修験宗天台宗系本山派総本山・聖護院門跡
京の街とは面白いもので、ずっと歩き続けているだけで外人さんやお坊さん、舞妓さんのほか、山伏にまで遭遇したりします。
その山伏で知られる修験宗は、日本古来の山岳信仰に仏教や道教などの思想が融合して成立した、最も日本的と言える庶民宗教です。
出家・在家を問わず、日頃は社会人として働いていて、修業の時だけ山伏となって菩薩道修業の実践を行っている信者が今でもたくさん存在しています。
その天台宗系本山派の総本山・聖護院門跡が、「京の冬の旅」キャンペーンで12年ぶりに公開されています。
聖護院は代々皇室や摂家より門主を迎えた門跡寺院で、御所の火災時には仮皇居にもなった縁で、当院の紋は「菊法螺貝」。
平安期の本尊・不動明王立像(重文)や山伏法具などの宝物が豊富で、狩野派の障壁画も保存状態が良く、その殆どが柵を設けずに目と鼻の先で観る事ができます。
この空間を昨冬に公開開始された映画『大奥~永遠~[右衛門佐・綱吉篇]』の撮影ロケに利用するなんて、なんとも贅沢。
2月頭は拝観休止となっていますが、年男の山伏が豆を撒いて鬼を追い払う節分会が行われ、山伏問答など修験道独特の作法が観られます。