e-kyoto「一言コラム」

ガイドブックには載っていない、スキマ情報をご紹介していきます。

高雄と嵐山の紅葉

11月9
如月太夫

如月太夫

高雄の紅葉は、1~2週間後、嵐山の紅葉は2週間後辺りが見頃を迎えそうです。
真っ赤な盛りも良いですが、少し手前の頃は優しい色合いをしています。

嵐山もみじ祭は、春の三船祭と嵯峨大念仏狂言を一つに凝縮したかのようなお得感のあるイベントでした。嶋原の如月太夫の流れるようなお点前と堂々とした太夫道中には、美しい紅葉を観た時と同じ溜息を漏らしてしまいました。

高雄・神護寺では、年配の参拝者も、あの急な石段を果敢に登っていました。
ライトアップは華美な演出が無く、澄んだ空気が胸をスッキリとさせてくれます。

なお、嵐山~高雄間は、「嵐山&高雄フリーきっぷ」や「嵐山高雄パークウェイバス」があるので、異なる風情を一日で満喫できます。

高雄と岩倉

11月2
岩倉実相院

岩倉実相院

京都の北西・高雄に住む知人が「11月10日前後が高雄の紅葉の見頃」と連絡を入れてくれました。ちょうど、「弘法大師 空海 入山千二百年紀」の特別拝観とライトアップの実施期間が重なるタイミングです。
京都府立植物園によると、市内の紅葉の見頃は例年と同様に、10月下旬~11月中旬になりそうとのこと。
先週の半ばに岩倉実相院を訪れましたが、染まりかけの紅葉と瑞々しい青もみじの両方が望め、それまでカメラのレンズの如くギラギラと張りつめていた自分の目元が緩みました。朝の小鳥のさえずりとひんやりと引き締まった空気、ころころと軽やかな水音だけが響く様は、言葉や画像だけで伝えられるものではない。改めてそう思いました。
今でこそ人里離れた土地でさえ公共交通で足を踏み入れる事ができますが、それぞれの地に身を置いた先人の思いに少しばかり触れられる気がします。

2009年11月02日 | お寺, イベント | No Comments »

武田流弓馬道

10月19
「小笠懸」

「小笠懸」

弓馬礼法の中で「流鏑馬」「犬追物」と並んで騎射の三物と称される「笠懸」の奉納神事が上賀茂神社で行われました。
地面低くに立てられた小さな板的を射抜く「小笠懸」では、左下の的を射る「弓手筋違(ゆんですがい)」や、馬頭を越えて右下の的を狙うという高度な「馬手筋違(めてすがい)」といった様々な射法が見られるのが見所です。女性の射手も長い髪をなびかせて疾走していました。
800年ぶりに復活した平成17年に見学した際には無かった、有料観覧席(500円)が設置されていたのには驚きましたが、特にお年寄りの方にとって椅子席はありがたいものかもしれません。
馬場の真ん中にある記録所のそばに座ると、前後の神事もよく観られそうです。日差しが強いので帽子は必携です(日傘はNG)。来年のご参考に。

織部流扶桑派のお茶会

10月5
「明歴々露堂々」
「明歴々露堂々」

珍しい「織部流扶桑派」のお茶会が、建仁寺両足院で催されました。

フランス人旅行者と同席となり、副住職や半東さんが流暢な英語でご解説。
戦国武将・古田織部の創始とされる「サムライスタイル」の流派なので、最もカジュアル(簡素)な「草」のお点前が無いそうです。茶碗や道具が高台や盆に乗せられ、まるで大名同志の茶会!?
ざらざらとした手触りの伊羅保(いらぼ)の茶碗は月面のよう。大きな円形の水指は、満月の様な白い木地の蓋を取ると、影となった水面がまるで新月の様でした。
「お茶碗の拝見は、次客へこんな感じで送って宜しいのでしょうか?」
「ええ、月面着陸でお願いします。」

お客の殆どが初心者の席でしたが、和気藹々と和やかに楽しめました。

花背の松上げ

8月18
花背の松上げ
花背の松上げ

花背の松上げに行ってました。
専用の京都バスに揺られて約1時間20分。花背の夜は気温22度でした。
暗闇の河原に向かって松明の火が移動していき、約1000本の地松が灯されていくと辺りは火の海になりますが、不思議と心が落ち着きます。
そういえばお盆の間、天国にいるご先祖様達へ思いを馳せている暇も余り無かったな…などと考えてしまいました。
高さ20mの大傘目掛けて松明を放り上げて点火します。分かりやすく言えば、炎の玉入れでしょうか。大傘が焼け崩れるまで続きます。
都市部から離れた集落の素朴な行事ながら、京都バスだけでも17台分の人出という人気ぶりでした。
22日には、小塩の上げ松の鑑賞バス(受付8/21 18時まで。075-871-7521)も初登場するそうです。

2009年8月18日 | イベント | No Comments »

京都金剛家のルーツ

7月29
たくさんチラシを持って帰りました。
たくさんチラシを持って帰りました。

金剛能楽堂の能面・能装束展観に行って来ました。

他流派とは異なり、金剛家の能装束には家紋が入っている事が多いのは、京都金剛家はかつて近江源氏の武家であった事に由来するそうです。浅井・朝倉連合軍が織田軍に敗れた事で京都御所へ逃れ、そこで禁裏御能を発展させました。
来月には大文字送り火能「蝋燭能」が行われます。
「綾鼓」というちょっとコワイ演目を鑑賞した後は、能楽堂向かいの京都御所へ移動し大文字の送り火を眺めれば、より味わい深いものとなりそうです。

建仁寺両足院の寅市

7月21
寅市

寅市

建仁寺塔頭両足院の「寅市」に行って来ました。
建仁寺は、交通機関や祇園の繁華街から近い好立地でありながら、門を潜ると驚くほど静かです。

毘沙門天堂のお膝元で、信楽焼や個性的な焼き物にちりめん染めを応用したストール、帽子等も展示販売されており、シンプルな和柄の七宝焼きピアスを購入しました。
作品を手に取り、作家と直接触れ合えるのが市の魅力。汗を拭いていると、お茶をくれたりパラソルを移動させて日陰を作ったりして下さいました。
次回は9月20日、21日に開催予定です。庭園の公開、月例茶会と共にどうぞ。

茶席で山鉾巡行

7月13
うちわとかき氷!?

うちわとかき氷!?

仲間内で恒例になっている浴衣のお茶会。祇園祭の宵山が近いこともあって、テーマは「祭」。
床には山鉾の掛け軸や檜扇水仙、横笛の香合が飾られ、お菓子は、夕暮れ空の微妙な色合いを表現した創作のくずまんじゅうでした。
中でも面白かったのが、正客から順番に出される平茶碗たち。最初に長刀鉾が描かれたもの、続いて内側の底に曳き山と縁に歩く町衆の絵柄が入った茶碗達が客の間を巡行していきました。

山鉾巡りは、モバイルe-kyotoへのQRコードが付いた便利なマップをどうぞ。

祇園祭と歌舞伎と宮川町

7月7

祇園祭の幕開けです。10日には神輿洗行われます。
花街・宮川町の名前は、御輿洗のための神水を汲む四条大橋辺りの鴨川を「宮川」と呼んだことからという説があります。

また、若衆歌舞伎が始まった頃、それに出演する若衆達は当時宮川町に軒を並べていた宿に出入りしていました。今日歌舞伎の観客からかかる「○○屋!」といった役者の屋号は、その宮川町の宿の屋号であったと言われています。
男だけの芝居・若衆歌舞伎たちには美少年が選ばれ、これが現在の歌舞伎の女形へと発展したといいます。
そんな事を想像しながら四条大橋を渡ると、当時の景色が目に浮かんできそうですね。

鴨川をどり

5月25
トレードマークは千鳥

トレードマークは千鳥

久しぶりに鴨川をどり(24日で終了)を観に行って来ました。昭和レトロな先斗町歌舞練場に足を踏み入れた瞬間から別世界の始まりです。
笛の音がひときわ綺麗だと思いパンフレットを見てみると、やはり藤舎名生さんによる音色でした。フィナーレで舞妓さんが客席に投げるサイン入りの手ぬぐいも今回は運良くキャッチ!
普段はGパン姿でラジオから流れる洋楽を聴きながらコーヒーを飲む生活をしている私達にとって、花街のおどりは自分の中にある日本人本来の感性が呼び戻されるひとときのような気がします。
6月には「京都五花街合同伝統芸能特別公演」があります。

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