「序の舞」
金剛能楽堂にて24日に行われた「先代宗家金剛巌 十三回忌追善能」にて、ご宗家・金剛永謹さんが「定家」を舞われ、ご子息・龍謹さんが「道成寺」を披かれました。
いずれも全く異なる描き方で人間の「執心」を採り上げた大曲です。
「道成寺」でのクライマックス、落下する鐘の中にシテが飛び入る名場面の前には、演者も観客も会場の全ての人が一体となって息を潜め、舞台の中央に向かって大きなエネルギーが集中するのを感じました。何かが大きく動く事よりも、それに至る「溜め」の部分にこそ醍醐味があると言っても過言ではないでしょう。
なお当能楽堂では、京都国立近代美術館にて始まる「上村松園」展(11/2~12/12)の特別文化講座として、松園の代表作「序の舞」について宗家によるお話と実演が11月6日に予定されています。