川端康成「古都」
京都市が2000年に策定した「観光客5000万人構想」計画が、2年前倒しで実現したそうです。
京都を舞台にした川端康成の小説「古都」。平安神宮の桜を筆頭に葵祭、鞍馬の竹伐り会、祇園祭、大文字…と京の歳時記を追いながら進行し、ヒロイン・千重子の生い立ちが徐々に明らかにされていきますが、四季折々の京都の姿の描写の方がむしろ多く、まるで川端康成と歩く京都名所案内のようです。
山鉾巡行のルートが変わり観覧席が設けられた事が会話に登場したり、南禅寺や高台寺付近の家たちが料理旅館に様変わりしていたり、古都が観光都市として本格的に走り始めた頃の京都の様子が偲ばれるようです。
今後の目標は「質」重視の観光施策との事ですが、これからの古都は、どのように進化していくのでしょうか。