e-kyoto「一言コラム」

ガイドブックには載っていない、スキマ情報をご紹介していきます。

ワインバー「LIBERO(リベロ)」

11月21

libero北風から逃げるように飛び込んだのは、今年オープンしたばかりのワインバー「LIBERO(リベロ。075-241-1223 中京区御幸町姉小路下ル西側)」。
最初の一杯に、と紹介されたニュージーランドの白ワインは、普段食事のお供に飲んでいるものとは違って、主役級の存在感。香りも味も葡萄の恵みでいっぱいでした。ローストされたナッツを片手に楽しんだ2杯目の赤ワインも、濃厚でフルーティーな香り。

店内のランプやステンドグラス等のディティールはアンティークで統一され、オーナーが天然石を扱っている(隣にショップがあります。昼間営業)事もあり、水槽には紫水晶が光を受けてゆらゆらと輝いていました。
お店へのエントランスにも一面に敷き詰めらたクリスタル!「どうぞ浄化されて下さい♪」とのこと。パワーストーンとゆったりソファ席で「ワイン女子会」にぴったり!?

紅葉を楽しんだ後に、解禁されたばかりのボジョレー・ヌーボーをひとくち、いかが?
きっと寒さにすくめて固まっていた肩からリラックスできますよ。

2011年11月21日 | お店 | No Comments »

明治の煙草王と延暦寺大書院

11月15
大書院の観月台を望む

大書院の観月台を望む

明治の煙草王・村井吉兵衛によって建てられた長楽館は、付随の家具と共に京都市指定有形文化財の指定を受け、それらを当時のまま「動態保存」という形で今でも使用されています。
その通常非公開の「御成の間」等を会場として『京都が生んだ明治のヒーロー「村井吉兵衛展」』が開かれています。
展示物は当時のレトロモダンな広告や商品パッケージが中心で短時間でも回遊できるので、館内の茶室で上映されているDVD(2本立て、各約16分間)と併せて観覧すれば、より当時の情勢への理解が深まり、楽しめると思います。

華族出の女官を妻に迎えるにあたって、東京赤坂の地に御所風に造らせた豪邸「山王御殿」は、後に保存のため比叡山延暦寺に移築され、当寺の「大書院」となりました。
屋久杉から切り出した板戸や、煙草の葉を一面にあしらった襖に観月台など、西洋風の長楽館はとはまた違った贅を尽くしたもう一つの迎賓館。
19日には通常非公開の延暦寺大書院を見学するツアーが企画されています。

国民文化祭・京都2011「植物園大茶湯」

11月7

chakai

京都府内のあちこちでが開催された「国民文化祭・京都2011」。どこに行こうか迷うほど濃厚な9日間はあっという間に過ぎていきましたが、皆さんは楽しまれましたでしょうか?

主要事業のうちの一つ「植物園大茶湯」は、豊臣秀吉が開いた「北野大茶湯」のように、誰もが自由に抹茶や煎茶、紅茶やハーブティーを楽しめる大茶会でした。
比叡山を借景にした海外留学生と京の女学生による正統派のお茶席では、茶の湯に向き合う真摯な姿勢に、こちらの背筋が伸びる思い。
カナダ人茶道家・ランディー・チャネルさんのお茶席も人気で、ホワイトチョコにきなこやメープルシロップを練り込んで茶巾絞りにした創作和菓子は、嬉しい驚きでした。
泉涌寺悲田院を拠点とする煎茶道東仙流による煎茶席では、湯呑みに茶葉が入った茶を、蓋をずらして頂く「啜り茶」というものを初めて体験しました。
一席300円とリーズナブルながら、それぞれに工夫を凝らしてあり、来場者も笑顔で広い芝生やバラ園、コスモスの中を巡っていました。

国民文化祭は閉幕しましたが、文化の町・京都ではまだまだ色んな催しが毎日どこかで行われています。

ミスリム

10月31

miss 京都御所の秋季一般公開が始まりました。「国民文化祭・京都2011」の開催にあたり、いつもより少し長めの日程です。
国内外からたくさんの人が訪れる御所を見学した後の休憩には、紅茶専門店の「ミスリム ティーハウス」がおすすめ。

イギリス領インド」がコンセプトで、こじんまりとした店内ながら吹き抜けやソファ席もあって、ゆったりとした作りです。BGMはなんとレコード!ぶら下がったペンダント型のサイコロの様なスポーカーから流れていたのでした。
また改装前の梁や、内壁の一部を絵画の様に残し、前身だった古民家への敬意を表しています。

お店の方も物腰やわらか。漆喰の壁に光が差し込む明るい空間の中で、ポットにたっぷり入ったジンジャーティーを頂くと、心がほぐれて体もぽかぽか。
普段は砂糖もミルクも入れて飲む人でも、一杯目は何も混ぜないで、ぜひそのままの紅茶の味わいを楽しんでみて下さい。

2011年10月31日 | お店 | No Comments »

うずらギャラリー

10月24

uzuraインドのシタール、西洋のリュート、中国のチェロ・革胡(かくこ)による弦楽三重奏を聴いて来ました。会場は、以前から気になっていた「富田歯科医院」の看板が残る「うずらギャラリー」。
門構えは町家ですが、一歩入るとそこは「モダン建築のおうち」です。
今もここに住むご主人の話によると、昭和15年に朝日新聞の京都支店として建てられた後に個人宅となり、戦時中の間引き政策(空襲の類焼を防ぐため一軒毎に家屋を残し、周りを取り壊す)からも免れ、今はその一室をギャラリーとして、時には英語教室もされているそうです。
クリスタルのドアノブ、現役を引退した噴水や大きなのっぽの古時計もそのまま残してあります。
暖炉を背に、演奏者の間近でふかふかの座布団やソファに座って聴くスタイルは、まさに弦楽コンサートにぴったり。おうちの中に居る安心感からか、ジョークを交えながら和やかに進行します。
三条通りの喧噪はどこへやら。それぞれ全く個性の異なる楽器ながら、根底に流れる大きな世界の繋がりを感じる演奏会でした。

2011年10月24日 | 芸能・アート | No Comments »

京都の小さなアート空間

10月17

urban京都にも老舗のクラブやライブハウスなど小バコの音楽空間がたくさんありますが、木屋町の雑居ビルに入っているのは飲み屋だけだと思い込んでいたのは盲点でした。

先日初めて潜入した『UrBANGUILD(アバンギルド)』は今年でもう5年目だそう。アンティークランプを組み合わせたシャンデリアや、ミシミシときしむ床の感触、観客に近い舞台に、手作りの小劇場を訪れた様な気分になりました。
イベントの無い時や終了後には「Ur食堂」としても利用でき、ディナープレートを食べる傍ら無料ライブを楽しむ事もできます。

自分を何かで表現しようと模索している人、理想の自分に向かって瞳をきらきらさせている人、好きな事を黙々と続けている人達の姿を近くで観ていると、こちらもまるでろうそくの火を移すかのように、ほのかで前向きなパワーを分けてもらっているような気持ちになります。

風呂敷のススメ

10月11

furosiki

日頃から荷物が多くなるタチで、いつもバッグはパンパン。詰めこみ過ぎて型崩れを起こしてしまう事も。

それを見かねてか、「風呂敷バッグ」なるものを頂きました。普段は平らに畳んで鞄の中にしまっておき、ちょっとだけ荷物が増えたという時にはミニエコバッグに早変わり。
着物姿にも違和感無く、何より着物と同じたとう紙にラッピングされているのが可愛い。

秋は入洛者と交通量が最も多くなる季節。かさばるお土産を包める風呂敷を1~2枚旅行バッグに入れておくと安心ですね。
秋の新作バッグもいいけれど、モダンな柄の風呂敷を着こなしのワンポイントに取り入れてみるのも面白いかも!?

25日には「京朝スタイル」による「朝ふろしき部」も開催されます。

2011年10月11日 | お店, 和雑貨 | No Comments »

宇治茶まつり

10月3

uji宇治茶まつり」が行われた宇治で、茶席や点心、抹茶ソフトクリーム等を楽しんで来ました。
興聖寺での口切り・献茶の儀では、慎重な所作で茶壺から取り出された茶葉が、ゆっくりと時間をかけ丁寧に石臼で挽かれ、豊かに流れる宇治川の水で点てたお茶と共に栄西・明恵千利休を祭る祭壇に供えられました。

もともと「薬」として日本にもたらされたお茶。飲むことで天と地の恵みを身体に取り込むだけでなく、それを取り巻く工芸品や、周りの人々や自然とのコミュニケーションをも発展させてきた「喫茶」は、万国に通じる普遍的な文化です。
禅の思想と融合して自己を見つめる「茶道」は、もはや他国に逆輸入されていると言っても過言ではありません。

興聖寺の茶席に掛けてあった言葉は「旦座喫茶(しゃざきっさ)」。
「ちょっと座って、お茶でも飲みましょう。」一杯のお茶でも、奥深いですね。

鮒の滝登り!?

9月26

funaturu鴨川から下木屋町を眺めると目に入る壮大な五層の楼閣建築。
フレンチダイニング「FUNATSURU KYOTO KAMOGAWA RESORT」は、老舗料理旅館「鮒鶴」を改装したお店と聞いていましたが、更に時代を遡った創業の明治3年には鮒を扱う川魚業者で、屋号は創業・田中鶴三郎の名に由来しているのだそうです。

大正11年に東山を臨む現在地に移り、宮大工の確かな技に築かれた折上天井や、鯉の天井画、大正期のシャンデリアを今に残し、アコーディオン扉の手動式エレベーターは今も現役なのが嬉しい。
残されていた絵によると、「鮒鶴」時代の川床は屋形船の風情だったのですね。

結婚式場としてのイメージが強い当館ですが、時折イベントも開催され、今月いっぱいまでは名残の川床でのお食事が楽しめます。

親鸞聖人750回大遠忌

9月20

goen 親鸞聖人750回大遠忌を迎え、本願寺と門前町がひときわ賑わっています。
西本願寺で国宝の唐門や書院飛雲閣を拝観した後、記念行事「ご縁まちフェスタ」の関連スポットを歩いて巡りました。

今年開館したばかりの近代的な仏教総合博物館「龍谷ミュージアム」では、インドでの釈尊の誕生からその生涯と、アジア、日本へと展開していく仏教の歴史を分かりやすく紹介しています。
「ご縁まちマルシェ」では、タオルをゾウ形にした壁掛けタオル“まけないぞう”を東日本大震災の被災地支援として購入しました。
「伝導院」では漫画「北斗の拳」の作者・原哲夫さんが「象山」の雅号で阿弥陀如来像を描いたタペストリー等を展示。西本願寺の門前にこんな洋館が建っていた事に驚いた人も多いことでしょう。

次回の西本願寺国宝・飛雲閣の特別拝観は11月8日(火)午後から17日(木)の12時まで行われます。

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