e-kyoto「一言コラム」

ガイドブックには載っていない、スキマ情報をご紹介していきます。

市比売神社・ひいな祭

3月6

hina京都各地で行われた雛祭りの中でも、市比売神社のひいな祭は特にユニーク。
人間が扮するリアル雛飾り(「ひと雛」)に先立ち、男雛の束帯や女雛の十二単の衣紋(着付け)実演がありました。
無駄の無い所作でつつがなく着付けが進むなか、
「お内裏様が持っている細長い板「笏(しゃく)」は、もともとは裏側に公務で話す事を書いたカンニングペーパー(笏紙)を貼るためのものだった」
「女性が袿(うちぎ)を重ねるようになったのは暖を取るためだったが、重ねた衿の美しさを競うようになり、多い時で25枚にもなって「歩く火鉢」に例えられた事も」
と、雅な宮中の人間臭いエピソードも聞く事ができ、これから雛飾りを見かける度に細部まで見入ってしまいそうです。
今年は週末と重なったためか多くの人が会場に溢れ、女性だけでなく男性参加者も多く、投扇興などの古の遊びに盛り上がっていました。 →動画はこちら

下鴨神社の節分祭

2月7

setubun

立春を過ぎ、暦の上では春。年が改まって新春です。
お正月に誓いを立てた一年の計が三日坊主に終わってしまった人も、再チャレンジのチャンス!?
元旦ではなく、この立春頃に年賀状を届ける人もいます。それは年賀状が年始の挨拶回りに替わるものとして、かつては元旦に書いて投函されていたためかもしれません。

今年は下鴨神社の節分祭に出かけてみました。
古神札が焼納されている傍らで甘酒(ノンアルコールです)を飲み、紀州より奉納された梅の小枝(数量限定)を頂く事ができました。
追儺弓で四方が清められる間大人しく見学していた人々も、豆撒きになると大騒ぎ!
なんとか福豆を授かろうと両手を広げたり、帽子や紙袋を広げたり、地面に落ちた福豆をまるで運動会の玉入れの様に我先にと拾ったりと、沸く人ごみにもみくちゃになりますが、みんな笑顔で寒さを忘れてしまっています。
中国人観光客と見られる人達も、中国の「春節」とはまた違った日本の節分を楽しんでいるようでした。 動画はこちら

にわかクリスチャン

12月19

xmas幼稚園は仏教系、学生時代にはキリスト教系の学校に通っていました。
そのため、街中に讃美歌やパイプオルガン、ハンドベルの音色が流れるこの時期になるとうずうずしてしまい、先日久々に参加した母校のクリスマス特別礼拝で、キャロルを気持ちよく歌ってきました。
そこで、パンフレットに挟んであったのがクリスマス献金の送付先一覧。
震災で被災した人、発展途上国の貧しいシングルマザー、紛争で負った傷や病気を治すため家族と離れて暮らす子供たち、原爆に遭遇した外国人など、世界中には色んな形の支援を必要としている人々が沢山いて、その活動をサポートしている様々な団体がある事を改めて知り、はっとさせられました。
今年のクリスマスは3連休と重なり、普段は忙しくてそれどころでは無い人もイベントを楽しめる余裕が少しばかりできるのではないでしょうか。
にわかクリスチャンでもいい。私たちがイルミネーションやミサに出かけ、その傍らで募金箱やチャリティーグッズの販売に一瞬でも心を寄せる事ができれば、それが世界中の笑顔を増やす魔法に変わるような気がします。

2011年12月19日 | イベント | No Comments »

明治の煙草王と延暦寺大書院

11月15
大書院の観月台を望む

大書院の観月台を望む

明治の煙草王・村井吉兵衛によって建てられた長楽館は、付随の家具と共に京都市指定有形文化財の指定を受け、それらを当時のまま「動態保存」という形で今でも使用されています。
その通常非公開の「御成の間」等を会場として『京都が生んだ明治のヒーロー「村井吉兵衛展」』が開かれています。
展示物は当時のレトロモダンな広告や商品パッケージが中心で短時間でも回遊できるので、館内の茶室で上映されているDVD(2本立て、各約16分間)と併せて観覧すれば、より当時の情勢への理解が深まり、楽しめると思います。

華族出の女官を妻に迎えるにあたって、東京赤坂の地に御所風に造らせた豪邸「山王御殿」は、後に保存のため比叡山延暦寺に移築され、当寺の「大書院」となりました。
屋久杉から切り出した板戸や、煙草の葉を一面にあしらった襖に観月台など、西洋風の長楽館はとはまた違った贅を尽くしたもう一つの迎賓館。
19日には通常非公開の延暦寺大書院を見学するツアーが企画されています。

国民文化祭・京都2011「植物園大茶湯」

11月7

chakai

京都府内のあちこちでが開催された「国民文化祭・京都2011」。どこに行こうか迷うほど濃厚な9日間はあっという間に過ぎていきましたが、皆さんは楽しまれましたでしょうか?

主要事業のうちの一つ「植物園大茶湯」は、豊臣秀吉が開いた「北野大茶湯」のように、誰もが自由に抹茶や煎茶、紅茶やハーブティーを楽しめる大茶会でした。
比叡山を借景にした海外留学生と京の女学生による正統派のお茶席では、茶の湯に向き合う真摯な姿勢に、こちらの背筋が伸びる思い。
カナダ人茶道家・ランディー・チャネルさんのお茶席も人気で、ホワイトチョコにきなこやメープルシロップを練り込んで茶巾絞りにした創作和菓子は、嬉しい驚きでした。
泉涌寺悲田院を拠点とする煎茶道東仙流による煎茶席では、湯呑みに茶葉が入った茶を、蓋をずらして頂く「啜り茶」というものを初めて体験しました。
一席300円とリーズナブルながら、それぞれに工夫を凝らしてあり、来場者も笑顔で広い芝生やバラ園、コスモスの中を巡っていました。

国民文化祭は閉幕しましたが、文化の町・京都ではまだまだ色んな催しが毎日どこかで行われています。

宇治茶まつり

10月3

uji宇治茶まつり」が行われた宇治で、茶席や点心、抹茶ソフトクリーム等を楽しんで来ました。
興聖寺での口切り・献茶の儀では、慎重な所作で茶壺から取り出された茶葉が、ゆっくりと時間をかけ丁寧に石臼で挽かれ、豊かに流れる宇治川の水で点てたお茶と共に栄西・明恵千利休を祭る祭壇に供えられました。

もともと「薬」として日本にもたらされたお茶。飲むことで天と地の恵みを身体に取り込むだけでなく、それを取り巻く工芸品や、周りの人々や自然とのコミュニケーションをも発展させてきた「喫茶」は、万国に通じる普遍的な文化です。
禅の思想と融合して自己を見つめる「茶道」は、もはや他国に逆輸入されていると言っても過言ではありません。

興聖寺の茶席に掛けてあった言葉は「旦座喫茶(しゃざきっさ)」。
「ちょっと座って、お茶でも飲みましょう。」一杯のお茶でも、奥深いですね。

親鸞聖人750回大遠忌

9月20

goen 親鸞聖人750回大遠忌を迎え、本願寺と門前町がひときわ賑わっています。
西本願寺で国宝の唐門や書院飛雲閣を拝観した後、記念行事「ご縁まちフェスタ」の関連スポットを歩いて巡りました。

今年開館したばかりの近代的な仏教総合博物館「龍谷ミュージアム」では、インドでの釈尊の誕生からその生涯と、アジア、日本へと展開していく仏教の歴史を分かりやすく紹介しています。
「ご縁まちマルシェ」では、タオルをゾウ形にした壁掛けタオル“まけないぞう”を東日本大震災の被災地支援として購入しました。
「伝導院」では漫画「北斗の拳」の作者・原哲夫さんが「象山」の雅号で阿弥陀如来像を描いたタペストリー等を展示。西本願寺の門前にこんな洋館が建っていた事に驚いた人も多いことでしょう。

次回の西本願寺国宝・飛雲閣の特別拝観は11月8日(火)午後から17日(木)の12時まで行われます。

「cafe530」とファイヤーキング

9月12

ファイヤーキングのソーダマグ京都府立植物園や資料館、コンサートホールに美味しいパン屋やブティックが並ぶ北山は、京都の北の文化ゾーン。毎月第2土曜日には「北山クラフトガーデン」が、10月29日(土)には「北山ハロウィン」が開催されます。

北山駅からそう遠からず、でもちょっと奥まった空間に新しいカフェがオープンしていました。
cafe530」(075-702-0053)では、現在製造されていないためコレクターに人気の「Fire-King(ファイヤーキング)」のマグでドリンクを楽しめます。
やわらかな、ぬくもりのある発色で、思わず両手で包みたくなるミルクガラス。
思えば、食を取り巻くモノや時間を大切にしている場所にはいつもFire-Kingがありました。

ランチ・ディナーメニューもあり、23時までオーダーできるので一休みにどうぞ。

2011年9月12日 | お店, イベント | No Comments »

松ヶ崎題目踊り

8月18

yusen 五山の送り火の一つ、「妙法」の間にある涌泉寺にて日本最古とされる題目踊りとさし踊(京都市登録無形民俗文化財)が営まれました。
現地に着いて驚いたのは、涌泉寺境内から「大文字」が綺麗に見え、しかも周りには殆ど人が居ないということ。これならば、「妙」の送り火の点火を見届けたら「法」の見えるところまで移動し、そのまま涌泉寺で題目踊りが始まるのを待ちながら「大文字」が下火になっていく様を静かに眺める、という三つの送り火を拝む事ができますね。

独特の節回しの題目を唱える男女、兵児帯を揺らす子供たちやGパン姿の青年たちが一つの輪となって、約1時間にわたり踊り続けます。
揃いの浴衣の背に染められた「妙法」の山には、700年もの間踊りを受け継いでいた誇りと、同じ地域に暮らす人々が集う喜びが現れているかのようでした。 動画はこちら

京の七夕2011

8月9

tanabata昨年より京の風物詩として新たに加わった「京の七夕」。
初日の鴨川会場は「鴨川納涼」と重なった事もあり、鴨川と禊川との間に人、人、人の川も流れていました。
昼間の汗を洗い流した身体にさっと浴衣を着たら、川床で暮れゆく景色を楽しみ、食後は酔い覚ましに川辺に降りて、笹に飾られた子供たちの願い事を見ながらそぞろ歩き、なんて夏の夜はいかがでしょうか。
15日までのロングランイベントなので、浴衣デートのチャンスはまだまだあります。
また、鴨川・堀川会場に限らず、京都府内各地で協賛イベントが開催されていますので、夏の思い出作りにおでかけ下さい。  動画はこちら

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