e-kyoto「一言コラム」

ガイドブックには載っていない、スキマ情報をご紹介していきます。

夜の比叡山

9月4

yakei暑い、暑いと言っている間に、気づけば秋に突入していました。
先月末は、夏の思い出を味わおうと京都定期観光バスに乗り、街中よりマイナス5℃の比叡山へ。
奇しくも新車というまっさらなバスの中で、ガイドさんの流暢な案内に耳を傾けていると、こちらも観光客気分。見慣れた景色も新鮮に思えてワクワクしてきます。
時折広がる琵琶湖のパノラマに歓声を挙げながら京都と滋賀の県境を行き来するドライブウェイをくねくねと登り、夕暮れ時の「ロテル・ド・比叡」のカフェでディナー、その後は「ガーデンミュージアム比叡」のライトアップ「ジャルダン・デ・ルミエール – 光の庭園」へ。
山頂から近畿各方面を見渡せる夜景は見事なもので、かつてこの地が遊園地だった頃からこの展望台がずっと残されて続けている理由がよく分かりました。
帰りの道中も運良く、琵琶湖畔から打ち上げられる花火を観る事ができ大満足。
楽ちんで遠出も気軽に楽しめるバスツアー。何よりドライバー役に気を遣う事なくお酒を飲めるのが良かったりして…。
この夏のコースは終了しましたが、秋の比叡山の紅葉も美しいそうです。

“和楽団 ジャパン・マーベラス”

8月27
音魂2012
音魂2012

空気を震わせ、身体に打ち付け、そして心を揺さぶる和太鼓のグループが9月に京都にやってきます。
福岡県飯塚市で、戦前の炭鉱労働者の慰霊の為に演奏された川筋太鼓を前身とする“和楽団 ジャパン・マーベラス”。
和太鼓を中心に篠笛・三味線・琴・尺八など本来のスタイルを活かしながら、これまでに無いパフォーマンスで竹響き(竹太鼓)も合奏します。
これまでの公演で世界17国、国内30都道府県を飛び回るなか、ブラジルの青年がメンバーに加わり、新たな展開の予感です。

全身全霊のパフォーマンスが国境を越え、世界中の人たちに「マーベラス(素晴らしい)!」と言わしめるのは、太鼓が最も原始的な楽器であり私たち人類が根底で繋がっている事を、その軽快なリズムが教えてくれるから。
熱く力強い響きは五感を呼び醒まし、文字通り私たちの心を鼓舞します。

伏見稲荷大社・本宮祭

7月23

moto 伏見稲荷大社の本宮祭(宵宮祭)に行って来ました。
日が落ちると暗くなってしまう千本鳥居ですが、この日ばかりは連なる提灯と灯籠の火や手提げ提灯を頼りに、神職さんと夜の稲荷山の三峰を果敢に目指す人がたくさんいました。
おびただしい数の赤い提灯、ちょっと照れながら盆踊りに飛び入り参加するおばさん、お小遣いを手に夜店に並ぶ浴衣姿の子供たち。
浴衣にパナマ帽で犬と散歩する粋な男性や、可愛らしい甚平を着た孫の手を引くおじいさん。
祇園祭とはまた違って、どこか懐かしい夏祭りの風情があります。
こうしたお祭を機に地元の神社へと自然と足を運び、手を合わせる習慣が子供のうちから培われていくんですね。
昼間は槍のように振っていた夕立の跡も、お日さまの力ですっかり乾き、境内に涼しい風を吹かせてくれていました。

夏越祓

7月3

tinowa清く正しく生きているつもりでも、それは人間の価値観が基準になっているもので、様々な立場にいる私達は知らず知らずのうちに罪や穢れを積み重ねているかもしれません。
一年間の折り返し地点を迎えた6月30日の朝は、お抹茶と共に水無月を食べて悪魔払い・暑気払いのおまじない。
その後、伏見稲荷大社のお山へ月参りを済ませて、夏越の大祓式が行われる本殿へ戻ると、向かいの楼門を突き抜ける程の長蛇の列!
正式な作法に則って八の字に潜るのは諦めてしまいましたが、これで下半期へのスタートを切る事ができました。
なお、稲荷山山内の幾つかの神社でも茅の輪は設けられるので、行列に並ぶのはイヤというせっかちな人は、来年そちらへお参りしてみては…!?

2012年7月03日 | イベント, 神社 | No Comments »

南座「玉三郎”美”の世界展」

5月28

minami坂東玉三郎さんが主演の舞台『ふるあめりかに袖はぬらさじ』(~5/27)を観て来ました。
ポスターやあらすじを見て勝手に悲劇だと思い込んでいたのですが、終始くすくす笑いが沸き起こり、最後は一抹の寂しさがほろ苦い風刺劇でした。
玉三郎さんの生舞台を観るのは初めてだったので、これまで抱いていたクールな印象からは予想していなかったひょうきんな声色とコミカルな演技が新鮮。
講談の様な小気味好い口調と動作が絶妙なタイミングで繰り出される様は、まるで緩急のある川の流れのようで、きっと稽古を重ねる度に綿密に計算し尽くされてきたのでしょう。
南座では現在「玉三郎”美”の世界展」が開催中で、誰でも気軽に南座に入って見学する事ができます。豪華な衣装や素材にこだわった小道具、蒔絵を施した鏡台のある楽屋の再現を通して、日頃から美しいもの、手間をかけて作られたものに触れる事で自身の意識を高め、それを舞台で昇華する事で、劇場まで足を運んだ観客へと還元していこうという心意気が伝わってきます。
次回の坂東玉三郎特別公演は、『壇浦兜軍記 阿古屋』『傾城』の傾城二題が上演されます。

葵祭:御蔭祭保存会

5月14

mikage2012年度の葵祭は、12日に行われた御蔭祭もクローズアップされました。
今年の春に保存会が設立され、行程約20キロを練る行列の一部で自動車を利用していたのを、今の倍の人数で全行程を徒歩で巡行していたという古来の姿に戻すべく、調査が進められているのだとか。

御蔭祭は主に下鴨神社の摂社・御蔭神社から荒御霊(あらみたま)を迎える神事と、それを神霊櫃や神馬に遷して下鴨神社へと巡行、赤の宮での舞楽や糺の森での歌舞「東游」から成ります。
御蔭山で新たに生まれた荒々しい神霊「荒御霊」は、下鴨神社本殿の「和御霊(にぎみたま)」と合体して、更に神威を増すといいます。
これが国の重要無形民俗文化財の指定を受けたら、葵祭行列に匹敵する盛り上がりを見せたりして!?

2千年以上の歴史があると伝わる祭の、古いようで新しい話題です。

2012年5月14日 | イベント, 神社 | No Comments »

伏見稲荷大社・稲荷祭

4月23

inari伏見稲荷大社の「稲荷祭(神幸祭)」で稲荷大神の神輿が御旅所へと出発するのを見送った後、稲荷山に登ってきました。
奥の院の更なる先には、衣食住を司る「三徳社」や薬に関する「薬力社」、現在でも滝行をする人がいるという滝場等様々な人々の信仰を集めた神蹟がたくさんあります。
「パワースポット」とはご利益の事だけではなく、それを求める人々の願いのパワーが集まる場所でもあるのでしょう。
全国に3万社もあると言われる「お稲荷さん」の総本宮とあっ、日本人だけでなく多くの外国人ともよくすれ違いました。
千本鳥居と新緑の梢が小雨を受けとめてくれたお陰で、殆ど傘を差す事無く、時折茶店で休憩を挟みながら約2時間で「お山めぐり」を終えました。
稲荷大神が移された神輿が5月3日の還幸祭まで納められている西九条の御旅所は、JR京都駅から東南へ歩いて10分程のところにあります。
今年のゴールデン・ウィークは家内安全や健康を願って、ちょっとお参りしていきませんか?

京都府立植物園の夜桜

4月16

shokubutuソメイヨシノの開花もピークに達し、しだれ桜がほぼ満開を迎えようとしています。
京都府立植物園のしだれ桜も8~9分咲きで、「桜ライトアップ2012」は17日まで期間が延長される事になりました。→→動画はこちら

当植物園は、国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」にて無重力状態で保管されていた円山祇園枝垂など全国の名桜14種類の種を「宇宙桜」として育てています。
桜林の歩道沿いにある細い若木の「高桑星桜」も「宇宙桜」に含まれるものと同じ品種で、岐阜市の「高桑桜保存会」から2月に贈られたばかり。
夜間は確認しにくいかもしれませんが、花弁が白い星のように見える品種で、関西で見られるのは同園だけ。今月の20日過ぎまで順次咲くそうです。

お昼間の植物園も、近くの半木の道の紅しだれ桜と合わせてお楽しみ下さい。

映画村さくらまつり

4月9

eiga京都の桜は寺社だけにあらず。東映太秦映画村のあちこちで染井吉野やしだれ桜の大木、里見浩太朗さん植樹の八重桜などが青空の下で満開になっていました。
昨秋からアニメミュージアムや忍者屋敷の新設、お化け屋敷の改装などが進められてきた映画村は敷地が約3割拡張され、JR太秦駅からのアクセスも徒歩5分以内と大幅に短縮されました。
昼食には、日本で初めてラーメンを食べたという水戸黄門さんの「水戸藩ラーメン」。
明の儒学者から伝えられたレシピを再現し、五辛を添えた当時の薬膳風になっています。
箸袋は日本刀、貯金箱としても使える御用提灯ビールジョッキ、思わず「控え居ろう!!」と突き出したくなるような印籠型の最中アイスなど、遊び心満載のグルメグッズは時代劇に馴染みの無かった人でも気分が上がります。
東映の役者さんに案内してもらったり、チャンバラや花魁道中を観たり、忍者修業をしたりと盛りだくさんなので、映画村を十分に楽しむなら午前中から入村しましょう。
なお、2012年秋にも新施設がオープン予定だそうです。

京都マラソン

3月12

run3月11日に開催された「京都マラソン」は好天に恵まれ、ペア駅伝や車椅子ランナーも含め14,093名が出走、7つの世界文化遺産や送り火の五山を望む都大路を駆けていきました。
交通規制中の自宅周辺は車の姿もまばらで静まりかえっていたのに反して、コース沿いは応援する人(犬も)や、ランナーを鼓舞するよさこいダンサー達のかけ声が響き渡っていました。
サングラスを光らせストイックに走る人もいれば、カメラに向かって両手を広げたり、アヒル顔の帽子を被ったり、携帯電話で話し込んでいる人もいて、これはマラソンというよりジョギングでは!?
それにしても走者の多いこと!スタート時でも西京極総合運動公園には入りきれなかった程の人数のカラフルなウエアが行き交い、坂道が賑やかに彩られます。
塞ぎ込んで滞りができると心身が壊れてしまうように、国が元気になるためには、人の流れも、もちろんお金の流れも必要です。
もし完走できなくても無理しない。それぞれにランを楽しんでいる人々を見習って、私達も小さな目標を重ねながら元気に歩いていきましょう。それぞれの歩幅で。

2012年3月12日 | イベント | No Comments »
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