に発信していこうという意気込みの現れなのだそう。
ちなみに、この籠は嵐山の竹を用いた六ツ目編みの籠なのだとか。いっそのこと、この籠をトレイ代わりにドーナツを入れたいくらい。
販売スペースは通常のパン屋程なのですが、その奥はテーブルやカウンター席に電源コンセント付きのスタンド席、子供用の椅子に、なんとドーナツ工房まで。
やたら広い店内に気後れしながらも、カウンター席に腰掛けて、若いスタッフさんがドーナツをデコレーションをする様を眺めながら頂きました。外国人客も気軽に利用しています。
有機小麦やグラニュー糖、美山の牛乳、卵を材料に、玄米油で揚げられるというドーナツは、やや小ぶりですが、みっちり詰まった食感で食べ応えがあり、見た目もお洒落。
お皿で頂く限定メニューの方は、生地にもシロップが染み込んでいて、こちらはドーナツというより、しっかり甘さを楽しむケーキかパンケーキかの様にボリューム満点でした。

欲張って両方頼んでしまったため、食べ切れずに後悔してしまったので、次回はテイクアウトを楽しもうと思います。

色とりどりのリボンを結んで

11月6

ribbon 京都高島屋で特別展『「りぼん 250万りぼんっ子 大増刊号」』が開催中です。
大河漫画とも言うべき池野恋先生の『ときめきトゥナイト』など、ちょうど自分や妹が読んでいた頃の作家の作品が中心だったので、付録の数々がとにかく懐かしい!
紙やビニールといった限られた素材ながら、レターセットや小物入れなど、女の子にとって実用的な工夫が凝られていたのを子供ながらに感じていました。実家の部屋を探せば、まだ思い出の付録が出てくるかもしれません。
女性客のお連れの男性達は、付き合いで同行しているのだろうと思いきや、物語の登場人物の話をしていたりして、結構男性の読者も一定数いるのだと気付きました。
ひときわ知名度の高い「ちびまる子ちゃん」のコーナでは、誰しも原作アニメそれぞれの笑いが再び込み上げてくるはず。
基本的に殆どの展示が撮影も可能で、人気作家たちがこの展覧会の為に書き下ろしたカラーイラストが嬉しい。
『ハンサムな彼女』や『ママレードボーイ』の吉住渉先生がカラーイラストを描く様や、『有閑倶楽部』の一条ゆかり先生からのメッセージ動画も流れます。
『りぼん』と言えば、可愛らしい丸いお目目に、半楕円形の口元の女の子を連想させ、それらは現在の『りぼん』の漫画にも受け継がれていましたが、岡田あーみん先生の『ルナティック雑技団』や柊あおい先生の『星の瞳のシルエット』やジブリ映画にもなった『耳をすませば』等のそれぞれの作風を見ていると実に個性が際立っていて、まさに黄金期と呼べる時代に、毎月楽しみにリアルタイムで読んでいたことが幸福だったのだと感じました。
長蛇の列をなすミュージアムショップは時間の都合で泣く泣く諦めましたが、京都高島屋内で使えるお買い物優待券も頂けたので、『りぼん』展はお買い物の前に立ち寄るのがおすすめです。

ユネスコ無形文化遺産「和食;日本人の伝統的な食文化」とは

10月8

2den   
京料理「二傳」の専務取締役・山田晃弘さんのお話を聞く機会に恵まれ、「和食に込められた思いとは何か」についてレクチャーをして頂きました。
まずは2種類の水を飲み比べ、どちらが水道水か井戸水かを当てます。
正誤が目的ではなく「違いを感じ取れるかどうか」の実験だそうで、料理の目的によっては水道水の方が向いている場合もあるそうです。

和食は、日本人が稲作によって安定的に食物を得られるようになり、
病草紙」という絵巻物に一汁三菜が初見されるように、平安末期には今のようなスタイルが完成していたようです。
室町・安土桃山時代に外来の食文化が入って来たものの、1641年の鎖国によってその影響は中断し、明治以降になると日本人は初めて牛肉を食べるようになり、コロッケやシチュー等が一般家庭の食卓に現れるようになりました。

調理技術の面では、硬さの異なる鋼を合わせ、用途に応じて形状や研ぎ方まで変えていく和包丁の奥深さの一方、炊飯器の登場など新たな道具や技術も取り入れ、合理的な判断で変化してきました。
「より美味しく、より美しく、より無駄なく」と品質(小さな違い)を追求してきた日本の文化・和食。
それは食する相手への思いがあってこそだと山田さん。食材ごとに願いが込められている
お節料理はその最たるものでしょう。
食する場のしつらいまでも心を砕くところも含めて料理だと言います。

季節の食材の持ち味を生かし、無駄なく使い切る和食。個人的には、「自然の恵みに感謝して、その命を頂く」という姿勢もまた和食の姿なのではないかな、とも感じました。

2019年10月08日 | お店, グルメ, 歴史 | No Comments »

京都のヴィーガンカフェ巡り

8月13

choice
外国人に京都を案内するガイドさんの頭を悩ませているのが、食事の問題です。
動物性のものを一切食べない「ヴィーガン」、小麦等から由来するグルテンを除去する「グルテンフリー」、また菜食「ベジタリアン」と言っても乳製品や卵は食べるという人もいたりで、人それぞれにアレルギーや信条など様々な事情があるため、全ての人々を受け入れられるお店選びが難しいのです。
それらのメニューを体験すべく、『Vegewel』を参考に、その都度お店を色々と巡ってみる事にしました。
今回は京阪三条駅すぐの形成外科がプロデュースしている「CHOICE-チョイス-」にて、ノンオイルマヨネーズのタマゴサンドをチョイス!
色も食感もタマゴ。コクもあり、バンズも食べ応えあり。でも不思議と食後は身が軽い。
「どうやって作ってるんだろう…?」とまじまじと眺めてしまいます。
ほんのり甘いドレッシングについて尋ねると、玉ねぎと甘酒を使用しているとのこと。
間口は広く、ソファ席には大家族が寛いでいて赤ちゃんも楽しそうでした。
カウンター席には充電コンセントもあるので、特に菜食でなくても気軽に入れて、「ちょっと身体が疲れてるかな?」と感じるときに利用するのもいいですね。
メニューには、パンケーキやグルテンフリービール、珍しい「ヴィーガンチーズ」も。
アレルギーや病気で除去食を余儀なくされている人も、食べる楽しみを諦めないで!

2019年8月13日 | お店, グルメ | No Comments »

和のアフタヌーンティーと非日常空間

6月26

tea
外資系ホテルが続々と進出を果たしているここ最近の京都ですが、フォーシーズンズホテル京都は、早い段階から京都の史跡を活かしたラグジュアリーなホテルを展開しています。
日本の外から京都という町のエッセンスをどの様に生かしているのか、興味はあるものの宿泊でもしない限り機会が無いと敷居が高いもの。
そこで季節の催しとして、宇治の銘茶をふんだんに使った「和のアフタヌーンティー」があると聞き、初めて足を踏み入れてみました。
ゆったりしたソファ席に落ち着くと、グラスに入ったまろやかなアイス玉露で幕開け。
ミニローストビーフバーガーやほうじ茶と栗のバターサンド等を摘まみながら小腹を満たし、宇治茶だけでなくロンネフェルト社の紅茶やオリジナルの中国茶もオーダーして、まさにお茶尽くしのひとときです。
抹茶とバニラのスコーンは、冷めないよう純白のナプキンにふっくらと包まれてサーブされました。
丸久小山園とフォーシーズンズホテル京都の焼き印入りのお茶のクッキーが入った、手の平サイズの可愛らしい茶箱はお土産に。
さすがにいいお値段はするのですが、別の日にアフタヌーンティーを予約していた友人は、「確かにそうだけど、お金に換えられないものがあります」と満足していたようでした。
非日常を楽しんだのち、ホテルを出ると左手には新日吉神宮が見え、いつもの京都の景色に戻りました。
アフタヌーンティーは今月いっぱいまでですが、平重盛の小松殿跡と言われている庭園「積翠園」の池の畔にある茶室「積翠亭」では、日本茶やシャンパン、日本酒のほか期間限定でかき氷も頂けるそうで、この夏の間に再びお洒落して伺いたいと思っています。

2019年6月26日 | お店, イベント, グルメ | 1 Comment »

祇園祭の新休憩スポット

5月22
きものステーション・京都

きものステーション・京都

「京都経済センター」がこの春、「京都経済センター SUINA(すいな)室町」として新装開店しました。

約1100平方メートルの大規模書店や、その周囲や地下1階に飲食店が集まり、「モリタ屋」が営む食料品店には驚きました。
勿論「きものステーション・京都」も健在で、若い感性でラインナップされた店内は明るく、また和室の小上がりもあり、和裁などのワークショップも参加できるようです。
男女の浴衣と共に展示してあった、丸い籠のショルダーバッグは、和装でも洋装でもコーディネートが楽しめそうでした。

二階に上がり、「ポケモンセンターキョウト」への入り口に至る空間が広々としていると思ったら、ここ四条室町はちょうど祇園祭シーズンになると「鉾の辻」とも呼ばれる最も賑わいのあるところ。
そう考えただけで、お囃子が流れる鉾町の風景が目に浮かんでくるよう。_

祭りの熱気から抜け、涼みがてらこのビルに入ってお土産を選び、また山鉾が建ち並ぶ様を眺められるスポットとなること間違いなしですね。

2019年5月22日 | お店, グルメ, 和雑貨 | No Comments »
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