e-kyoto「一言コラム」

ガイドブックには載っていない、スキマ情報をご紹介していきます。

下鴨神社でジブリ展

10月2

g下鴨神社にて、「鴨長明『方丈記』と賀茂御祖神社式年遷宮資料展」と「「定家と長明」展ースタジオジブリが描く乱世。ー」が始まりました。
「定家と長明」展は、小説家・堀田善衞氏が書いた『方丈記私記』を、愛読者の宮崎駿氏がアニメ化を長年に渡って構想していたそうで、もしもスタジオジブリが『定家と長明』として映画化したら…という趣旨で企画されたもの。
藤原定家と鴨長明、それぞれの生い立ちや性格、表情の変化まで踏み込んだ設定が作られ、彼らの目線からの平安京の姿を映したおびただしい数のイメージボードは、まるで本物のセル画同然に美しく描き込まれています。
最後まで目を通したら、きっと一本のアニメ大作を観た様な気持ちになるはず。いや、むしろ映画化して欲しい、とまで思ってしまうかも。
なお、ジブリ展や現代の方丈庵、資料展の会場はそれぞれ離れています。
入場券と共に頂くパンフレットも展示物も本当に多いので、たっぷり時間を取ってお出かけになる事をおすすめします。

上賀茂社家「梅辻家」

9月25
鳥居形の内玄関

鳥居形の内玄関

食卓に上賀茂のすぐき漬が上がったのを見て思い出しました。
京の夏の旅・文化財特別拝観」は今月末で終了します。
という事で、上賀茂に残る唯一の「賀茂七家」の遺構「梅辻家」を訪れてみました。
明治時代の付近の古地図パネルを見ると、驚く程たくさんの社家が密集しており、葵祭の頃はさぞかし賑やかだった事でしょう。
陶芸家・北大路魯山人も社家に生まれ、その生家が地図にも書き込まれています。
それ以前の神仏習合の時代には、上賀茂神社の傍に神宮寺も存在していたそうです。
当家では、朝廷の仕事も兼任していた事や、徳川家康が賀茂社を厚く信仰していた経緯で、朝廷と徳川家との交流を伝えるものがたくさんありました。
ユニークなのが『関東御城之図』。葵使いとして葵の葉を徳川家の居城へ献上する際、道順を間違えないように矢印と共に記した城内の間取り図です。
こっそり書き控えるのはなかなか難しかったと思いますが意外に詳細で、「他の人には見せるな」と注意書きしてありました。
梅辻家公開最終日の上賀茂神社では、「賀茂観月祭」も行われます。

京都と大阪を結ぶ高速バス

9月18
直Q京都
直Q京都

京都と大阪を結ぶ高速バスがあるのをご存じですか?
京都駅八条口(ホテル京阪前)~大阪・なんばOCAT間を運行する「直Q京都・京都交野なんば線」に乗車してみました!

いつも大阪へ向かう時とは違う景色が観られて、ちょっと新鮮。
ちなみに、京都駅からなんばまで電車で移動すると、交通費は770円で所要時間は約50分。
「直Q京都」だと800円で約77分です。

何より乗り換えが無く、二人分の席に座ってゆったり移動できるのが魅力。
荷物が多い人やお年寄り、小さな子供連れの方に便利かもしれませんね。
願わくば、夜間ダイヤがより充実してくれれば…今後に期待します!

2012年9月18日 | 未分類 | No Comments »

機内食に京の料亭の味

9月11

kinai格安航空会社(LCC)の台頭の影響でしょうか、空の旅に牛丼や高級アイスクリームがサーブされるなど、機内食に力を入れている航空会社が増えたように思います。

シンガポール航空もその一つといい、お品書きには京都の料亭「菊の井」の村田吉弘氏の監修との文字が!
当時の内容は“ムツの西京焼、海老ろう焼き、鰻の湯葉巻き、薩摩芋の甘露煮とチラシすしを添えて”。
まさか「菊の井」の板前さんが添乗して…という訳にはいかないものの、もともと機内食が苦手でよく残していたのに、今回は完食してしまいました。

エコノミークラスの利用だったので、メインディッシュのみが村田氏の監修だったようですが、シンガポール航空のH.Pを拝見すると、スイート & ファーストクラスではナルミ食器に盛り付けられた京懐石が頂けるのだとか。食べてみたいかも…。

2012年9月11日 | お店, グルメ | No Comments »

夜の比叡山

9月4

yakei暑い、暑いと言っている間に、気づけば秋に突入していました。
先月末は、夏の思い出を味わおうと京都定期観光バスに乗り、街中よりマイナス5℃の比叡山へ。
奇しくも新車というまっさらなバスの中で、ガイドさんの流暢な案内に耳を傾けていると、こちらも観光客気分。見慣れた景色も新鮮に思えてワクワクしてきます。
時折広がる琵琶湖のパノラマに歓声を挙げながら京都と滋賀の県境を行き来するドライブウェイをくねくねと登り、夕暮れ時の「ロテル・ド・比叡」のカフェでディナー、その後は「ガーデンミュージアム比叡」のライトアップ「ジャルダン・デ・ルミエール – 光の庭園」へ。
山頂から近畿各方面を見渡せる夜景は見事なもので、かつてこの地が遊園地だった頃からこの展望台がずっと残されて続けている理由がよく分かりました。
帰りの道中も運良く、琵琶湖畔から打ち上げられる花火を観る事ができ大満足。
楽ちんで遠出も気軽に楽しめるバスツアー。何よりドライバー役に気を遣う事なくお酒を飲めるのが良かったりして…。
この夏のコースは終了しましたが、秋の比叡山の紅葉も美しいそうです。

“和楽団 ジャパン・マーベラス”

8月27
音魂2012
音魂2012

空気を震わせ、身体に打ち付け、そして心を揺さぶる和太鼓のグループが9月に京都にやってきます。
福岡県飯塚市で、戦前の炭鉱労働者の慰霊の為に演奏された川筋太鼓を前身とする“和楽団 ジャパン・マーベラス”。
和太鼓を中心に篠笛・三味線・琴・尺八など本来のスタイルを活かしながら、これまでに無いパフォーマンスで竹響き(竹太鼓)も合奏します。
これまでの公演で世界17国、国内30都道府県を飛び回るなか、ブラジルの青年がメンバーに加わり、新たな展開の予感です。

全身全霊のパフォーマンスが国境を越え、世界中の人たちに「マーベラス(素晴らしい)!」と言わしめるのは、太鼓が最も原始的な楽器であり私たち人類が根底で繋がっている事を、その軽快なリズムが教えてくれるから。
熱く力強い響きは五感を呼び醒まし、文字通り私たちの心を鼓舞します。

鳥居形の送り火

8月20

torii

今年の送り火は、鳥居形を初めて観に行ってきました。
渡月橋畔は点火時間の1時間以上前からたくさんの人々が集まり、大堰川沿いを縁取っていきました。灯籠流しの傍らで納められた水塔婆は、読経の後に翌年の釈迦堂お松明式で焼却供養されるそうです。

ふと鳥居形を近くで観たくなり、既に遠くで灯っている種火を頼りに、できるだけ近いところまで歩いて行ってみる事にしました。
天龍寺を越えた辺りで歩行者がぐっと減り、清凉寺を過ぎて住宅地へ入る頃にはすっかり人気も無く、薄暗い夜道が続きます。
迷いながら30分近く歩き、鳥居形のふもとまで迫る事ができましたが、高度が低い鳥居形は周囲の木々や住宅で見えなくなってしまい、山の入口は真っ暗。懐中電灯を持っていても心細くなりそうな…。
なにより、これより先の神域に踏み入るのも気が引けるので、来た道を少し戻り地元の人々と共に点火を待ちました。
合図の太鼓が鳴り、保存会の人々が松明を手に所定の位置まで走る姿がかすかに見えます。
一つ、また一つと火の玉が一列に並んでいく様子を見ていると、たくさんの魂が空に向かってゆっくりと昇天していくかのようでした。

2012年8月20日 | 未分類 | No Comments »

東龍 河原町店

8月14

tonryu「野菜を煮込んだポタージュの様なスープ」という評判に惹かれて、「東龍 河原町店」の暖簾をくぐりました。

お目当てのスープは黄色がかっていてとろみがあり、まるで豚骨や鶏ガラと煮込んだコーンスープのよう。縮れた自家製玉子麺によくからみます。
上にたっぷり乗った白菜は炒めてあり、歯ごたえや甘みと共に香ばしさが伝わります。
京都産もち豚を使用した台湾風唐揚げ「排骨」は、外はさくさく中はやわらか。思わず手に取る白ごはんは、店主の実家である滋賀県朽木村で育ったもの。

ラーメンの名店が多いとされる京都において、元は料理人だったという店主が、コース料理を一つのラーメン鉢に凝縮するような心意気で挑んでいるのが、その店ならではの個性に繋がっている気がしました。

2012年8月14日 | お店, グルメ | No Comments »

マリベルの魔法

8月6

marieチョコレートが大好きです。
仕事の合間に一粒…という大人な嗜み程度ではなく、がっつりと心ゆくまで味わいたいので、チョコレートは何かの際のご褒美として頂く存在なのです。

ニューヨーク・ソーホーのチョコレート専門店・マリベルが日本初上陸の地に選んだのが京都。
町家にアンティーク家具を配し、ショップやカフェの他、テイクアウトアイスのカウンターも備えた店内はテーマカラーのブルーとココア色に統一され、その魔法にかけられたような空間ととろける味わいは、夏イベント「京の七夕」に合わせておめかしした浴衣女子たちの心もわしづかみにしてしまったようです。
その甘~い誘惑に、次に足を運ぶ時までまた頑張ろう、と思いながらショッピングバッグを覗くと、ひとひらの花びらが。ここにも魔法が残っていました。

2012年8月06日 | お店, グルメ, 町家 | No Comments »

テイクアウトひやしあめ

7月30

ame寄り道したり、回り道したり、いつもと違う道を選ぶと、思わぬ発見があったりします。
激しい夕立の後の、蒸せる空気に苦笑いをしながら二条通りを歩いていると、「ひやしあめ」と大きく書かれた目にも眩しい冷蔵ケースが。
1杯160円という、美よし菓舗さん(0757711015)の「ひやしあめのテイクアウト」でした。
喉を潤すのにお水では物足りないというこのタイミング。しかも手元にはちょうど空になった容器まである!と考えるやいなや、吸い込まれるようにお店に入って「ひやしあめくださーい」。
お店の夫婦が二人がかりで入れてくれたばかりの冷え冷えを、お釣りもまだ受け取らないうちから、思わず口にしてしまいました。
茶店や夜店で飲むものよりキンと冷えていて、一部が凍ってシャリシャリした飲み心地は、冷蔵ケースから容器に移したばかりだから。
しっかり甘いのに、生姜風味で後味はすっきり。冷たさが身体に染み渡るようで、疲れが吹き飛ぶおいしさでした。

2012年7月30日 | お店, グルメ | No Comments »
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