e-kyoto「一言コラム」

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鞍馬山からパワーをもらう

5月23

kurama 少し前の話になりますが、今月の満月の夜は鞍馬寺にいました。
コロナ禍が明けて再開された五月満月祭(うえさくさい)は、以前のように夜通し行われるのではなく、終電に間に合うよう行程が変更されていました。
本堂前には銘々にシートを敷いて開始を待つ人々多数。
自分が初めて参加してから随分年月が経っているためか、前に出逢ったような、パワーストーンをたくさん身に着けた「いかにもスピリチュアル系」な出で立ちの人々の姿は余り見られませんでした。

きよめの儀式が始まるまで時間があったので、鞍馬から貴船へと続く山道を奥の院まで歩いてみることに。
入山する瞬間から空気が変わり、木の根道を抜け、行き交う人と挨拶をかわし額に汗をにじませながら新緑の森を進みます。
それぞれの名前はわからないけれど、鮮やかな緑の葉の艶や、岩間から水が湧き出るように垂れ下がる細い葉っぱ、まるで人が立ち上がった瞬間かのように根っこが隆起した巨木。
あとは倒木がまるで橋のように小川に横たわっていたりと、台風21号の爪痕があちこちに残っていましたが、その荒々しさにかえって自然への畏怖の念がおのずと湧いてきます。

荒天でも最後にはいつも晴れて月が姿を現すというこのお祭り。
自分の立ち位置からは見られませんでしたが、周りの人々の会話から、一瞬だけ雲間から月が出ていたそうです。
前回参加したときと同様に、月や宗教というより、人や鞍馬山の自然からのパワーをもらった一夜でした。

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