映画『舞妓はレディ』
映画『舞妓はレディ』を観て来ました。
高枕にパジャマで寝る先輩舞妓、私服姿で朝食を取るお茶屋の人々、芸妓の住むマンションなど、テレビのドキュメンタリーでも映らない光景がリアル感を抱かせるものの、男衆や女将達がパパイヤ鈴木氏の振付で踊る様は完全にミュージカルの世界です。
もともと周防監督が20年前に「京都で舞妓のなり手が減少している。」という報道を観たのが、この映画を製作するきっかけだったそうですが、現在の花街では、舞妓になりたい女の子はいても、襟変えをして芸妓として続ける子が少ない、という話を聞いた事があります。
芸妓として独り立ちするためには、置屋のバックアップに頼らず、多くのお客を持ち、また季節毎に着物を変えるだけの経済力も必要です。
教授の助手・西野君のセリフにありましたが、舞妓は芸妓になる前の見習いなので、昔の舞妓は今程人気が無かったそうです。それが今では舞妓の方がアイドル並の人気ぶり!
芸事も話術も洗練された芸妓さんに憧れるけれど、それを目指して精進する舞妓さんの、まだ成長過程の「おぼこい」姿が、現代人の共感を得ているという事でしょうか。
厳しい芸事の世界を重くなり過ぎない軽快なタッチで描きつつ、日々を頑張って生きている人々をホロリとさせる、「応援歌」のような作品です。