e-kyoto「一言コラム」

ガイドブックには載っていない、スキマ情報をご紹介していきます。

お稲荷さんのきつね煎餅

9月6

kitune「ここに来ると必ず買ってしまうもの」。京都で言うなら、例えば伏見稲荷大社のお膝元に来ると食べたくなるキツネのお面のお煎餅。

色んなお煎餅屋さんが軒を連ねて賑わいをみせていますが、今回は裏参道の鳥居をくぐったところにある「総本家いなりや」に立ち寄ってみました。
こちらの「きつねせんべい」の原材料は小麦粉、砂糖、白味噌、胡麻だけ。
味もシンプルであっさりとしていて、素朴な味わいが好みの人へのお土産に。

「鼻のところが焦げてしもたんで、一枚どうぞ」と、目の前で一枚一枚焼いていたお店のご主人が、あつあつの焼きたてを下さいました。
パリっと乾く前の、ややしっとりと柔らかいお稲荷さんのお面。思わず自分の顔の前にかざしてしまうのでした。

松ヶ崎題目踊り

8月18

yusen 五山の送り火の一つ、「妙法」の間にある涌泉寺にて日本最古とされる題目踊りとさし踊(京都市登録無形民俗文化財)が営まれました。
現地に着いて驚いたのは、涌泉寺境内から「大文字」が綺麗に見え、しかも周りには殆ど人が居ないということ。これならば、「妙」の送り火の点火を見届けたら「法」の見えるところまで移動し、そのまま涌泉寺で題目踊りが始まるのを待ちながら「大文字」が下火になっていく様を静かに眺める、という三つの送り火を拝む事ができますね。

独特の節回しの題目を唱える男女、兵児帯を揺らす子供たちやGパン姿の青年たちが一つの輪となって、約1時間にわたり踊り続けます。
揃いの浴衣の背に染められた「妙法」の山には、700年もの間踊りを受け継いでいた誇りと、同じ地域に暮らす人々が集う喜びが現れているかのようでした。 動画はこちら

京の七夕2011

8月9

tanabata昨年より京の風物詩として新たに加わった「京の七夕」。
初日の鴨川会場は「鴨川納涼」と重なった事もあり、鴨川と禊川との間に人、人、人の川も流れていました。
昼間の汗を洗い流した身体にさっと浴衣を着たら、川床で暮れゆく景色を楽しみ、食後は酔い覚ましに川辺に降りて、笹に飾られた子供たちの願い事を見ながらそぞろ歩き、なんて夏の夜はいかがでしょうか。
15日までのロングランイベントなので、浴衣デートのチャンスはまだまだあります。
また、鴨川・堀川会場に限らず、京都府内各地で協賛イベントが開催されていますので、夏の思い出作りにおでかけ下さい。  動画はこちら

動画で観る京の歳時記

7月26

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神輿が御旅所から八坂神社へと戻り、1ヶ月に渡る祇園祭も28日の神興洗式など締めくくりの神事を残すのみとなりました。

「神興洗」を主催する「宮本組」は八坂神社の氏子組織「清々講社」の一つで、神輿渡御の際には宮本組神宝奉持列として神社の神宝を奉じて練り歩いています。
この神輿洗や山鉾巡行など個人的に撮り溜めておいた動画が勿体ないので、アップしてみました。素人撮影ではありますが、今後も少しずつ京都のリアルな歳時記動画をご紹介していきますので、お楽しみに!

祇園祭と五山の送り火の間には、昨年より始まった「京の七夕」が開催されます。

それぞれの復興を願う祇園祭

7月19

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祇園祭の山鉾巡行で清められた街を神輿が巡り、24日の環幸祭まで四条寺町の御旅所に鎮座されています。
今年は休み山の大船鉾が祇園祭山鉾連合会の正式会員となり、後祭巡行を復活させる為の検討部会も新たに発足されるなど、祭においても「復興」の気運が高まりました。

宵山の日に、居祭をしている布袋山を通りがかりました。
布袋山保存会の川島義明会長曰く、布袋山に関連する古い判子が見つかったのだそうです。
今年はその意匠を厄除けの御守りとして、粽と並べて販売されていました。
山を建てる宮大工さんも居られ、復興に向けて少しずつ確実に歩まれている事を嬉しく思いました。

31日の15時からは、八坂神社にて平成女鉾清音会によるお囃子の奉納があります。

御霊会としての祇園祭

7月12

taihei祇園祭お稚児さんは、13日の社参の儀を境に神の使いとなり、山鉾巡行のお務めを果たすまで潔斎して神事に臨みます。
神輿を担ぐ人々も、予め入浴するなど銘々に身を清めます。

稚児が舞う「太平の舞」は、山鉾が通る道を清め祓い、天下太平と五穀豊穣を願うもの。
耳にも涼しい「コンチキチン」の祇園囃子、茅の輪が起源とされる粽、そして祭りが起こった当時の国の数に合わせて立てられたという鉾(矛)。
祇園祭に関わるあらゆるものが厄除けに繋がっています。

今年は長刀鉾の頂上に飾られる長刀が新たにプラチナの箔を施して新調されました。
たくさんの人々の思いを結集して、この世の厄を祓いたいですね。

鞍馬寺・竹伐り会式

6月21

take鞍馬寺・竹伐り会式に行ってきました。

開始直前に現地入りしたため舞台に近づけず、撮影は困難を極めましたが、青竹が大きなかけ声と共に次々と切られていく様は爽快。本当に厄が祓われていくようです。

終了後はパワースポットとしての人気のためか、多くの人が貴船へと続く山道へ消えていきました。
なお、鞍馬寺の本堂金堂から霊宝館までは登りの階段を含めて約100メートル、霊宝館から奥の院までの道のりはおよそ登りで15分下り15分、更に貴船まで抜けるなら1時間、そこから叡電「貴船口」駅まで徒歩20分とのこと。

鞍馬温泉に浸かり、鞍馬寺をお参りした後で明るいうちに(木陰のため16時以降は暗くなります)貴船まで歩き、川床でせせらぎを聴きながらお食事、蛍鑑賞でシメ!なんて健脚コースはいかがでしょうか。

舞妓さんとお座敷遊び

6月6
「金比羅船々」
「金比羅船々」

舞妓さんとお座敷遊びの体験が5,000円でできるプランを見つけたので、参加してみました。

お食事が進んだところで、宮川町のふく鈴さんと地方さんが登場。
卓上に置いた徳利の袴を巧みに取りあう駆け引きが面白い「金比羅船々(こんぴらふねふね)」。だんだん早くなる三味線の調子にこちらは慌てるものの、ふく鈴さんは「追風に帆かけてシュラシュシュシュ~♪」と謡いながら涼しい顔。
一方、屏風を隔てて全身でじゃんけんをする「トラトラ」では立場が逆転。観客の方が強みを見せて舞妓さんを打ち負かせていました。

舞妓さんを初めて間近で観るという友人は、「隣に座って話しかけられるとなんだかドキドキする」と緊張していましたが、軽妙なトークでリードする地方さんと老若男女を問わずに盛り上がれるお座敷遊びのお陰で、「お茶屋でお座敷遊びがしたくなる気持ちが分かった」とすっかり興奮気味でした。

山蔭祭・生間流式包丁

5月9

siki

吉田神社の境内、料理飲食の神を祀る山蔭神社で生間流式包丁が奉納されました。

料理店や業界関係者が静かに見守る中、美しく研ぎ磨かれた庖丁刀と箸が辺りを清めるかのように厳かに宙を舞い、それから一切手を触れる事無く鯉や鯛をさばきます。
頭部と大きな背骨だけがするりと身から引き抜かれ、まな板の上で横たわっていたところを、最後の包丁ひとふりで立ち上がらせる技はお見事。
世界に誇る京都の食文化が、自然の恵みと職人達の熟練技によって支えられている事を改めて実感させるものでした。

今後の式庖丁の奉納予定は、「有職料理・萬亀楼」のH.Pに掲載されており、当店では予約制で食事の前に式庖丁を見学(有料)する事ができます。

東福寺塔頭・勝林寺

4月4
普段は写経もできます

普段は写経もできます

東福寺の鬼門に建ち一山を守る塔頭・勝林寺。普段は一般非公開ですが、今だけ本尊のご開帳や座禅など特別な体験ができます。

秘仏の毘沙門天立像・吉祥天像・善膩師童子像はそれぞれ夫婦・親子の仏像で、これらが安置されている奥の間と本殿とを結ぶ板の間は、天に通じる空間として床に傾斜が付けられており、この様な珍しい設計は他において観た事がありません。
毘沙門天の使いであるムカデの装飾や、大襖絵に描かれた虎も、手触りが伝わってきそうな程にリアル。東京から訪れ、本格的な精進料理を体験されたという方は「美味しかった~」と、満足げでした。

静かな境内の片隅にある桜の木はまだ蕾でしたが、散った後に地面が桜の花びらで覆われ様が美しいそうです。

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