e-kyoto「一言コラム」

ガイドブックには載っていない、スキマ情報をご紹介していきます。

一匹の光

6月27

hotaru自宅のガレージで、一匹の蛍を見つけました。
お皿に水を張って草を浮かべ、庭に移して夜はその光を楽しませてもらいました。

一昨年は松ヶ崎疎水のせせらぎの中を静かに呼吸するかの様に光る蛍を何匹か観る事ができましたが、昨年に鴨川公園に行った時は条件が悪かったのか、殆ど観られず仕舞いだったので、まさか家で観られるとは夢にも思いませんでした。

調べてみると、成虫は餌を食べないのだそう!幼虫の頃に蓄えられた養分が尽きるまでの命なのです。
ほのかな光を放ちながらふわふわと舞う蛍は、昔からはかないものの象徴とされてきましたが、たった一匹でも一生懸命にお尻を光らせている姿は何となく力強いものでした。

2012年6月27日 | 未分類 | No Comments »

「平清盛」展

6月18

bunpaku プレゼントコーナーでもご紹介した「NHK大河ドラマ50年特別展 平清盛」展に行ってきました!
歴史ドラマの面白さは、誰もが史実(結末)を知っている上で、その過程がどう描かれるかにあるところ。
数百年~一千年近くの時を隔てながら、それぞれの立場での正義や野心、迷いや葛藤、そして家族を思う心は現代人と変わらず、平家・源氏一門が時には大家族のように、時には若い社長が率いる中小企業の様にも見えてきます。
当展では、平家に起こった出来事をニュース形式で分かりやすく紹介しながらも、清盛肉筆の経やその息子・重盛が厳島神社に奉納したと伝わる大鎧、清盛の孫で6歳にして壇ノ浦で入水した安徳天皇の産衣と伝わる装束など、その人物の息づかいが感じられるような品々が驚くほど綺麗に修復・保存されている事に敬意を感じずにはいられません。
ちなみに、「平○○」「源××」「△△天皇」といった似通った名前が多数出てくるので、ドラマと共に楽しみたい人は、NHK大河ドラマの公式ホームページにある「登場人物相関図」をプリントアウトして行く事をおすすめします。図録は、ぜひともご自宅のテレビの傍らに。
レンタルできる音声ガイドの声は深キョン(清盛の妻・時子役)です!

2012年6月18日 | 芸能・アート | No Comments »

福栄堂と壹錢洋食

6月12

fukuei湿気で少し重くなった空気を一瞬忘れさせてくれる、夏の冷菓。
祇園のお土産に頂いた「福栄堂」さんのお菓子は、鮮やかな抹茶のゼリーに、笹で巻いたれんこんのお菓子(「蘇民将来様之心継菓子也」だそうです)…なんだかどこかで見た事があるような気がしないでもないですが、まあいいや、と口に運びます。
素材にこだわり、無添加・無保存料で作られているだけあって、なかなか素直なお味で美味しい。つるつるっと食べ尽くしてしまいました。
祇園の一等地に店を構えながら「京都ブランド」ぶる事なく、「祇園のぷるこちゃん」なるキャラクターを生み出すこの独特のノリもどこかで…。実は、お向かいの「壹錢洋食」は福栄堂から派生したお店なのです。
漉しあんでお餅をくるんだ看板商品の「祇園の月」は、冷蔵庫でちょっと冷やしておくと口あたりがひんやりとして、おすすめです。

2012年6月12日 | お店, 修学旅行 | No Comments »

田舎料理 加悦

6月5

kaya洋食より和食、肉より魚、会席より家庭料理が食べたい気分のときがあります。
久しぶりに「田舎料理 加悦」の暖簾をくぐりました。
お刺身がたっぷり盛られた夜のおまかせ定食(2,500円)を頼み、もちもちの山芋と卵、日本酒で作った名物「加悦汁」をお腹に流しこみます。
夫婦でもう40年も続けておられるので、さすがにお二人ともスローペースですが、それをよく分かっている常連さんも気にせずマイペース。
京都コンサートホールが近いこともあり、名指揮者の小澤征爾さんも年に1~2回訪れているそうです。
実は、裏メニュー(!?)のきつねうどんもおすすめなのです。きっと出汁が良いのでしょう、甘いお揚げさんと山椒が透明な出汁の中で溶け合って、うどん屋さんのそれとは違う、優しい味わいなのです。
ダメもとで聞いてみて良かった!今宵もごちそうさまでした。

2012年6月05日 | お店 | No Comments »

南座「玉三郎”美”の世界展」

5月28

minami坂東玉三郎さんが主演の舞台『ふるあめりかに袖はぬらさじ』(~5/27)を観て来ました。
ポスターやあらすじを見て勝手に悲劇だと思い込んでいたのですが、終始くすくす笑いが沸き起こり、最後は一抹の寂しさがほろ苦い風刺劇でした。
玉三郎さんの生舞台を観るのは初めてだったので、これまで抱いていたクールな印象からは予想していなかったひょうきんな声色とコミカルな演技が新鮮。
講談の様な小気味好い口調と動作が絶妙なタイミングで繰り出される様は、まるで緩急のある川の流れのようで、きっと稽古を重ねる度に綿密に計算し尽くされてきたのでしょう。
南座では現在「玉三郎”美”の世界展」が開催中で、誰でも気軽に南座に入って見学する事ができます。豪華な衣装や素材にこだわった小道具、蒔絵を施した鏡台のある楽屋の再現を通して、日頃から美しいもの、手間をかけて作られたものに触れる事で自身の意識を高め、それを舞台で昇華する事で、劇場まで足を運んだ観客へと還元していこうという心意気が伝わってきます。
次回の坂東玉三郎特別公演は、『壇浦兜軍記 阿古屋』『傾城』の傾城二題が上演されます。

台湾の「高雄」

5月22
高雄市の愛河

高雄市の愛河

実は、先日まで台湾に行っていました。
南部には台湾第二の都市「高雄市(カオション)」と呼ばれる国際湾岸都市があります。
もともと先住民・平埔族マカタウ族の言葉で「ターカウ(竹林)」が語源と言われ「打狗」という漢字があてられていた地名を、日本統治時代の1920年に、日本語の発音が近い「高雄」に改称されて現在に至ります。
日本にも「高雄」「高尾」と呼ばれる地名はたくさんありますが、その中でも京都の高雄から名付けられたものだとか。
熱帯気候の港街・高雄市と、山深く夏でも市内より涼しい京都の高雄とでは全く印象が異なりますが、京都の高雄の地名は水を司る「高おかみ(雨かんむりに口三つ、その下に龍と書く漢字)」という神様から由来しているという一説もあり、共通しているのは「水」でしょうか。
高雄の川床桟敷で人々が森林浴とお食事を楽しんでいるように、高雄市の愛河の畔では、オープンカフェや公園でくつろぐ現地の人々の姿がありました。

2012年5月22日 | 観光スポット | No Comments »

葵祭:御蔭祭保存会

5月14

mikage2012年度の葵祭は、12日に行われた御蔭祭もクローズアップされました。
今年の春に保存会が設立され、行程約20キロを練る行列の一部で自動車を利用していたのを、今の倍の人数で全行程を徒歩で巡行していたという古来の姿に戻すべく、調査が進められているのだとか。

御蔭祭は主に下鴨神社の摂社・御蔭神社から荒御霊(あらみたま)を迎える神事と、それを神霊櫃や神馬に遷して下鴨神社へと巡行、赤の宮での舞楽や糺の森での歌舞「東游」から成ります。
御蔭山で新たに生まれた荒々しい神霊「荒御霊」は、下鴨神社本殿の「和御霊(にぎみたま)」と合体して、更に神威を増すといいます。
これが国の重要無形民俗文化財の指定を受けたら、葵祭行列に匹敵する盛り上がりを見せたりして!?

2千年以上の歴史があると伝わる祭の、古いようで新しい話題です。

2012年5月14日 | イベント, 神社 | No Comments »

伏見稲荷大社・薬力社

5月7

taki稲荷祭(還幸祭)」で稲荷大神が伏見稲荷大社へ帰社したので、再び稲荷山の奥にある「薬力社」を目指しました。
「薬力さん」は無病息災、薬効、薬害防止、健康長寿などを祈願するところ。珍しく親子の狐一対の石像があります。
そばには打たせ湯の様な「薬力瀧」があり、滝行もできるようになっているようです。
ご神水は手押しポンプの井戸から汲む事ができますが、向かいで塚守をしている茶店に頼むと、薬力瀧の水を漉したもの(飲用可)を分けて頂く事ができます。
お水のお礼にのど飴を購入すると、商品の上で火打ち石を打ちながら(本当に火花が散ってびっくり)「すぐそこのおせき社に御供えしてから食べて下さいね」とのこと。
こちらは歌舞伎役者や花街の人々など喉をよく使う職業の人や、咳、喘息などの疾患がある人がよくお参りするそうです。
全国から葉書で祈願する人もあり、お社の柱に郵便受けがあるのがユニーク。
何事も身体が資本!稲荷山巡りでここを通りかかったら、ご神木にも触れていって下さいね。

2012年5月07日 | 神社, 観光スポット | 1 Comment »

伏見稲荷大社・稲荷祭

4月23

inari伏見稲荷大社の「稲荷祭(神幸祭)」で稲荷大神の神輿が御旅所へと出発するのを見送った後、稲荷山に登ってきました。
奥の院の更なる先には、衣食住を司る「三徳社」や薬に関する「薬力社」、現在でも滝行をする人がいるという滝場等様々な人々の信仰を集めた神蹟がたくさんあります。
「パワースポット」とはご利益の事だけではなく、それを求める人々の願いのパワーが集まる場所でもあるのでしょう。
全国に3万社もあると言われる「お稲荷さん」の総本宮とあっ、日本人だけでなく多くの外国人ともよくすれ違いました。
千本鳥居と新緑の梢が小雨を受けとめてくれたお陰で、殆ど傘を差す事無く、時折茶店で休憩を挟みながら約2時間で「お山めぐり」を終えました。
稲荷大神が移された神輿が5月3日の還幸祭まで納められている西九条の御旅所は、JR京都駅から東南へ歩いて10分程のところにあります。
今年のゴールデン・ウィークは家内安全や健康を願って、ちょっとお参りしていきませんか?

京都府立植物園の夜桜

4月16

shokubutuソメイヨシノの開花もピークに達し、しだれ桜がほぼ満開を迎えようとしています。
京都府立植物園のしだれ桜も8~9分咲きで、「桜ライトアップ2012」は17日まで期間が延長される事になりました。→→動画はこちら

当植物園は、国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」にて無重力状態で保管されていた円山祇園枝垂など全国の名桜14種類の種を「宇宙桜」として育てています。
桜林の歩道沿いにある細い若木の「高桑星桜」も「宇宙桜」に含まれるものと同じ品種で、岐阜市の「高桑桜保存会」から2月に贈られたばかり。
夜間は確認しにくいかもしれませんが、花弁が白い星のように見える品種で、関西で見られるのは同園だけ。今月の20日過ぎまで順次咲くそうです。

お昼間の植物園も、近くの半木の道の紅しだれ桜と合わせてお楽しみ下さい。

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