e-kyoto「一言コラム」

ガイドブックには載っていない、スキマ情報をご紹介していきます。

ラグジュアリーホテルで女子会

4月18

aman 「たまにはヒール靴履いて、ラグジュアリーホテルで女子会してみたいよね」
の一言から始まった数か月前。
会場に選んだのは、鷹峯の「アマン京都」のランチでした。

大人気のアフタヌーンティーよりもランチの方が予約が取りやすいかもしれません。

タクシーで鷹峯の森の中に降り立ち、石畳を進んで「ザ・リビング パビリオン by アマン」の中へ。
小鳥の囀りが聞こえるテラスでしばし再会を喜んだあと、室内へ通されました。

暖炉を中心に配置されたテーブル席。天井まで伸びる窓の外には、新緑の苔やもみじ、奥には北山杉が真っ直ぐに並んでいます。
京都近郊の厳選素材の風味をいかし、和食の持つ繊細な季節感と西洋のテイストを軽やかに交えた、ボーダーレスな品々は、一皿ずつ小さな驚きを与えてくれます。
敷板や器も、ここに来るまでに触れた木々や土などの豊かな土壌と繋がっているような連帯感を覚えます。

広大な敷地内の散策は宿泊者限定ですが、通常のホテルのフロントにあたる建物が無いので、身体まるごと自然の中に溶け込んで気持ちいい。
ここに宿泊するような本物のセレブは、気合を入れてめかし込んだ我々とは違い、普段着でリラックスしているものなのだと改めて実感してしまうのでした。

後日女子会の話をしたところ、母が友人と行ってみたいとのことで、代わりに予約をしました。
ちょうど母の日が近い日程なので、こっそりホテルのスタッフの方に相談して、オプションサービスをプレゼントすることに。
他にも、ミニケーキや花束などのほか、テイクアウトメニューをお土産として事前に別会計でサプライズを仕込んでおくこともできるようです。
さて来月、母の反応はいかに!?

2023年4月18日 | お店, グルメ | No Comments »

本当の贅沢とは

4月3

han
白木が新しい高瀬船が停泊する史跡・一之舟入の高瀬川畔に、を眺めながらお食事できる素敵なテラス席を教えて頂きました。
飲食店を営む町家の2階「帆-HAN-」です。

カフェタイムのメニューはロゼシャンパンと濃厚な自家製プリンのみ。
春風を感じながら、外の川辺に見えるのは、記念撮影を楽しむ振袖姿の女の子たち。
舞い散る桜の花びらのなかでの嬉しそうな笑顔はこちらにも眩しいものでした。

絶好の満開のタイミング。
日本人の思う「贅沢」とは、お金をかけてめいっぱい飾り立てる事ではなくて、

「移ろう自然が美しく輝く今この瞬間を味わう」
「何もしない余白」
にある気がします。

昼会席(3日前までに要予約。8000円)とカフェタイム(14~17時)に利用できるのはオープニング期間の4月27日まで。
テラスの側にはワインと国産ウイスキーを扱うバーカウンターもあり、
これからの新緑の季節や夏の夜には、夜風にあたりながら飲むのも気持ち良さそうです。
オープンな川床とも違う隠れ家のような風情は、誰か大切な人を連れて行きたくなるかも。

2023年4月03日 | お店, グルメ, 町家 | No Comments »

背割堤と新たな計画

3月29

sewari 京都と大阪の間、石清水八幡宮のある男山と天王山に挟まれ、木津川と宇治川と桂川が出逢う背割堤は、すっかり桜の名所となりました。
展望台ができる前と比べて観光地化が進んだ印象ですが、それだけ老若男女が共に楽しめるということです。

「背割堤さくらまつり」の期間中、桜のトンネルから途中階段で南岸へと降りると、そこは屋台が建ち並ぶグルメストリート。
レジャーシートやテントさえ持参すれば気軽にお花見ができます。
本格的なキッチンカーも多数なので、味のレベルも期待できますよ!
「お花見船Eボ-ト」も運行しています。
反対の北岸へ降りると、ひらひらと桜の花びらが舞う静かな小径。まつりの熱気と日差しで火照った身体を、木陰でクールダウンできます。

ところで、2025年の大阪・関西万博を見据えて、淀川舟運を活性化しようと、水深が浅い大阪府枚方市からこの背割堤付近まで川底を掘削して航路を確保する構想が上がっているそうです。更に上流の伏見港まで中型船を運航させることも視野に入れた、京都市、宇治市、八幡市、枚方市の4市と国土交通省がタッグを組む「かわまちづくり計画」です。

かつては坂本龍馬や伊藤若冲も船便で京都~大阪間を移動していました。
三川が合流する背割堤は治水のために生まれたものですが、今後この計画への安全と環境への配慮がクリアされたとしたら、わくわくしてきますね!

花より団子か、団子より花か。

3月22

iori 例年よりも1週間以上も開花が早く、慌ててお花見の計画を立てた人も多いのではないでしょうか。

梅・桃・桜が一度に楽しめる京都御苑を去年の今頃に訪れた時にはまだ工事中だった「SASAYAIORI+」を目指して自転車を走らせました。
壁一面の窓から桜の木々が眺められる休憩所だからです。

カウンターで注文をする前に席を確保する必要があります。
ぜひとも窓側の席を…と、見回していると、ちょうど席を立つ方の後ろで待機して、無事窓際に着席できました。
画像は17日(金)時点での桜の様子なので、今週は更にゴージャスな景色が望めることでしょう。

どら焼きにも惹かれたけど、ここは素朴なみたらし団子とほうじ茶で。
食べるのに忙しくならないシンプルなメニューの方が、花を愛でる時間には向いているような。

桜の名所や美しい場所は全国どこにでも、家の近所でもあるものですが、この近衛邸宅跡の桜のように、雅やかな風情は京都ならではのような気がします。

お気に入りの珈琲を探して

3月14

coffee 京都の町に続々と、珈琲店が生えるように増えていますね。
どこで飲もうか面食らう程ですが、今回は「生きている珈琲」というかわった名前の喫茶室へと、地下への階段を降りてみました。

まるで昔からここにあったような純喫茶の様な内装ですが、スタッフは若く、Wi-Fiもあり、完全分煙と、ちゃんとイマドキです。

さて「生きている珈琲」とは。
豆の細胞を壊さず、焦がさないという熱風低温焙煎の珈琲は、胃に優しく豆本来のクリアな味がするそうで、冷めても飲みやすいとのこと。

メニューのチャートに「コク」「さっぱり」「酸味」「苦み」といった特徴が豆ごとに分類表示してあるので、素人にとっては分かりやすくありがたい。
コクと甘みのコロンビアを選んでみましたが、お店の指南によると、酸味もコクも楽しめるバランス系。
日本女優に例えるなら宮沢りえ、だそうです。

一杯25gの粗挽き豆から抽出された珈琲を、まずはブラックで。
家だと甘さを入れたカフェオレばかり飲んでいるので、「ブラックでも苦味を気にせず飲める」のが自分にとっての美味しさの基準にしています。
これはちゃんとブラックで楽しめました。クリアな味をしばらく楽しんだ後は、添えられたフレッシュを足して、最後は砂糖も少し加えて味変を楽しみました。

ちょうど家の豆を切らしていたので、オーダーした珈琲を飲みながら
「家族が朝一番に飲むから、どんな味がいいだろう?」
「カフェオレにするなら、苦みもある方がいいかな?」
と購入する豆を何にするかじっくり思案。

少量の小袋で家族の反応を見てみることにしました。
ちなみに、熱風低温焙煎の珈琲は賞味期限も約2倍だそうですよ。

2023年3月14日 | お店, グルメ, 未分類 | No Comments »

京都らしいと感じる店・亀廣保

3月1

higashi
子供達とおひなさまの飾り付け。
「長い事しまわれて、喉乾いてはるやろ?」と、私の母がそうしてきたように、まずはお水をお供えしました。

先日、外国人のお客様をおもてなしするのに、季節の干菓子を求めて亀廣保の暖簾をくぐりました。
干菓子だと、日本の豊かな四季を映した造形を目で観て食べて楽しんでもらえるし、アレルギーや宗教上の食事制限などの心配も少なくて済みます。
先方が既に満腹のときや甘いものを控えているような場合は、懐紙に包んで持ち帰ることもできますね。

烏丸御池駅から近く、室町通りを上がったところにある亀廣保。
小上がりに小さなショーケースがあるだけ。
大正4年にかの亀末廣から暖簾分けし、NHK『美の壺』にもその洗練された熟練の技が紹介されるほどの腕利きなのに、「老舗です」という演出もせず本当に昔ながらの京都らしさを感じるお店です。
もちろん我が家の地元にも干菓子を扱うお店はあるのですがどれも意匠が可愛らしすぎるので、もう少し茶席にも出せるような風情を求める自分の好みにしっくりくるのです。

小箱に詰められた色とりどりの春の花や貝尽くしのモチーフの宝石たちが目に留まり、今年のおひなさんのお供え菓子に決めました。
桃の節句のお菓子といえば「ひちぎり」が定番ですが、艶やかな有平糖や州浜の歯応え、手触りも小さな手で感じて欲しい。
子供達の目が輝く様が目に浮かびます。

楽しく美味しく身体を整える

2月15


hacco
珍しく熱を出したので節分の取材ができずじまい。風邪のこじらせでしたが、暫くは家で努めてゆっくりと過ごしていました。

久々の京都町歩きは、身体に優しいランチでも、と錦市場近くの「haccomachi」へ。
発酵ごぜん」は、プロデュース元の「一の傳」の西京漬けの鰆を中心に、べったら漬けのすり流しスープ、バルサミコ酢に漬けた煮卵、優しい味のタンドリーチキン、鮭の西京焼のクリームチーズ和え等の様々な発酵食おかずが少しずつぐるりと囲んでいます。
これらには京都で300年以上の歴史を持つ「菱六 」の種麹が活用されているようです。

健康のため日頃から腸内環境の為に発酵食品は意識して摂るようにしていましたが、バーニャカウダアンチョビソースも発酵の力を利用した食材だったのですね。
ご飯にちょこっと味噌を塗ってみたり、砂糖代わりに甘酒を活用したり、風邪が流行る季節には、前もって発酵食品を積極的に増やして美味しく楽しく身体のガード機能を強化するのもいいかもしれません。

発酵バター等を使ったクレープ等のカフェ利用もできます。
2倍甘く3倍酸っぱいという北川本家の純米酒を使った「富翁 純米酒プルミエア ムール」や、「本みりんサワー」も気になります!

2023年2月15日 | お店, グルメ | No Comments »

ご飯の脇の「ご馳走」

12月21

siba9その昔、北海道出身の友達が「京都の冬は寒い」と呟いていました。
大阪から京都へ通勤する友人達は、京阪電車に乗る人は京都の寒さを「枚方を過ぎて樟葉や橋本駅辺りから空気が変わると思う」。阪急電車の人は「大山崎から感じる」とか。

きっとそんな寒さが美味しくするのが京都のお漬物。
市内中心部より更に気温の低い大原の「志ば久」さんのお漬物を色々頂き、毎日のご飯に添えて楽しんでいます。
テレビ番組でタモリさんが称賛していたこともあり、ずっと買いに行きたいと思っていたのです。
知人もそれでお店を訪れて以来「誰に差し上げても喜ばれるので、京都土産の定番にしている」のだそうです。

「きざみ赤志ば」にはきゅうりが入っていないようで、「きざみ青志ば」の方には入っているようですね。
「慣れ親しんだ柴漬けの味と何か違うな?なんだろな。何か違うんだろうな?」と頭で巡らせながらもいつの間にか何度もおかわりしてしまうのです。
袋の裏側の原材料名を見ても、たった一行で終わるほどシンプルな材料で、素材の味が活きた自然な味わいが、つい次のお箸を呼ぶのでしょう。

ちなみに最も気に入ったのは、大粒の国産らっきょうを、大原の自家農園で栽培された赤しそでくるんだ、ちょっと甘めでシャキシャキした歯ざわりの「しそ巻らっきょう」です!

2022年12月21日 | お店, グルメ | No Comments »

「書きたいもの」を書く

12月7

hude
年賀状、いつもどうされていますか?
挨拶文や礼状、熨斗紙、金封、結婚式などの芳名録など、「こんな時に綺麗な字で書けたら…」と思った人は多いはず。
でも、定期的に書道教室に通うとなると、資金や時間の工面の敷居が高い。
そんな時目に留まったのが、「aotake」の2階座敷で行われている「ふで文字教室」でした。

たまたま常連の生徒さんと入れ違いで、風月柏葉先生とマンツーマンだったので、「自分の名前をもっとこなれた感じに書きたいので、お手本を書いて欲しい」とリクエストさせてもらいました。
「ここにスペースを空けて、風がよく通るように…」「“口”を書くときは、左の縦線が長く、下の横線は少し外に出るようにします」。
「自分の書きたいもの」だから楽しくなり、調子に乗って家族分の名前や、礼状に記すお茶の先生の名前まで書いてもらい、実に様々な見本が出来上がりました。
調子に乗って、「『謹賀新年』や『賀正』以外に、お正月にふさわしい気の利いた言葉が知りたい」とお願いすると、先生が本の中から一緒に探して下さいました。

『初空』。文字通り元旦の空を指す言葉ですが、シンプルな清々しさを感じたので、来年の我が家の年賀状に採用することにしました。

お稽古の後は、先生と美味しい日本茶とお菓子で歓談。
こちらがニワカ生徒なのに、「写真って、どうすればもっと写せるの??」ときさくに話して下さる先生でした。
「ふで文字教室」は日程が限られていますが、興味のある方は相談されてみてはいかがでしょうか。

七五三、衣裳にこだわってみた。

11月23

753 11月15日の「七五三の日」は、「きものの日」にも制定されています。
私事ですが、先日子供達の七五三をお祝いしました。

娘の着物は、かつて赤ん坊だった私のお宮参りのために祖母が仕立てておいてくれたものに、母が「荒川 さんび」の被布を合わせてくれました。
昨年は姪が着て七五三詣り、今回はうちの娘、そして数年後にはもう一人の姪が袖を通す事になるでしょう。

それに見合うよう、息子の衣裳にはこだわりたいと思い、京都らしさのある貸衣裳を探していました。
甥が着ていた兜の柄がはんなりと上品だった事を思い出し尋ねると、二条城の近くで40年続く「お衣裳さわらぎ」のものとのこと。
そこで当時まだ製作中だったある羽織に一目惚れ。
着物としては着れなくなった古い着物を裁断しパッチワークのように繋いで、京都の職人の手で染められた正絹の古生地の反物に貼り合わせて蘇らせたという一点ものでした。

七五三の祝い方は人それぞれ。
賑わう有名神社や写真館で家族撮影をする人もいれば、公園に行く時の様にリュックを背負いシンプルに氏神さんに手を合わせたという兄弟もおられます。
蝶ネクタイの小さな男の子が、社殿の前ではにかみながら両手でピースサインをする姿もとっても可愛らしい。
その場に居合わせた人々の表情もほころびますね。

今回、写真館等のセットプランではなく、カメラマンもお食事もそれぞれ個別に手配したので、それなりの費用がかかりましたが、両祖父母達も含めて顔を合わせる機会はなかなか無いもの。成長した子供達が結婚式を挙げる頃にはもっと高齢になっている事を思うと、手間暇をかけた価値があったかな、と思っています。

ちなみに、京都府外でも、着物一式のみでもレンタルは可能(返送費用は自己負担)のようです。
レンタルするなら、京都の衣裳でしたい!という方はいかがでしょうか。

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