洛中洛外図
先月末に立命館大学で開催された土曜講座「洛中洛外図を読む」を聴講してから京都文化博物館の「京(みやこ)を描く-洛中洛外図の時代-」展を観に行ってみました。
「京中図/画京中」や「みやこ尽くし」とも呼ばれたこれらの作品は、都を東西に分ける様に右隻と左隻に別れて更に四方に四季を持たせ、その季節に沿った祭礼行事を展開させています。
まるで観光パンフレットの様に、京都という町を憧れの理想郷として紹介するほか、当時の政治情勢や風俗、町中や田舎の建築様式等を知る上でも重要な資料にもなっています。
一方、「京の真景」の章で紹介されている江戸後期の屏風や図巻になると、金雲が取り払われて広大な田園風景が広がり、よりリアルな京の町の上空を、まるでヘリコプターから眺めているような気分になります。
なんといっても洛中洛外図を観賞する際の最大のお楽しみは、描かれた人物の生き生きとした姿でしょう。
「洛中洛外図」が描かれるようになったのは、応仁・文明の乱の後の時代のこと。町が荒廃し「リセット」され、そして復興を遂げた京都の姿でもあるのです。
国立歴史民族博物館のホームページには、後期展示の『洛中洛外図屏風「歴博甲本」』に登場する1426人の人物について検索する事ができるそうです。
さて、ここで細部を覗いてから実物を観るか、実物を観てから検索するか!?
いずれにしても、この展覧会に双眼鏡は必須です!