e-kyoto「一言コラム」

ガイドブックには載っていない、スキマ情報をご紹介していきます。

絆をつなぐ刀

5月11

youkan 二尊院や祇王寺にほど近いところに店舗を構える和菓子屋「京都一夢庵大ふへん堂 嵯峨嵐山店」。
全国の百貨店や博物館等で「刀剣武家ようかん」を観た事がある人も多いのではないでしょうか。

祇王寺は緊急事態宣言が解除されるまでの間は拝観を停止されているため、「模造刀お触り放題」のこの店も暫くは要予約制となっていますが、
インターネット販売は好調のようです。

今年の大河ドラマ縛りと味の種類で選びました。
これらをステンレス菓子切り「羊羹切日本刀ナイフ」で一刀両断するのがまた楽しいのです。
雛人形にも持たせられそうなこの小刀。収める袋も思案中だとか。
お茶席があれば、稽古に行けたら、何食わぬ顔をして抜刀するのに…!!

ちなみに、二尊院は5月15日(金)より一般拝観を再開されるそうです。

通販なら、遠く離れたところに住む人にもお届けできます。
日持ちもするので、6月21日の父の日のプレゼントにいかがでしょうか。

『麒麟がくる』の予習

1月15

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大河ドラマ放映前の頭の整理として、『まっぷる 明智光秀』出版記念「明智光秀講座」を受講してきました。

明智光秀という人物像の裏表、人物相関図に加えて、本能寺の変から時代を遡るという珍しい構成ながら、観光ガイドブック『まっぷる』らしい親しみやすさで、知りたい情報がうまくまとめられています。
日本史を語る上で京の地は避けて通れないと言っても過言ではありませんが、特に若い頃の資料が少ないと言われる光秀の足跡が分かるのが主に京都だと言われています。
本能寺の変が勃発した市内はもちろん、京都大河ドラマ館が開館した亀岡市、織田信長没後に羽柴秀吉と対決した長岡京・大山崎、信長の命で平定した丹波等々、京都府内や周辺にもゆかりの地がたくさんあります。
5月の連休中に開催される「亀岡光秀まつり」に、あるいはそれまでに亀岡に是非とも足を運んでみたいと思いました。

講座の最後に、明智光秀は、制圧した土地で善政を敷くという仕事を実直に行っていた万能型の武将であり、だからこそ信長に重用されたのだろう、また、比叡山の焼き討ち等、様々な戦の後処理も担っており、家臣を案じる彼の手紙には、一人一人、下々の者の名前まで書かれ、自分の守るべき人々を思うがこそ、信長を討つという手段を選んだのかもしれない、との結びでした。

早速この本を頼りに、帰りの足で光秀の首塚に立ち寄り、塚を守る「餅寅」で「光秀饅頭」を家へのお土産にしました。

ここにも天神さん

12月25

ne 年が明けてからでは参拝客が増えるかもしれないと思い、一足先に狛犬ならぬ「狛ねずみ」がいる大豊神社をお参りしてきました。

哲学の道からちょっと脇道に入っていく様な感覚で、既に同じ事を考えている人達でしょう、ちらほら参拝客の後ろ姿が見えてきます。
住宅地に溶け込み、こじんまりとして鹿ケ谷・南禅寺一帯の産土の神らしい雰囲気です。
神社の背後は椿ヶ峰と呼ばれ、その梅ヶ峰からの御神水で手を清めて境内をそぞろ歩きしていると、所々に椿をはじめ色んな品種の植物が植えられています。
境内摂社の大国社へと向かうと、ねずみの一瞬の動きを写し取ったような可愛らしい狛ねずみが、小さな祠を守っていました。

子宝や安産のご利益でも知られるねずみさん。しかも、ここの御祭神は少彦名命ですが、後に応神天皇や菅原道真公も合祀されているという事は、受験生のお参りの穴場?
887年の創建ながら、現代人のお願いごとにもぴったりなお宮さんではありませんか。真っ直ぐ天に向かって伸びるご神木にも忘れずタッチ。

境内で拾った銀杏を傍らに置き、澄んだ音色の水琴鈴のお守りと安産用にねずみが描かれたお守りを受けると、「きれいな銀杏が残ってましたね。良いご神徳がありますように」と言って頂きました。
20分程でお参りが済んでしまったのですが、ここも干支にちなむ神社として、年明けは大賑わいになるのでしょうか。

子供に帰れる場所

1月29

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西陣の築100年の町家の2階に上がると、ゴジラが立っていました。
怪獣やなつかしのヒーローもの、ロボットに最新アニメのフィギュアなど3000体を越える個人のコレクション)「京都西陣たてくんミュージアム!」です。
もとは各国の外国人からじわじわと支持されていたのが、ここ最近急激に日本人の訪問が増え、なんと、海洋堂の社長も訪れたとか。
「赤影」や「ロボコン 」「ドラゴンボール」、「進撃の巨人」「ラブライブ!」など、オーナーの「たてくん」の人生をなぞるように、幅広い世代・国籍の人が楽しめて、なにより展示の仕方に愛と感じます。
オーナーのお母様に、「息子が大人になってもフィギュアに夢中で、不安になった事は無かったですか?」と失礼ながら尋ねてみたら、「酒もタバコもしない。誰にも迷惑かけてないし、自分でアルバイトを3つも掛け持ちして、改装まで本人がやったんですよ。」と、そのおだやかな口調には誇りすら感じ取れました。
外の入り口のテントには、亡きお父様と経営していた旅行会社の名残りが。
「これからは、海外から来た人をここで楽しませたい」とのこと。
西陣織の着物を身にまとったスターウォーズのヨーダは、世界平和を願うスペースに祀られています。
国同士のいざこざなんてなんのその、言葉や国境を軽く飛び越えて人々を繋いでしまうサブカルチャーの力を信じましょう。
帰り際、お母様に小さなお菓子を頂き、なんだかおばあちゃんにお小遣いをもらったような、懐かしい気持ちになりました。

定食屋で学生気分

3月14

re 先日タクシーのレシートを受け取る際に、運転手さんから「実は、現在2台しか走っていない “二葉葵”マークの車両なんですよ」と教えられました。
昨年の上賀茂神社の式年遷宮を記念して走行を始めたもので、好評に付き延長走行なのだそうです。
という訳で、記念品を受け取りがてら上賀茂神社をお参りしました。
帰りに昼食で立ち寄った定食屋「リバース」(075-721-7322)。
学生時代をこの辺りで過ごした人からは「懐かしい!」という声が上がりそうな昔ながらの洋食屋さんで、一歩入ると一斉に男子学生やサラリーマンの視線が集中し、大いに気後れしましたが、めげずに定食を注文。
値段は500円前後で非常にお手頃ながら、運ばれて来た品のボリュームに動揺していると、ホールを手伝っている真面目な接客ぶりの学生さんが、ご飯量を減らして値段を下げてくれました。
揚げ物たっぷり、既にマヨネーズまでかかっていてコテコテ!
部活の合間でしょうか、ジャージ姿でかき込んでいる男の子達を眺めながら味噌汁を飲んでいると、サービスエリアで食べる揚げ物定食とはやはり違って、「お母さんが息子達を応援している」かのようなメニューだと感じました。
禁煙ではないため、女性同志には入るのに勇気がいるかもしれませんが、上賀茂神社の桜が咲く頃、再び学生気分を味わいにいかがでしょうか。

天神さんの残り福

2月29

sara 受験の時の合格祈願、お茶の先生に連れて行ったもらった天神さんの蚤の市、恋心を抱いた相手と巡った梅香る梅苑、一眼レフカメラを片手に歩いた紅葉の御土居。
北野天満宮は今までに何度も訪れているのに、梅花祭当日に境内を歩いたのは意外にも初めてでした。
上七軒主催の野点茶会に参加したかったのですが、都合で終了間際に着いたために入れずじまい(やはり事前に前売り券は買っておくべきですね)。
仕方無く本殿でお参りだけ済ませて、久しぶりに天神さんを楽しむ事にしました。
そもそも今回のお目当ては、来客時に鍋料理を取り分けるための器を探す事だったのです。
アンティーク着物に、コーヒーや玉こんにゃくの屋台、まるでしめじの様に乱立するこけしに、機械や簪のパーツまで。
今やインターネットでも気軽に売買できる時代ですが、こうして実際に色んなお店を見ていると、魅かれるお店は商品の並べ方も見やすく、分かりやすいものですね。
「見立て」として、本来とは異なる用途を連想するのも、また楽し。
ふと目に留まった、「5枚2000円」の染付の器。同行した母親も同じ所で足を止めていました。
一枚ずつ微妙に異なる手描きの、ほのぼのとした山水図がなんだか可愛らしくて手に取っていると、お店のおじさんが更に奥から出して来てくれました。
「12枚で3000円でええよ」との声に、母と半分ずつという事で早くも決まりました。
売り手にとっては、半端な数が売れ残っても仕方無いのでしょう。
掘り出し物を狙う人なら朝早くから行くのでしょうが、残りものにも福はありました。
今月下旬までは、宝物殿にて今、歴女の中でもアツい「宝刀展」が開催されています。

車折神社の早咲き桜

3月31

kuruma 早咲きの桜で知られる車折神社。例年、町なかの桜が満開になる頃には既に散っているという印象を持っていたのですが、先週末の境内では、満開もあれば散った木もあり、膨らんだ蕾もまだたくさん見られたので、これからも見頃がやってきそうです
この時ちょうど満開を迎え、人々の足を止めていたのが、画家・冨田溪仙(けいせん)が奉納した「溪仙桜」でした。
溪仙は、明治21~26年の間、車折神社の宮司を任めた文人画家・儒学者の富岡鉄斎に私淑していました。
漢詩や絵画の心得のある人だったら、きっと携帯電話やデジカメのシャッターを切る代わりに筆でもって、その四方に枝をくねらせた桜の姿を描き表すでしょうね。
この週末は、いよいよ満開の見頃がスタートでしょうか。様々な芸能人達が芸能神社に奉納した朱色の玉垣に、文字通り「咲きこぼれる」に出逢えるといいですね。
帰り道には、嵐電(京福電車)の北野に乗り換えて、車窓から夜桜のライトアップを楽しむのも良さそうです。
その他各地の様子は「桜特集 定点観察 2015」をご覧下さい。

京土産に大学オリジナルグッズ

6月2

haris 「知人への京土産に。」と頼まれて、同志社大学のハリス理化学館同志社ギャラリーへ。
大学グッズと言えば、京都大学の「総長カレー」や「素数ものさし」を思い出しますが、さて同志社大学のオリジナルグッズとは?
大河ドラマ「八重の桜」が放映していた2013年の11月にリニューアルオープンした事もあり、グッズが買えるラウンジには、創立者・新島襄と八重夫妻の書籍や過去の企画展示の図録、京都の老舗のお酒等の食品もありました。
お目当ての品は、宇治の丸久小山園製の玉露や煎茶等5種のお茶のティーバッグが入ったミニ缶で、同志社大学今出川キャンパス内にある5棟の国の重要文化財建築の画像が、それぞれの茶缶にプリントしてあります。自由に試飲までできました!
J.Nハリスの寄附を元に明治23(1890)年に竣工された煉瓦造りの当館は、現在はギャラリーとして、同志社の歴史と新島襄の思想を今に伝えるほか、キャンパス内からの出土品、地層等の資料による創立以前の京都の歴史も紹介しています。
平安時代には冷泉家や二條家が立ち並ぶ公家屋敷、室町幕府の花の御所、幕末の薩摩藩邸、そして現在は学びの場として、歴史の層を重ねる度にこの地が果たしてきた様々な役割を知る事ができ、卒業生でなくても、歴史や近代建築が好きな人にとっても楽しめる内容ではないでしょうか。
さて、帰宅してから「あ、“八重さんの醤油”も切らしてたんや」と言われました。
はいはい、今度キャンパスツアーにでも参加して買って来ますわ~。

福栄堂と壹錢洋食

6月12

fukuei湿気で少し重くなった空気を一瞬忘れさせてくれる、夏の冷菓。
祇園のお土産に頂いた「福栄堂」さんのお菓子は、鮮やかな抹茶のゼリーに、笹で巻いたれんこんのお菓子(「蘇民将来様之心継菓子也」だそうです)…なんだかどこかで見た事があるような気がしないでもないですが、まあいいや、と口に運びます。
素材にこだわり、無添加・無保存料で作られているだけあって、なかなか素直なお味で美味しい。つるつるっと食べ尽くしてしまいました。
祇園の一等地に店を構えながら「京都ブランド」ぶる事なく、「祇園のぷるこちゃん」なるキャラクターを生み出すこの独特のノリもどこかで…。実は、お向かいの「壹錢洋食」は福栄堂から派生したお店なのです。
漉しあんでお餅をくるんだ看板商品の「祇園の月」は、冷蔵庫でちょっと冷やしておくと口あたりがひんやりとして、おすすめです。

2012年6月12日 | お店, 修学旅行 | No Comments »

伏見稲荷大社・稲荷祭

4月23

inari伏見稲荷大社の「稲荷祭(神幸祭)」で稲荷大神の神輿が御旅所へと出発するのを見送った後、稲荷山に登ってきました。
奥の院の更なる先には、衣食住を司る「三徳社」や薬に関する「薬力社」、現在でも滝行をする人がいるという滝場等様々な人々の信仰を集めた神蹟がたくさんあります。
「パワースポット」とはご利益の事だけではなく、それを求める人々の願いのパワーが集まる場所でもあるのでしょう。
全国に3万社もあると言われる「お稲荷さん」の総本宮とあっ、日本人だけでなく多くの外国人ともよくすれ違いました。
千本鳥居と新緑の梢が小雨を受けとめてくれたお陰で、殆ど傘を差す事無く、時折茶店で休憩を挟みながら約2時間で「お山めぐり」を終えました。
稲荷大神が移された神輿が5月3日の還幸祭まで納められている西九条の御旅所は、JR京都駅から東南へ歩いて10分程のところにあります。
今年のゴールデン・ウィークは家内安全や健康を願って、ちょっとお参りしていきませんか?

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