e-kyoto「一言コラム」

ガイドブックには載っていない、スキマ情報をご紹介していきます。

高砂太夫と菊川太夫

8月23

lux「ラグジュアリー・キョウト」が主催するイベント「元高砂太夫の花街の世界」。
花街・嶋原の髪結屋で生まれ育った元高砂太夫こと櫛田一栄さんへの質問タイムには、ここだけのオフレコ話が飛び出し、菊川太夫さんの舞「黒髪」では艶やかな衣装と仕草には憧れのため息が漏れました。

櫛田さんのお店「櫛菊」(075-351-4908)では、お茶とお菓子を頂いたり、投扇興などを楽しむ事ができると聞きました。「来る前に電話しとくれやす。Gパン履いてるかもしれんさかい」とのこと。さすが花街の人のお話はウイットが利いていて、まだ初々しさの残る菊川太夫さんとの掛け合いもまるで漫才のようです。

12月には嶋原の伝統行事である餅つきが行われ、おぜんざいの振る舞い等があるそうです。
大河ドラマに登場する新選組ゆかりの地でもあるので、いっそう賑わいそうですね。
長年京都に住んでいる人にとっても馴染みの無かった嶋原という町が、少しずつ身近に感じられるようになってきた気がします。

2010年8月23日 | イベント, 花街 | No Comments »

「京の七夕」

8月9

tanabata今年初めて開催される新たな京の夏のイベント「京の七夕」が始まりました。
堀川会場には思いがけない程たくさんの人が集まり、きらきらと星のように輝く笹飾りを見上げながら笑顔でそぞろ歩きを楽しんでいました。

平安京時代には運河や農業用水として、また友禅流しにも活用されていた堀川
戦後から数年前までは殆ど水流が無く、「枯れたコンクリート敷きの無機質な川」の印象がありましたが、2009年に琵琶湖疏水の分流を通水した事で、親水公園として少しずつ息を吹き返してきたように見えます。

人の身体に巡る水や血液、“気”のように、京都の街にも新たな力が行き渡っていくといいですね。

2010年8月09日 | イベント | No Comments »

上七軒盆踊り

8月2

bonodoriここ数年、京の各地で盆踊りが復活しています。
一日に行われた「上七軒盆踊り」は、ご近所さんが浴衣で繰り出すような、ほのぼのとしたものでしたが、よそとひと味違うのはやっぱり花街・上七軒のきれいどころ。
舞妓さん、芸妓さんが踊りの輪を一層華やかにしています。
粋な浴衣姿の西陣の旦那衆や飛び入りのおばちゃんに混じって、輪の中の外国人も見よう見まねで「西陣音頭」を踊っています。

周辺にも音頭が流れ、休憩所や会場への道中で上七軒のお店や花街の人々が、みたらし団子やチョコレートサンデー等を、和気藹々と販売していました。

上七軒歌舞練場ビアガーデンも営業中だったので、予約を入れて帰る事にしました。

2010年8月02日 | イベント, 花街 | No Comments »

「京都物語」

7月12

gion祇園囃子と共に、京で連日流れる原由子さんの新曲「京都物語」。
クラシカルな歌謡曲調のメロディーに乗せた桑田佳祐さんの詞に「花灯路」という言葉があるのがなんだか新鮮です。
過去にリリースされた「鎌倉物語」と比べると、恋愛描写はより抑えられ、歌詞のあちこちに散りばめられた京都の名所や時の流れを表した歳時記の陰に押し隠してしまったかの様です。

「また行きたい」「もっと知りたい」。京への旅の誘いは、恋心にも似ているのでしょうか。
今年も祇園祭の宵山、山鉾巡行の後に、連休が続きます。
微熱にも似た真夏の闇夜。揺れる無数の提灯に導かれ、また京都へ。

2010年7月12日 | イベント | No Comments »

革新は核心にあり

6月15

pagong京友禅アロハシャツ「パゴン」で知られる亀田富染工場が、イタリア車のショールームを会場に、染めのアート展(~6/20 11~19時水曜休 075-322-2391)を開いています。

昨夏に始めて企画された「京友禅お化け屋敷」は、映画監督・林海象さんによる映画の特殊技術とサイケデリックな柄の友禅染で演出するもので、今年も7月中旬から開催予定だとか。今や、友禅染が人を脅かす存在になるとわ…。

纏う、広げる、包む、バラバラになる、つなぎ合わせる…。
古くから人々を魅了してきたのは、平面と立体で表情を変える柄行の面白さと美しさ。
伝統産業の無限の可能性は、最も核心的な部分に秘められているのですね。

賀茂神社と梅

6月7

ume青空と芝生が清々しい上賀茂神社。桜の季節に花嫁行列に遭遇したかと思えば、水無月6日に出会ったのは「梅」の行列でした。
参拝客に振る舞われたのは南高梅。時代装束に身を包んだ和歌山県南部の生産者達が、上賀茂神社に青梅や梅干しを献上していたのでした。
宮中の文献によると、1545年の京の「賀茂神社」での例祭で、梅が献上されたとの記述があるのだとか。それを基に、6月6日を「梅の日」として数年前から献上を始めたのだそうです。こちらの行列は同日、下鴨神社にも向かったようです。

青梅のさわやかな便り。もうすぐ、梅雨入りですね。

2010年6月07日 | イベント, 神社 | No Comments »

アートとしての生物

3月23

kingyo『東京・六本木ヒルズで反響を呼んだ「スカイアクアリウム」が、“金魚”をテーマに大丸京都店(29日まで)で開催されています。

金魚は、突然変異と交雑の繰り返しの中で人間が「観賞用の魚」として人工的に作り出してきた「生きる芸術品」。殆どの品種は水槽の中でしか生きられません。
美しい尾びれをなびかせるものや、頭部に大きなこぶや房があるもの、目が飛び出しているもの。人間に置き換えると少し恐い気もしますが、隣の水槽を覗いている人からは「きれいだね」「かわいいね~」という歓声が溜息と共に漏れています。
これが「アート」であるがゆえに、人々の受け取り方は様々です。
しかしながら、生き物を絵画の様に演出させる技術は、繊細な管理能力の上でこそ成り立ち、簡単には真似のできない芸術だと思います。

撮影は許可されていますが、うっかりフラッシュを焚かないようにご注意下さいね。

陸援隊とイタリアン

2月1
ボン・ビアッジョ
ボン・ヴィアッジョ

ただ今、坂本龍馬特集を制作中です。
龍馬幕末ゆかりの地を探っていると、馴染みのエリアやお店が思わぬ幕末スポットである事を知り、日々驚きの連続です。

そのうちの一つ、イタリアン「BON VIAGGIO(ボン・ヴィアッジョ)」(市バス18「京大農学部」前 075-721-7779)の付近は白川土佐藩邸があり、海援隊を率いた龍馬の盟友・中岡慎太郎が隊長を務めた陸援隊の屯所もあったといいます。お店の横にあるナゾのお地蔵様との関連は分かりませんが…。

龍馬スポットと言えば伏見や木屋町がよく知られていますが、百万遍とは意外です。
知恩寺の手作り市の際のお茶・お食事にいかがでしょうか?
自家製のフォカッチャもおすすめです。

2010年2月01日 | お店, イベント | No Comments »

屋台も楽しい初ゑびす

1月12

ebisu今年も初ゑびすに行ってきました。今年は連休の中日という事もあって、夜の寒さを忘れてしまう程の熱気に溢れていました。
縄手通りにできた長蛇の列に並んでいる間も、両側の屋台では、定番の鉄板焼きや甘酒、檜の桶、和装小物、業務用シャンプー(お得な2リットル入り)まで、面白いものがたくさん売られていて飽きません。舞妓さんが接客している姿もあり、金魚すくいは、むしろ子供より大人達が熱中していました。
本堂前では、商売繁盛への思いからでしょうか、他の神社と比べて鈴を鳴らす勢いが半端ではありません。
まっさらな、みずみずしい緑の福笹を持った人々の顔はみんなえびす顔。
えべっさんで福を授かった後に寄り道をすると、寄り道した所にご利益が移ってしまう」という話を知人から聞いたので、慌ててまっすぐ帰りました。

2010年1月12日 | イベント, 神社 | No Comments »

ボルゲーゼ美術館展

12月14
ランチは「岡北」で。

ランチは「岡北」で。

京都国立近代美術館の「ボルゲーゼ美術館展」に行って来ました。
心配していた行列はありませんでしたが、館内には朝から人がたくさん入っていて、昼にかけてぞくぞくと増えてきたので、開館直後から訪れて正解だと思いました。

もともと聖書の知識は多少ありましたが、旧約聖書やギリシャ神話をモチーフとした作品が主なので、これらの作品の背景を知っていれば、2倍楽しめただろうと感じずにはいられませんでした。展示数は通常の展覧会ほど多くないため、音声ガイドと共にゆっくり鑑賞される事をおすすめします。

余談ですが、この展覧会の目玉となるラファエロの「一角獣を抱く貴婦人」、わが国の首相にちょっと似てませんか?

2009年12月14日 | イベント | No Comments »
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