e-kyoto「一言コラム」

ガイドブックには載っていない、スキマ情報をご紹介していきます。

韓国料理「ちゃんだん」

8月26

pap 京都に住む韓国人の友人がすすめてくれた韓国料理のお店「ちゃんだん」に行ってきました。
店内はとてもシンプルですが、その友人によると「化学調味料に頼っていなくて美味しい」のだそう(姉妹店は焼肉屋)。
まずはマッコリで乾杯。サラサラとあっさりしていて飲みやすい。梨味のマッコリも、さわやかな甘さ。
名物「ちゃんだん鍋」はもつ鍋に似ていて、赤いスープにたっぷりのもやしやニラ、ホルモン、キャベツが入っています。
 真っ赤な見た目ほどは辛くないので、シメのラーメンを入れて、うまみの溶け込んだスープも飲み干しました。
韓国海苔巻き「キンパ」は、こぶりでやや薄めに切ってあるので食べやすい。この食欲、我が家族の夏風邪はどこへやら…。
最後のお楽しみは、氷の上にトッピングがてんこ盛りの韓国かき氷「パッピンス」!
しっとり小豆や鮮やかマンゴー、もちもちのお餅、甘酸っぱいベリーに香ばしいコーンフレーク、てっぺんにはバニラアイスクリームまで。
パッピンスは通常、軽くどんぶりサイズなので、グループでわいわいとスプーンでつつきながら食べたいところ。
キムチやサイダー、お菓子など韓国の食材も売っていたので、コーン茶やダムト(ナッツのお茶)、ごまを買って帰りました。
残暑がやわらぎ涼しくなる時こそ、体調の変化にご用心。夏バテ解消に韓国料理、いかがでしょう!?マシソヨ~。

2013年8月26日 | お店, グルメ | No Comments »

残暑のすごしかた

8月21

chaji 京都の日本家屋に住むチリ人の知人が、自宅での茶事に招いてくれました。
夕方、水打ちされた玄関から入ると、待合の床には染付のお皿に氷柱が置かれ、人数分のうちわが添えてありました。
浴衣の袖口からうちわを扇ぐと、風が胸元から襟首へと抜けていきます。
チリの料理やワインがお膳で出された後は、濃茶を頂きます。
なんと、ガラスの水指の中にも大きな氷の塊が!柄杓を差し込むと心地よい音を立てるのです。そのお水も、はるばる梨木神社から汲んできたもの。
薄茶席へ誘う合図は風鈴で。こちらは水で点てたお抹茶です。
すうっと、汗が引くようなさわやかさ。
エアコンの無い部屋なので汗は流れますが、障子を開放しているせいか体感温度は思ったより高くなく、かすかな夜風がとても冷たく感じられました。亭主のすすめで縁側に腰をかけると、夜空には白く涼しげに輝くお月さま。
一昔前の日本人なら、こういう涼の取り方をしていたのでしょう。
密閉され、キンキンに冷房のきいた空間で氷のたっぷり入った飲み物を飲むよりも、うっすらかいた汗が空気の動きで熱を取ってくれる方が、身体にも優しく、夏バテせずに済むような気がします(もちろん、やせ我慢は禁物ですが)。
チリから茶道を学びにやって来たその人に、教えられました。

2013年8月21日 | 未分類 | No Comments »

下鴨神社・矢取神事

8月12

ya 真夏にシャワーを浴びるとさっぱりするように、一年の折り返しを過ぎた夏になると、日本人は禊祓(みそぎはらえ)がしたくなるのでしょうか。
立秋前夜を迎えた下鴨神社の御手洗社では、先月の御手洗祭に引き続いて夏越神事が行われていました。
社の井戸の前に野菜などを供え、大麻(おおぬさ)で周囲の見学者も共にお祓いしてもらうこと約一時間。
奉納された厄除けの人形が流され、合図が鳴ると、褌姿の氏子男子が一斉に御手洗池に飛び込み、ざぶんざぶんと音を立てて中央の斎矢を奪いあいます。その時間わずか30秒ほど。
終わった後の池の水面や裸男たちの背中には、厄除けの人形がびっしり。自分たち半年分の穢れを水に流してもらったようで、ありがたい。
夏も半ば。毎日温度計ばかり見て嘆くよりも、何か夏らしい思い出を作る事を考えませんか?
下鴨神社では、16日まで「納涼古本まつり」が開催中です。

京都文化博物館「八重の桜」展

8月5

yae いよいよ、NHK大河ドラマ「八重の桜」の京都編が始まりました。
京都文化博物館で開催中の「八重の桜」展のギャラリートークでは、学芸員と共に展示室内を巡りながら、見どころやエピソード、そして展示構成に込められた思いを感じ取る事ができます。
今回の展示のテーマは「故郷の喪失」。新政府軍の凄まじい砲撃を受け続け、ぼろぼろになった鶴ヶ城の写真から始まり、美しい錦の御旗と対照的に置かれた焼瓦、孝明天皇から松平容保へ授けられた宸翰(しんかん)、そして最後を飾るのは昭和3年に京都の金戒光明寺で撮影された会津会の記念写真。
この年は、昭和天皇の弟・秩父宮雍仁親王と旧会津藩主・松平容保の六男・松平恒雄の長女・勢津子の婚儀が行われ、それまで「逆賊」「朝敵」とされてしまった旧会津藩の人々の心に重くのしかかっていた暗雲が晴れ、ようやく復興の光が差し込んで来た事を意味するのです。
苦難を幾度も乗り越え、郷土愛によって結集した会津の人々が確かにそこにいた。
それもまだほんの80年程前のこと。胸がじーんとしてしまいました。
戦国幕末時代が多い大河ドラマで、明治維新以降が描かれていくのは珍しい事ではないでしょうか。
原発事故によって被害に遭われている人々、故郷に帰れなくなってしまった人々にとっては自身の境遇と重ね合わせて辛い思いもあるかもしれませんが、これから立ち上がっていく八重たちの姿を、見届けて頂きたいと願います。

2013年8月05日 | 歴史 | No Comments »

アデリーヌ長栄堂の『桃太郎』

7月29

momo あの日のおやつタイムは、いつもと意気込みが違っていました。
アデリーヌ長栄堂 藤森店(075-641-1037)の『桃太郎』。
かつて関西テレビ『よ~いドン!』の“本日のオススメ3”コーナーで紹介された途端、知人が買いに走ったと聞いていた、噂のデザートでした。
山梨の桃を寒天ゼリーで丸ごとつるりと包み込んだその姿は、白いケーキ箱の中で宝石の様にきらきらと輝いていて、ナイフを入れる手を止めうっとりと眺めてしまいました。
寒天ゼリーの艶やかな食感の後には、熟れた桃の果肉の瑞々しさ。その中にはカスタードクリームとスポンジのクリーミーな味わいが待っていて、まさに女の子の好きなものを詰め込んだ、なんとも欲張りな一品。透き通った紅茶がよく合います。
雑誌のスイーツ特集でよく見かける、コックコート姿で腕を組むパティシエが、おしゃれな男女が集うカフェでサーブする芸術的に凝ったケーキもいいけれど、こういう昭和創業の「街角のケーキ屋さん」が愛され、注目されるのもまた嬉しいものです。
8月12日頃までの期間限定販売だそうですが、一つ一つ手作りのため一日の製造数が限られおり、予約を含め限定数の店頭販売のみ。
今年の分はまだゲットできるかな!?

2013年7月29日 | お店, グルメ | No Comments »

松殿山荘

7月22

imayou 宇治市の木幡に、財団法人松殿山荘茶道会が維持保存する広大な庭園と小間(草庵式)・広間(書院式)17の茶室を備えた「松殿山荘」があります。
松殿山荘は院政期の関白・藤原基房の邸宅跡で、大正~昭和にかけて弁護士で数寄者であった高谷宗範が自ら設計し作り上げてきた建築郡で、2階の眺望閣からは豊かな緑と、京都西山や比叡山に生駒山等を見渡せるとは、なんとも贅沢。
日本と西洋の文化が溶け合う空間には、随所に「方(四角)」と「円(丸)」のモチーフが見られ、「心は円満に丸く行いは常に正しく四角く」という方円の考えを目に見える形で説いています。
自然の中に身を委ねながらもどこか緊張感がある方が、日本人にとっては心地が良いのでしょう。
その30畳もの大書院を舞台に、狩平安~鎌倉期に流行した歌謡「今様」を、公募で参加する男女の歌人が狩衣姿で詠み合う「今様合(いまようあわせ) 松殿十五ケ日」が、この松殿山荘で11月1~15日に開かれます。
現在、「梁塵秘抄」の「遊びをせんとや生まれけむ…」に代表される様な今様の歌や、出演参加する歌人を募集しています。もちろん見学も可能です。
お問い合わせは、090-3496-9383(日本今様歌舞楽会・太田)まで。

祇園祭2013

7月17

map 山鉾巡行の前日・宵山の昼間は、聖護院の山伏たちが護摩焚きを行う役行者山へ。
町会所の中には新旧の山鉾の配置を記した「祇園会山鉾分布図」があり、「弓矢ほこ」や、長刀鉾よりも東に位置していた「ひむろ山」、保昌山と同じく最南端の「おかひき山」、など初めて見る名前がたくさん並んでいて、応仁の乱以降に消失してしまったままになっている山や鉾の多さに驚きました。

もう一つ特筆すべきは、清掃ボランティアの活躍です。
歩行者天国が完全に解除される前の烏丸通に目をやると、既にゴミが落ちていない!!
道路脇には分別された缶ビールがちきんと集められていて、約27万人が歩いていたとは思えないほど。
美しい祇園祭をつくる会」の方々に拍手を送りたいと思います。

毎年新たな発見がある祇園祭。まだまだ狂言の奉納や御輿の渡御、夏越祭など、今月末まで続きます。
来年の山鉾巡行は、いよいよ大船鉾や後祭の復活で大きく様変わりするということで、今から楽しみですね。

2013年7月17日 | 観光スポット | 1 Comment »

大橋家庭園(苔涼庭)

7月8

suikin 伏見稲荷大社のすぐ北にある大橋家の「苔涼庭」には、京都最古の水琴窟が今もその音色を響かせています。
水琴窟は京都のあちこちのお寺で耳にしますが、それらが作られたのは意外にも、この庭園ができた大正2年よりもずっと後のこと。
水滴が地中に埋められた甕に反響する音は水量により変わりますが、数滴ずつ、というよりも幾つかの水の筋が絡み合いながら落ちる様なものでした。

京都で瀬戸内の鮮魚の元請を営んでいた大橋仁兵衛氏が好んで配した石灯籠は、春日型や善導寺型など100坪程の庭の中に12基もあり、今でこそ苔蒸して周囲に馴染んでいるものの、庭園が完成した頃、庭造りをアドバイスしていた庭師の七代目・小川治兵衛さんからは「いくらなんでも置き過ぎや!」と突っ込まれていたそうです。
露地風なので、菊型の蹲(葉まで掘ってあるのは珍しいそう)や待合が設けられていますが、家相の関係で茶室は作られなかったそうです。それでも、渡り廊下は折り上げ天井、足元の煉瓦は亀甲型というこだわりぶり。

「受け継いだものを維持していくのは大変でしょうね。」と話すと、ご当代は「この庭が無かったら、毎年ヨーロッパ旅行できるぐらいですわ。」と笑っておられました。
保津川下りの風情を模したという傾斜の両側にはもみじが青々と茂り、秋になればよりお庭の彩りが増すかもしれません。
本当に個人宅のお庭なので、訪れる前には予約を入れて下さいね。

妙心寺東林院・沙羅の花を愛でる会

7月1

shojin 先週末は、妙心寺東林院の「沙羅の花を愛でる会」へ。
精進料理が評判なので、正直「花より団子」気分でやって来たのですが、人々で大賑わいの本堂とは対照的に、
お食事の部屋に面した「万両の庭」にも沙羅双樹の木があり、ぽろぽろと小さくて可憐な白い花と、白玉の様なつぼみを眺めながらお精進を頂く事ができました。

お寺のおばんざいなので、家庭でもお馴染みの品が見られますが、普段家で食べているのとは何かが違う。
濃すぎず薄すぎず、酸味のきつさも無いけれど物足りない味では無い。言わばバランスが取れていて「偏り」の無い味付け。
茄子の田楽もとろけるような味わい。敷かれた何かの葉っぱですら香り高くて美味しい。
基盤となるおだしの味がよっぽど良いのでしょう、湯葉がたっぷりと浸かっているだけの一品をとっても、食べ応えがあるのです。
ここのご住職・西川玄房さんが直々に教えて頂ける事で人気の精進料理体験道場『添菜寮』で、ぜひこのおだしの取り方を教わりたい!
同額くらいのフルコース料理と比べるととてもシンプルなのに、丁寧に作られている事が伝わってきてとても贅沢な気分になり、
食べる事に集中したくなるような気持ちにさせれます。

禅寺では、食事の前に「般若心経」と「食事五観文」等を唱えて自分を戒め、万物に感謝を表すそうです。
畑を耕す事から始まり、私たち体の中へ行き渡り、そして再び土へと還る日々の糧。
自然の営みに寄り添い、心身の偏りを正すよう精進していけば、人々の悩みや病も遠ざける事ができるでしょうか。

千家十職

6月25

CIMG4693 表千家北山会館の「千家十職展」を観に行ってきました。
代々、千家好みの茶道具を製作してきたそれぞれの家では、次の、そのまた次の代の為に良質な陶土や竹林を確保したり、逆に遥か先代の作品の修理を依頼されたり、作品を表面的に眺めただけでは分からない、人の目に触れないところにこそ真摯に心を砕いている姿勢を垣間見ることができます。
戦争や跡継ぎの早世など、時代の潮流の中で家筋を存続させるだけでなく、伝統と品質をも守り続けなければいけないというプレッシャーは相当なものでしょう。

茶道に馴染みが無い人にとっては、足を踏み入れにくいかもしれませんが、依頼主の意向と茶の湯の世界のルールというそれぞれの制約の元に製作された茶道具は、作家の意図が自由に創作された芸術作品と比べると、「用の美」を感じる分、分かりやすいとも言います。
「お茶の知識は無いけれど、見てみたい」という人は、可能なら茶の湯体験をしてから観に行くと、それぞれの用途などが分かってより楽しめるのではないでしょうか。

2013年6月25日 | 芸能・アート | No Comments »
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