e-kyoto「一言コラム」

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萬福寺宝善院の普茶料理

9月28

fucha 黄檗宗の精進料理「普茶料理」と言えば、黄檗宗大本山の萬福寺の食堂や付近の白雲庵、京都市内の閑臥庵等がありますが、今回は萬福寺塔頭の宝善院に行ってみる事にしました。
揃いの染付の器でテーブルセッティングされた本堂の一角には、「清流無間断(せいりゅうかんだんなし)」という禅語の軸や花が飾られています。
赤ちゃん連れである事を伝えていたので、有りがたい事に子供用の布団も敷いておいて下さいました。
精進料理と言うと修行の一環で静かに食べる印象がありますが、普茶(あまねきの茶)は法要・行事の御礼のおもてなし料理という事で、色どりも華やか、大皿料理を分け合って食べるという賑やかな印象があります。
お寺の奥さまは、「油炸(味付天麩羅)」を出す時にはあえて中身を明かさず、食べた人に推測してもらうようにしているとか。
メロンの天麩羅はさすがに誰も言い当てられず、応え合わせに驚嘆の声をあげてしまいました。
もっちりとしたごま豆腐もとても美味しく、全体にあっさりしているのに食べ応えがあって箸が進んでしまいますが、ちゃんと普段から「五観の偈(ごかんのげ)」を意識して感謝しながら頂かないといけませんね!
自分達以外には誰もいないお堂の中、滋味深い食事を味わう傍らで、お庭のそばで赤ちゃんがすやすやと眠る時間は、平和そのもの。
帰りは廣化庭に配置された干支の守り本尊像を銘々に巡って手を合わせました。
今年はもう終了してしまいましたが、煎茶道・方円流の献茶・煎茶席や、鈴虫の音色と松茸を楽しむ夜間拝観もされているそうです。

2015年9月28日 | お寺, イベント, グルメ
One Comment to

“萬福寺宝善院の普茶料理”

  1. On 5月 30th, 2023 at 3:19 PM e-kyoto「一言コラム」 » Blog Archive » 普(あまね)く大衆と茶を共にする Says:

    [...] 宇治市・黄檗にある萬福寺の塔頭・宝善院の普茶料理を久しぶりに頂きました。 宝善院開基の独振性英禅師は隠元禅師の大通事(通訳)を勤めた人物だそうで、その歴史は300年を優に超えています。 [...]

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