e-kyoto「一言コラム」

ガイドブックには載っていない、スキマ情報をご紹介していきます。

PIECE OF PEACE

11月12

kin 幼い頃、最もよく遊んだおもちゃが「レゴ®ブロック」でした。
15周年を迎えた京都駅ビルを会場に開催された「ビルドアップジャパン レゴ®ブロックステーションKYOTO」(~11/11)では、「レゴ®ブロック」約30万ピースで720時間かけて制作したという長さ4.8mの「京都駅ビルモデル」が展示してあり、そばで覗き込む子供達に交じって、かつて「レゴ®ブロック」で遊んだであろう大人達も夢中になってカメラを向けていました。  →動画はこちら
また、同じく奈良の「法隆寺」や京都の「金閣寺」の再現もあり、これまた子供の頃に使っていたものと同じピースでできているとは思えない程の精巧さ。
これは世界遺産条約採択40周年を記念したチャリティーアートエキシビジョン「PIECE OF PEACE」(渋谷パルコにて12/3まで)のサテライト記念展示だったようです。
全長約4mの巨大ジンベエザメやサンゴ礁に泳ぐ熱帯魚、ベンチに腰かけたお爺さんに至るまで、あらゆるものが一つ一つのピースを組み合わせ、積み上げて創り出されています。
ということは、私達も世界を形作る一つのピースであるとも言えますね。

「ラリーニッポン2012」

11月5

rally観光庁や文化庁の支援を受け、日本の世界遺産等をクラシックカーが巡る「ラリーニッポン」。
今回のスタート地点は上賀茂神社で、境内には80台を越えるクラシックカーがずらり。あちこちでカメラを構える人や親子連れに上七軒の芸妓・梅嘉さん、車好きで知られる俳優の唐沢寿明さんの姿もありました。

各車は巫女さんから交通安全のお守りらしきものを受け取り、神職さんからお祓いを受けた後、たくさんの人から拍手や声援を浴びながら順次出発して行きました
車については何の知識も持ち合わせていませんでしたが、車内まで愛情たっぷり、ぴかぴかに磨き上げられたクラシックカーが秋の青空と神社建築に映え、杖をついた愛好家のおじいさんや和服の男性が楽しそうにクルマ談義をしている様子を見ていると、早起きして観に行った甲斐がありました。

当日の様子は、愛車で参加されていた雅楽演奏家の東儀秀樹さんのブログにも掲載されています。

下鴨神社でジブリ展

10月2

g下鴨神社にて、「鴨長明『方丈記』と賀茂御祖神社式年遷宮資料展」と「「定家と長明」展ースタジオジブリが描く乱世。ー」が始まりました。
「定家と長明」展は、小説家・堀田善衞氏が書いた『方丈記私記』を、愛読者の宮崎駿氏がアニメ化を長年に渡って構想していたそうで、もしもスタジオジブリが『定家と長明』として映画化したら…という趣旨で企画されたもの。
藤原定家と鴨長明、それぞれの生い立ちや性格、表情の変化まで踏み込んだ設定が作られ、彼らの目線からの平安京の姿を映したおびただしい数のイメージボードは、まるで本物のセル画同然に美しく描き込まれています。
最後まで目を通したら、きっと一本のアニメ大作を観た様な気持ちになるはず。いや、むしろ映画化して欲しい、とまで思ってしまうかも。
なお、ジブリ展や現代の方丈庵、資料展の会場はそれぞれ離れています。
入場券と共に頂くパンフレットも展示物も本当に多いので、たっぷり時間を取ってお出かけになる事をおすすめします。

上賀茂社家「梅辻家」

9月25
鳥居形の内玄関

鳥居形の内玄関

食卓に上賀茂のすぐき漬が上がったのを見て思い出しました。
京の夏の旅・文化財特別拝観」は今月末で終了します。
という事で、上賀茂に残る唯一の「賀茂七家」の遺構「梅辻家」を訪れてみました。
明治時代の付近の古地図パネルを見ると、驚く程たくさんの社家が密集しており、葵祭の頃はさぞかし賑やかだった事でしょう。
陶芸家・北大路魯山人も社家に生まれ、その生家が地図にも書き込まれています。
それ以前の神仏習合の時代には、上賀茂神社の傍に神宮寺も存在していたそうです。
当家では、朝廷の仕事も兼任していた事や、徳川家康が賀茂社を厚く信仰していた経緯で、朝廷と徳川家との交流を伝えるものがたくさんありました。
ユニークなのが『関東御城之図』。葵使いとして葵の葉を徳川家の居城へ献上する際、道順を間違えないように矢印と共に記した城内の間取り図です。
こっそり書き控えるのはなかなか難しかったと思いますが意外に詳細で、「他の人には見せるな」と注意書きしてありました。
梅辻家公開最終日の上賀茂神社では、「賀茂観月祭」も行われます。

夜の比叡山

9月4

yakei暑い、暑いと言っている間に、気づけば秋に突入していました。
先月末は、夏の思い出を味わおうと京都定期観光バスに乗り、街中よりマイナス5℃の比叡山へ。
奇しくも新車というまっさらなバスの中で、ガイドさんの流暢な案内に耳を傾けていると、こちらも観光客気分。見慣れた景色も新鮮に思えてワクワクしてきます。
時折広がる琵琶湖のパノラマに歓声を挙げながら京都と滋賀の県境を行き来するドライブウェイをくねくねと登り、夕暮れ時の「ロテル・ド・比叡」のカフェでディナー、その後は「ガーデンミュージアム比叡」のライトアップ「ジャルダン・デ・ルミエール – 光の庭園」へ。
山頂から近畿各方面を見渡せる夜景は見事なもので、かつてこの地が遊園地だった頃からこの展望台がずっと残されて続けている理由がよく分かりました。
帰りの道中も運良く、琵琶湖畔から打ち上げられる花火を観る事ができ大満足。
楽ちんで遠出も気軽に楽しめるバスツアー。何よりドライバー役に気を遣う事なくお酒を飲めるのが良かったりして…。
この夏のコースは終了しましたが、秋の比叡山の紅葉も美しいそうです。

伏見稲荷大社・本宮祭

7月23

moto 伏見稲荷大社の本宮祭(宵宮祭)に行って来ました。
日が落ちると暗くなってしまう千本鳥居ですが、この日ばかりは連なる提灯と灯籠の火や手提げ提灯を頼りに、神職さんと夜の稲荷山の三峰を果敢に目指す人がたくさんいました。
おびただしい数の赤い提灯、ちょっと照れながら盆踊りに飛び入り参加するおばさん、お小遣いを手に夜店に並ぶ浴衣姿の子供たち。
浴衣にパナマ帽で犬と散歩する粋な男性や、可愛らしい甚平を着た孫の手を引くおじいさん。
祇園祭とはまた違って、どこか懐かしい夏祭りの風情があります。
こうしたお祭を機に地元の神社へと自然と足を運び、手を合わせる習慣が子供のうちから培われていくんですね。
昼間は槍のように振っていた夕立の跡も、お日さまの力ですっかり乾き、境内に涼しい風を吹かせてくれていました。

台湾の「高雄」

5月22
高雄市の愛河

高雄市の愛河

実は、先日まで台湾に行っていました。
南部には台湾第二の都市「高雄市(カオション)」と呼ばれる国際湾岸都市があります。
もともと先住民・平埔族マカタウ族の言葉で「ターカウ(竹林)」が語源と言われ「打狗」という漢字があてられていた地名を、日本統治時代の1920年に、日本語の発音が近い「高雄」に改称されて現在に至ります。
日本にも「高雄」「高尾」と呼ばれる地名はたくさんありますが、その中でも京都の高雄から名付けられたものだとか。
熱帯気候の港街・高雄市と、山深く夏でも市内より涼しい京都の高雄とでは全く印象が異なりますが、京都の高雄の地名は水を司る「高おかみ(雨かんむりに口三つ、その下に龍と書く漢字)」という神様から由来しているという一説もあり、共通しているのは「水」でしょうか。
高雄の川床桟敷で人々が森林浴とお食事を楽しんでいるように、高雄市の愛河の畔では、オープンカフェや公園でくつろぐ現地の人々の姿がありました。

2012年5月22日 | 観光スポット | No Comments »

伏見稲荷大社・薬力社

5月7

taki稲荷祭(還幸祭)」で稲荷大神が伏見稲荷大社へ帰社したので、再び稲荷山の奥にある「薬力社」を目指しました。
「薬力さん」は無病息災、薬効、薬害防止、健康長寿などを祈願するところ。珍しく親子の狐一対の石像があります。
そばには打たせ湯の様な「薬力瀧」があり、滝行もできるようになっているようです。
ご神水は手押しポンプの井戸から汲む事ができますが、向かいで塚守をしている茶店に頼むと、薬力瀧の水を漉したもの(飲用可)を分けて頂く事ができます。
お水のお礼にのど飴を購入すると、商品の上で火打ち石を打ちながら(本当に火花が散ってびっくり)「すぐそこのおせき社に御供えしてから食べて下さいね」とのこと。
こちらは歌舞伎役者や花街の人々など喉をよく使う職業の人や、咳、喘息などの疾患がある人がよくお参りするそうです。
全国から葉書で祈願する人もあり、お社の柱に郵便受けがあるのがユニーク。
何事も身体が資本!稲荷山巡りでここを通りかかったら、ご神木にも触れていって下さいね。

2012年5月07日 | 神社, 観光スポット | 1 Comment »

伏見稲荷大社・稲荷祭

4月23

inari伏見稲荷大社の「稲荷祭(神幸祭)」で稲荷大神の神輿が御旅所へと出発するのを見送った後、稲荷山に登ってきました。
奥の院の更なる先には、衣食住を司る「三徳社」や薬に関する「薬力社」、現在でも滝行をする人がいるという滝場等様々な人々の信仰を集めた神蹟がたくさんあります。
「パワースポット」とはご利益の事だけではなく、それを求める人々の願いのパワーが集まる場所でもあるのでしょう。
全国に3万社もあると言われる「お稲荷さん」の総本宮とあっ、日本人だけでなく多くの外国人ともよくすれ違いました。
千本鳥居と新緑の梢が小雨を受けとめてくれたお陰で、殆ど傘を差す事無く、時折茶店で休憩を挟みながら約2時間で「お山めぐり」を終えました。
稲荷大神が移された神輿が5月3日の還幸祭まで納められている西九条の御旅所は、JR京都駅から東南へ歩いて10分程のところにあります。
今年のゴールデン・ウィークは家内安全や健康を願って、ちょっとお参りしていきませんか?

京都府立植物園の夜桜

4月16

shokubutuソメイヨシノの開花もピークに達し、しだれ桜がほぼ満開を迎えようとしています。
京都府立植物園のしだれ桜も8~9分咲きで、「桜ライトアップ2012」は17日まで期間が延長される事になりました。→→動画はこちら

当植物園は、国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」にて無重力状態で保管されていた円山祇園枝垂など全国の名桜14種類の種を「宇宙桜」として育てています。
桜林の歩道沿いにある細い若木の「高桑星桜」も「宇宙桜」に含まれるものと同じ品種で、岐阜市の「高桑桜保存会」から2月に贈られたばかり。
夜間は確認しにくいかもしれませんが、花弁が白い星のように見える品種で、関西で見られるのは同園だけ。今月の20日過ぎまで順次咲くそうです。

お昼間の植物園も、近くの半木の道の紅しだれ桜と合わせてお楽しみ下さい。

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