e-kyoto「一言コラム」

ガイドブックには載っていない、スキマ情報をご紹介していきます。

建仁寺両足院

6月22
建仁寺両足院

建仁寺両足院

建仁寺の塔頭・両足院では、葉の一部が白く変化する半夏生(はんげしょう)が見頃を迎えています。
臨池亭での呈茶席にて、初めてお茶室での煎茶道のお点前に触れる事ができました。
壁のほぼ一面分がまるごと切り取られたかのような開放的な空間に、瑞々しい緑の庭園からの風が吹き抜けて行きます。
途中で雨が降りだし、珍しく雷鳴の中でのお茶会となりましたが、恵みの雨を吸いこんで甦った方丈前の苔を眺めながら、ゆっくり雨宿りをさせて頂きました。
普段は非公開ですが、朝鮮通信史ゆかりの寺宝や重要無形文化財保持者・清水卯一親子三代の京焼の展示、国宝・如庵写しの茶室「水月亭」、虎市など、見所の多い塔頭です。
両足院の新緑画像はこちら

明日の京焼 清水焼

3月9

東京・新丸ビルでの「明日の京焼 清水焼」展を観に行って来ました。

新しい感性に彩られた焼き物たちは、これまで伝統工芸品とは無縁だと思っていた若い人達にとっても心踊らされるものばかり。モダンなデザインに惹かれ、作家紹介を見ると、思いがけず熟年の職人さんであることに驚きます。

いくら素晴らしい技法を駆使したものでも、人を惹きつけるものが無ければ意味がありません。何事にも「センス」というものの大切さを実感します。

会場にあるアンケートに答えると、お土産に箸置きを頂きました。
開催は19日まで。入場無料。職人とクラフトバイヤー・日野明子さんによるトークショーが開催される日もあります。

清水焼の手榴弾

9月22

手榴弾の花入れ

手榴弾の花入れ

画像の花入れ、元はなんと手榴弾だったのだそうです。購入された方も、お店からそのエピソードを聞いて驚いたとか。
戦時中、金属資源に窮した日本が、陶器で手榴弾や爆弾、地雷等を製造していたという話を耳にした事はありましたが、兵器を花器として見立てる茶人の発想、おそるべし。

一方、明治期造営で、京都市内最大規模の登り窯を今に残す藤平陶芸が清水焼の産地にあり、戦況下のここも例外ではありませんでした。
この窯は、大気汚染防止法等の規制によりガスや電気窯に取って変わってからは、コンサートや講演の会場としても活用されていましたが、今後は隣接地に開校予定の教育施設の一部となり、京焼・清水焼の遺産として活用されるそうです。
人が人として最後に残せるものは、文化なのかもしれませんね。

2008年9月22日 | 芸能・アート | No Comments »