e-kyoto「一言コラム」

ガイドブックには載っていない、スキマ情報をご紹介していきます。

ミス・ユニバースジャパン京都大会

12月3

miss 先日、ミス・ユニバースジャパン京都地区大会が、ハイアットリージェンシー京都で開催されました。

ファイナリスト達の黒髪はまさに「カラスの濡れ羽色」で、歩く度に軽やかに揺れて、まるでゴージャスなアクセサリーのよう。
 「世界基準の美女」であるためには、一歩控える「大和撫子」ではいけません。どんなに緊張していても、高いヒールの靴で堂々とランウェイを歩き、審査員からの質問にも臆する事無く笑顔で答えなければなりません。
ミス・日本酒Mr.JAPAN京都代表もエールを送ります。
 美しさとは、心身の健康を気遣い、自分の魅力や苦手なものを把握するために、自分の個性をじっくりと見つめ直す事から始まるのだという事がよく分かりました。

この先、日本各地で選ばれた代表は、ビューティキャンプで更に磨きをかけ、日本代表大会で選出された、たった一人が世界大会へ挑みます。
ミス・ユニバースジャパン京都代表、Mr.JAPAN京都代表の画像を見たい人は、e京都ねっとFacebookページをチェック!

2013年12月03日 | イベント | No Comments »

上賀茂神社「鎧着初式」

11月26

yoroi 先週末の上賀茂神社は、結婚式に七五三、そして「鎧着初式」で賑やかでした。

鎧廼舎(よろいのや)「うさぎ塾」が主催する「鎧作り教室」で手作りされた鎧兜を着たちびっこや大人武者達が練り歩いてお披露目する「鎧着初式」。
武者行列は、母の手に引かれ足元もおぼつかない幼児からハーフの女の子、アメリカ人留学生に髭を立派に蓄えたお年寄りまで、色づき始めた木の葉よりも華やかです。
組紐で編まれたその気品ある色遣いと美しい立体感に、鎧兜もまた伝統工芸品である事を改めて実感しました。
平安鎌倉期の伝統儀式「鎧着初式」に倣い、代表の子供達が一人ずつ、烏帽子を外した頭に兜を被せられ、緒を締めます。
新たな装いとなった子供は神前にて、それらを作ってくれたご両親や大人たちへの感謝の言葉を捧げます。
子供や孫が健やかに成長するように、と心を込めて作られた鎧兜を身にまとい、さっきより引き締まった表情で歩く姿を見ると、自分も将来子供に手作りの鎧兜を贈りたいと思いました。

いつか成人するまで、いやその後々も、この先の人生にはきっと色んな事が起こるかもしれません。
でも大丈夫、その鎧兜がきっと守ってくれるよ。  
鎧着初式の動画はこちら

「邦楽アンサンブル みやこ風韻」

11月11

fuin 今月末まで開催されている「京都文化祭典・京都の秋 音楽祭」のプログラムのうち、「邦楽アンサンブル みやこ風韻」の公演に行って来ました。
主に日本の伝統楽器である箏や三絃、尺八に琵琶等で構成された、言わば「邦楽のオーケストラ」です。
京ことばで歌う「みやこ・キッズ・ハーモニー」の愛らしさ、9本の尺八のみで演奏する「竹の群像」、登場回数は少ないものの他に類を見ない鼓の効果的な合いの手。
普段は何かの伴奏の様に、単体で聴く事の方が多い和楽器ですが、こうして集合体として聴くと、それぞれのパートが持ち味を活かして共鳴し合うので、楽器が持つ個性や音色の美しさがより際立つような気がします。初心者にはむしろ分かりやすく、聴きやすく感じられるのではないでしょうか。
佐々木千香能さんの歌声や大谷祥子さんの箏、藤舎理生さんの篠笛など、「ほんまもん」の放つ音は艶があって、濁り無く澄み渡るように響きます。
美しくしなやかな踊りが、日々のトレーニングで鍛えられた肉体から生み出されるように、彼女達の紡ぎだす音もまた研鑽の積み重ねに裏付けられている事を物語ります。
人の息や指先に込められた力が音となって発せられ、指揮者によってそれらが束になり大きなうねりとなる様を場の空気ごと味わえるのは生演奏ならでは。
「みやこ風韻」は、2014年の1月25日と11月14日にも公演が決まっているそうです、その他のスケジュールについてはホームページもしくは075-371-8972までお問い合わせください。

旧武徳殿

10月23

butoku 22日に時代祭が行われた平安神宮を中心に、美術館や図書館、イベントホールなどが立ち並ぶ岡崎は、京の文化ゾーンと言えます。
その中で、観光スポットでないゆえに、ちょっと足を踏み入れにくかった武道センターで、先日「形柔道」の世界選手権が日本で初開催と聞いて、潜入してみました。

武道センターの隣にある旧武徳殿は、国内唯一の武道の専門学校だったもので、平安宮の大極殿を模し、今では入手不可能とされる巨大なヒノキ材を用いて建設された明治期の大規模木造建築で、国の重要文化財に指定されています。
「平安道場」とも呼ばれるこの旧武徳殿は、平成19年には東儀秀樹さんによる雅楽のチャリティコンサートが開かれるなどの保存運動の甲斐あって、老朽化や修復の維持管理困難による廃棄処分の危機から逃れ、青蓮院の将軍塚に移築、大護摩堂として再生される事が決まっています。平成26年7月の完成を目指して工事が進められているそうです。

なお、現在の旧武徳殿の外観だけは自由に見学する事ができます。

日本と中国

10月15
manpuku

宇治の黄檗山万福寺

 初めての中国旅行から帰国しました。
最近の政治情勢から、現地の中国の人々と上手く交流できるかちょっぴり心配でしたが、それは全くの杞憂に終わりました。
とりわけ台湾の対岸に位置する福建省の廈門市は、昔から茶葉の貿易で栄えた街で、お茶に関するお店や喫茶文化が盛んな土地柄だったため、日本茶道のお点前を簡単にお披めしたところ、現地の人々は興味津々!
もともと緑茶も紅茶も麺類も中国から世界に広まっていったもの。共通の文化が世界各地で独自の文化に育ち、それがまた互いを惹き付ける潤滑油となっているのです。
一碗のお茶という文化を挟んで、賑やかで楽しい時間が流れていきました。

出国直前に、万福寺での「月見の煎茶会」に参加してみましたが、今年没後250年を迎えた煎茶道の中興の祖・高遊外売茶翁は、自ら僧籍を離れて庶民にお茶を売り、振る舞いながら禅の教えを説いたといいます。その境地に少し触れられたような気がしました。
世界平和のための秩序は必要ですが、もっと大切なのは、相手をもっと知りたいという気持ちや、互いの違いを理解しようと歩み寄る姿勢なのではないかと思います。

お寺でトイピアノ演奏会

9月24

piano 大徳寺玉林院でのトイピアノ演奏会に行って来ました。
40cm四方くらいの小さな小さなピアノは、おもちゃとは思えない程、音の鳴り始めは金属の様に澄んで鋭く、その後はコロコロとした丸みも感じるような、やわらかな響き。それは、木琴のものとも、オルゴールのものとも違う繊細な音色でした。

ここが会場となった経緯には幾つかの理由があり、まずは京都出身のピアニスト・寒川晶子さんが玉林院の保育園に通っていたという縁のほかに、「トイピアノの為の組曲」を作曲したアメリカの音楽家・ジョン・ケージ氏が、コロンビア大学で仏教学者の鈴木大拙氏に「禅」について学んだという共通点があります。
ジョン氏がそうであったように、即興演奏では本堂の外から聞こえてくる葉擦れや、にわかに勢いづいたかと思うと急に静まる蝉の鳴き声、観客席にいる赤ちゃんの声にも寄り添うかのように、じっと耳を澄ませながらの演奏が続きました。
ふと彼女の両手でトイピアノが本堂から縁側に持ち出されると、観客もつられて外に出て目を閉じ耳を傾けます。

「自然の中でピアノを弾いてみたい。」と話していた寒川さん。
グランドピアノに比べて持ち運びやすいトイピアノなら、夢ではないかもしれません。
京都のどこかでまた、こんなコンサートが開かれますように。

緑のなかで。

9月17

green この夏、京都府立植物園のすぐそばにオープンしたイタリアンは、その名も“IN THE GREEN(イン ザ グリーン)”。
目の前で生地が作られ、薪窯で焼くピッツァが味わえて、特にテラスでのBBQは涼しくなったこれからの季節に気持ちよさそうです。
そのテラス席の隅でワンちゃんがおとなしく座っていたので、もしかしてペットも同伴OKなのでしょうか?
思いのほか広くて席数が多く、喧騒の中でも人々がどこかリラックスして見えるのは、緑の芝生や木々から運ばれてくる風のせいでしょうか。
これが四方を壁に囲まれた空間なら、そうはいかなかったかもしれません。
お店のレジで入館料を払うと、そのまま植物園に入る事もでき、園内でウェディング写真撮影ができる「ガーデンウェディングパーティ」プランもあるそうなので、今後府立植物園とコラボレーションした面白い企画がどんどん生まれる事を期待してみたいですね。

「仲秋の名月」となる19日には、京都府立植物園で「名月観賞の夕べ」が、今週末の21、22日は上賀茂神社で手づくり市が行われます。

下鴨神社・矢取神事

8月12

ya 真夏にシャワーを浴びるとさっぱりするように、一年の折り返しを過ぎた夏になると、日本人は禊祓(みそぎはらえ)がしたくなるのでしょうか。
立秋前夜を迎えた下鴨神社の御手洗社では、先月の御手洗祭に引き続いて夏越神事が行われていました。
社の井戸の前に野菜などを供え、大麻(おおぬさ)で周囲の見学者も共にお祓いしてもらうこと約一時間。
奉納された厄除けの人形が流され、合図が鳴ると、褌姿の氏子男子が一斉に御手洗池に飛び込み、ざぶんざぶんと音を立てて中央の斎矢を奪いあいます。その時間わずか30秒ほど。
終わった後の池の水面や裸男たちの背中には、厄除けの人形がびっしり。自分たち半年分の穢れを水に流してもらったようで、ありがたい。
夏も半ば。毎日温度計ばかり見て嘆くよりも、何か夏らしい思い出を作る事を考えませんか?
下鴨神社では、16日まで「納涼古本まつり」が開催中です。

松殿山荘

7月22

imayou 宇治市の木幡に、財団法人松殿山荘茶道会が維持保存する広大な庭園と小間(草庵式)・広間(書院式)17の茶室を備えた「松殿山荘」があります。
松殿山荘は院政期の関白・藤原基房の邸宅跡で、大正~昭和にかけて弁護士で数寄者であった高谷宗範が自ら設計し作り上げてきた建築郡で、2階の眺望閣からは豊かな緑と、京都西山や比叡山に生駒山等を見渡せるとは、なんとも贅沢。
日本と西洋の文化が溶け合う空間には、随所に「方(四角)」と「円(丸)」のモチーフが見られ、「心は円満に丸く行いは常に正しく四角く」という方円の考えを目に見える形で説いています。
自然の中に身を委ねながらもどこか緊張感がある方が、日本人にとっては心地が良いのでしょう。
その30畳もの大書院を舞台に、狩平安~鎌倉期に流行した歌謡「今様」を、公募で参加する男女の歌人が狩衣姿で詠み合う「今様合(いまようあわせ) 松殿十五ケ日」が、この松殿山荘で11月1~15日に開かれます。
現在、「梁塵秘抄」の「遊びをせんとや生まれけむ…」に代表される様な今様の歌や、出演参加する歌人を募集しています。もちろん見学も可能です。
お問い合わせは、090-3496-9383(日本今様歌舞楽会・太田)まで。

下鴨神社「蛍火の茶会」

6月10

hotaru  下鴨神社での「蛍火の茶会」。
今年は御手洗池ではなく、糺ノ森の泉川に蛍が放流され、参拝者たちは普段は公開されていない糺ノ森の東側を回遊します。
真っ暗闇の森の中、遠くの川の向こうで呼応するかのように光ったかと思えば、頭上をふわりと通り抜ける蛍も。
ふと人々の歓声の中に紛れ込み、誰かの鞄にくっついて光る姿を見ると、思わず周囲の人と顔を見合わせてにっこり。

帰り道に、松ヶ崎疏水にも寄ってみました。
住宅に囲まれた静かな小川には、既に近所の人たちが蛍を観るために集まっていました。
目を凝らし指で追いながら蛍の数を数えるお孫さん達に、おじいさんが「今日は少ないなあ~」とぽつり。
かつて自分自身も幼い頃に、近所のおじさんに連れられて蛍を観に出かけた事がありました。
その頃は、頬にぶつかることもあるくらい、蛍がたくさん飛んでいたように思います。
この先、自分の子供や孫にもこの神秘的な景色を見せてあげられるでしょうか。
人々が銘々に家へ帰って行った後、しばらく暗闇のせせらぎに舞うかすかな光を眺めていました。

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