e-kyoto「一言コラム」

ガイドブックには載っていない、スキマ情報をご紹介していきます。

南座「玉三郎”美”の世界展」

5月28

minami坂東玉三郎さんが主演の舞台『ふるあめりかに袖はぬらさじ』(~5/27)を観て来ました。
ポスターやあらすじを見て勝手に悲劇だと思い込んでいたのですが、終始くすくす笑いが沸き起こり、最後は一抹の寂しさがほろ苦い風刺劇でした。
玉三郎さんの生舞台を観るのは初めてだったので、これまで抱いていたクールな印象からは予想していなかったひょうきんな声色とコミカルな演技が新鮮。
講談の様な小気味好い口調と動作が絶妙なタイミングで繰り出される様は、まるで緩急のある川の流れのようで、きっと稽古を重ねる度に綿密に計算し尽くされてきたのでしょう。
南座では現在「玉三郎”美”の世界展」が開催中で、誰でも気軽に南座に入って見学する事ができます。豪華な衣装や素材にこだわった小道具、蒔絵を施した鏡台のある楽屋の再現を通して、日頃から美しいもの、手間をかけて作られたものに触れる事で自身の意識を高め、それを舞台で昇華する事で、劇場まで足を運んだ観客へと還元していこうという心意気が伝わってきます。
次回の坂東玉三郎特別公演は、『壇浦兜軍記 阿古屋』『傾城』の傾城二題が上演されます。

2012年5月28日 | イベント, 芸能・アート

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