e-kyoto「一言コラム」

ガイドブックには載っていない、スキマ情報をご紹介していきます。

「文化」で生きる

11月30
輪違屋

輪違屋

輪違屋十代目当主が語りかけるように綴る『京の花街「輪違屋」物語』(PHP新書)。
それぞれの花街で踊りの流派が異なるのはなぜか、廓で生きるとはどんな状況なのか、かなり本音の部分にも迫っていておすすめです。
京都検定の公式テキストには「島原ではお茶屋営業がなくなって、現在は五花街が残る」とありますが、輪違屋は日本最古の廓・島原で唯一お茶屋を今でも営み、当主は男と言えども月の半分は小唄や常磐津に踊り、鼓など7種類の稽古で自分を磨きながら300年の伝統を受け継いでいます。
「文化」とは、動物ではないヒトならではのアイデンティティー。しかしながら、人間にとってあっても無くても生きていけるもの。それで身を立てる難しさ。
最後に、輪違屋の今後についての一言に、ピリリと心を刺激されました。

2009年11月30日 | 芸能・アート | No Comments »

祇園祭と歌舞伎と宮川町

7月7

祇園祭の幕開けです。10日には神輿洗行われます。
花街・宮川町の名前は、御輿洗のための神水を汲む四条大橋辺りの鴨川を「宮川」と呼んだことからという説があります。

また、若衆歌舞伎が始まった頃、それに出演する若衆達は当時宮川町に軒を並べていた宿に出入りしていました。今日歌舞伎の観客からかかる「○○屋!」といった役者の屋号は、その宮川町の宿の屋号であったと言われています。
男だけの芝居・若衆歌舞伎たちには美少年が選ばれ、これが現在の歌舞伎の女形へと発展したといいます。
そんな事を想像しながら四条大橋を渡ると、当時の景色が目に浮かんできそうですね。

島原太夫さんの自伝

6月16

島原花扇太夫さんの自伝「太夫になった京おんな」(白馬社)を読みました。
歌舞伎や物語で登場する煌びやかな太夫ではなく、本人が語る島原太夫誕生の物語です
もくじには「廓のファッション史」「名妓「吉野太夫」物語」「同志社失敗」「リストラ太夫」など、興味をそそられる話題が満載。直感のままに行動!その後で考える!という花扇さんの体当たり行動と失敗話に思わず吹き出しながらも、周りの人に支えられながら自分で選んだ道に責任を持って挑む姿に引き込まれ、あっという間に読めてしまいました。
人生の途中での数々の挫折は、その時は「失敗」であっても、後に思いがけない「幸運」を運んでくれる事もある。そんな勇気をもらえる本だと思います。

2009年6月16日 | 芸能・アート | 1 Comment »

鴨川をどり

5月25
トレードマークは千鳥

トレードマークは千鳥

久しぶりに鴨川をどり(24日で終了)を観に行って来ました。昭和レトロな先斗町歌舞練場に足を踏み入れた瞬間から別世界の始まりです。
笛の音がひときわ綺麗だと思いパンフレットを見てみると、やはり藤舎名生さんによる音色でした。フィナーレで舞妓さんが客席に投げるサイン入りの手ぬぐいも今回は運良くキャッチ!
普段はGパン姿でラジオから流れる洋楽を聴きながらコーヒーを飲む生活をしている私達にとって、花街のおどりは自分の中にある日本人本来の感性が呼び戻されるひとときのような気がします。
6月には「京都五花街合同伝統芸能特別公演」があります。

五條楽園歌舞練場

2月9

先月「京のニュース」でご紹介した「饒舌な秘密」の京都公演を観るため、五條楽園歌舞練場に行ってきました。
この歌舞練場は、もともと芸妓達の稽古や温習会の場でしたが、数年前から貸し会場としても利用されており、公演も花道などの舞台の造りを活かした展開になっていました。
公演後の企画で、普段は覗けない歌舞練場の舞台裏を探検。ここが建てられた大正4年頃のこの界隈は、多くの芸妓や娼妓(400人規模だったとか…)、京の旦那衆で賑わっていたそうです。今となってはその賑わいは影をひそめ、ひっそりと佇むのみ。
ストーリーと観客を取り囲む舞台がシンクロする、映画では味わえないアプローチ。小劇ならではの臨場感でした。

2009年2月09日 | イベント | No Comments »

花街のをどり

4月5

4月のあたまから5月24日までは「花街のをどり」のシーズンです。
パンフレットを開くと、出演する舞妓さん達の顔写真がずらり。「この舞妓さんべっぴんさんやわあ」と名前をチェックしたり、「あの子は背高いんやなあ」と驚いたり、同じお化粧をしていても、皆それぞれ個性があって面白いものです。
どの舞妓さんもまだ10代の女の子。華奢な体でお稽古漬けの毎日を頑張っているんです。ぜひ応援に行きましょう!

2004年4月05日 | イベント | No Comments »