e-kyoto「一言コラム」

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弱みを個性に花開く

1月23

kusama

祇園甲部歌舞練場を期間限定の現代美術館として開催されている『草間彌生 永遠の南瓜展』。
長所と短所は紙一重。視界が水玉で覆われるという幻覚に苦しめられた彼女は、その水玉を作品に昇華させる事で才能を開花させました。
自分にとっての弱点やコンプレックスを受け止め、強みに転換できて大成功をおさめた典型的な例と言えます。
まるで作品のうちの一つかと思うような草間そのものの個性も注目の的となっており、映画『草間の自己消滅』やドキュメンタリー映画『草間彌生 わたし大好き』も合わせて観てみたいところです。
水玉模様はもはや草間彌生を表すアイコンとなり、ルイ・ヴィトンとのコラボレーション「 ヤヨイ・クサマ コレクション」でも話題を呼びました。
この展覧会では水玉の他にかぼちゃや花のシリーズで展開されていますが、地上の花々を巻き込みながら宇宙へと吸い上げられていくような富士山のシリーズを目にするのは初めてでした。
個人的には「わが心の富士は語る」という題の木版画が、あたたかく素朴なスケッチのようで心に残りました。
同じモチーフで何通りにも反復、量産ができる版画作品や、カフェでの企画メニュー、ミュージアムショップの長蛇の列を見ると、商業的にも成功しているのがよく分かります。
なお、この美術館は館内に授乳スペースや子供用の便座もあり、親子連れもよく見かけました。
2月末で閉館予定なので、グッズを買いたい人は、早めの来場が良いかもしれません。

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