e-kyoto「一言コラム」

ガイドブックには載っていない、スキマ情報をご紹介していきます。

日本と中国

10月15
manpuku

宇治の黄檗山万福寺

 初めての中国旅行から帰国しました。
最近の政治情勢から、現地の中国の人々と上手く交流できるかちょっぴり心配でしたが、それは全くの杞憂に終わりました。
とりわけ台湾の対岸に位置する福建省の廈門市は、昔から茶葉の貿易で栄えた街で、お茶に関するお店や喫茶文化が盛んな土地柄だったため、日本茶道のお点前を簡単にお披めしたところ、現地の人々は興味津々!
もともと緑茶も紅茶も麺類も中国から世界に広まっていったもの。共通の文化が世界各地で独自の文化に育ち、それがまた互いを惹き付ける潤滑油となっているのです。
一碗のお茶という文化を挟んで、賑やかで楽しい時間が流れていきました。

出国直前に、万福寺での「月見の煎茶会」に参加してみましたが、今年没後250年を迎えた煎茶道の中興の祖・高遊外売茶翁は、自ら僧籍を離れて庶民にお茶を売り、振る舞いながら禅の教えを説いたといいます。その境地に少し触れられたような気がしました。
世界平和のための秩序は必要ですが、もっと大切なのは、相手をもっと知りたいという気持ちや、互いの違いを理解しようと歩み寄る姿勢なのではないかと思います。

2013年10月15日 | お寺, イベント, 芸能・アート

Email will not be published

Website example

Your Comment: