e-kyoto「一言コラム」

ガイドブックには載っていない、スキマ情報をご紹介していきます。

「二葉葵展」

5月21

afuhi 今年の葵祭も快晴のもとに無事終了し、週末には上賀茂神社で「二葉葵展」が開催されました。
境内では「第3回葵・手づくり市」や渉渓園の特別公開(毎月第1、第3日曜)も同時に行われ、小雨にも関わらず多くの人が会場の庁屋に立ち寄っていました。
「二葉葵展」は、葵祭行列を飾る葵の葉が年々減少しその再生を目指す「葵プロジェクト」に賛同した表具師、左官職人、大工、空間デザイナー等の若手の職人集団「景アート」が主催しています。
宮司が作られた茶碗を初め、葵を模った皿や鏡、木のぬくもりを掌で感じるおもちゃの様なオブジェやテレビボード、ライブペインティングもありました。
葵の葉も、若手の「ものづくり」も、育て根付かせていくためには、職人だけではなく私たちも美しいものや丁寧に作られたものにたくさん触れ、作り手と共に技術と審美眼を養っていく必要があるように思います。
今年はあいにくの雨で、ならの小川のせせらぎを楽しむ川床茶席は見当たりませんでしたが、来年こそは体験してみたいと思います。

おひなさまの思い出

2月26

hina 幼稚園の頃、友達の家の立派な段飾りを前に、ちらし寿司でお祝いをしたり、娘が保育園で折り紙で折って来たひな人形を壁に貼ってみたり、玄関に立ち雛を置いてみたりと、女性の数だけそれぞれに思い出があると思います。
子供の頃は、お内裏様の刀を鞘から抜いて錆びさせてしまったり、首を引っこ抜いてお人形さんの髪をボサボサにしてしまったり、随分とイタズラもしてしまいました。
おひなさんの頃に小学校を休んだとき、妹が給食で余った菱餅を家に持って帰ってくれた事もありました。
昔はひな人形を出すのもしまうのも母親任せにしていましたが、厄払いの意味もある事を知って以来、自主的に飾り付けたり、片づけたりするようになりました。
母親の言いつけ通り、おひなさんを出したら、まずはお水とお菓子を供えます。
もしかしたら、母も祖母からずっとそう言われて来たのかもしれません。
女の子たちの成長を見守り続けて来たおひなさん
今年はおひなさんが日曜日なので、親子で料理をしたり、ワインを片手に女子会で盛り上がったりできそうですね。

2013年2月26日 | イベント | No Comments »

修験宗天台宗系本山派総本山・聖護院門跡

1月28

shogo 京の街とは面白いもので、ずっと歩き続けているだけで外人さんやお坊さん、舞妓さんのほか、山伏にまで遭遇したりします。
その山伏で知られる修験宗は、日本古来の山岳信仰に仏教や道教などの思想が融合して成立した、最も日本的と言える庶民宗教です。
出家・在家を問わず、日頃は社会人として働いていて、修業の時だけ山伏となって菩薩道修業の実践を行っている信者が今でもたくさん存在しています。
その天台宗系本山派の総本山・聖護院門跡、「京の冬の旅」キャンペーンで12年ぶりに公開されています。
聖護院は代々皇室や摂家より門主を迎えた門跡寺院で、御所の火災時には仮皇居にもなった縁で、当院の紋は「菊法螺貝」。
平安期の本尊・不動明王立像(重文)や山伏法具などの宝物が豊富で、狩野派の障壁画も保存状態が良く、その殆どが柵を設けずに目と鼻の先で観る事ができます。
この空間を昨冬に公開開始された映画『大奥~永遠~[右衛門佐・綱吉篇]』の撮影ロケに利用するなんて、なんとも贅沢。
2月頭は拝観休止となっていますが、年男の山伏が豆を撒いて鬼を追い払う節分会が行われ、山伏問答など修験道独特の作法が観られます。

祇園のえべっさん

1月15

sasa 今年の初ゑびすは、「祇園のえべっさん」こと八坂神社の北向蛭子社をお参りする事にしました。
同じく祇園にある恵比須神社の境内は、昼間でもとぐろを巻く蛇の様な行列に埋め尽くされていましたが、八坂神社のえべっさんもここ最近じわじわと人気が上がって来ているとか。
ちなみに、有名な大阪の今宮戎神社は、八坂神社の氏子が今宮に移り住んだときに、祇園のえべっさんをその地にお祀りしたことが始まりだといいます。

福笹に吊すのは、打ち出の小槌や米俵、鯛などお馴染みのものの他にサイコロがユニーク。「勝負時に良い目が出る」のだそうです。
30分程の神事の後に無料・数量限定で受けられる「三社詣朱印紙」は、八坂神社の祖神(おやがみ)・子神・孫神からより強力なご神徳を授かるためのもので、境内の北向蛭子社(事代主命を祀る)と大國主社(大國主命)、本社(素戔嗚尊)でそれぞれ御朱印を押してもらいます。こちらは親しい人への福のおすそわけにしました。

八坂神社・かるた始め

1月8

karutaお正月にかるた遊びなんて、母親が若い頃の時代の話…と思っていましたが、年末のおもちゃ屋さんに様々な種類のかるた札やゲームが一角を彩っていて驚きました。
年が明けて八坂神社の「かるた始め式」を観に行くと報道陣と黒山の人だかりで、最初のうちは、両手を伸ばして撮影する人々のデジカメ画面越しに観るのがやっと。
競技かるたとは異なり、かるた姫達は勢いよく札を払うというよりは、そっと押さえるような仕草に見えました。
これは、奉納する「日本かるた院本院」が、競技的というより文化的なかるたを重んじるため、試合の勝敗よりも王朝の雅を表しているのでしょう。
かるたの団体にも、日本津々浦々、色々な組織があるのですね。例えば「京都府かるた協会」では1月20日に「京都新春初心者かるた大会」が開催されます(1月16日申込締切)。
競技かるた未経験者でも、小倉百人一首を全て暗記していなくても参加できるそうなので、興味のある方は問い合わせてみてはいかがでしょうか?

「一平茶屋」のかぶら蒸し

11月20

ippei 今月末より「吉例・顔見世興行」が始まります。その南座のすぐそばに、かぶら蒸しを名物としている京料理屋「一平茶屋」(075-561-4052)があります。
大正時代からその地に馴染んで佇んでいるためか、意外に見落としている京都の人も。

かぶらを描いた特製の染付の器のつるりとした手触りは、たっぷりのあんにかぶらが溶け込んだ、その滑らかな舌触りと巧くリンクしています。
「ぼちぼち聖護院(かぶら)も出てきましたねえ。」
夏でもかぶら蒸しを食べに来るお客さんもいるそうですが、これから迎える底冷えの季節にこそ、蕪の繊細な甘みが身体に染み渡り、きゅんと縮こまった身体をほっとゆるめてくれそう。
締めには、刻んだ三つ葉とやわらかでしっとりとしたおじゃこが載ったご飯で、お腹はぽかぽか。

京都らしいものを食べたいけど、手頃で気の張らないお店が好みの人に。予約がおすすめです。

PIECE OF PEACE

11月12

kin 幼い頃、最もよく遊んだおもちゃが「レゴ®ブロック」でした。
15周年を迎えた京都駅ビルを会場に開催された「ビルドアップジャパン レゴ®ブロックステーションKYOTO」(~11/11)では、「レゴ®ブロック」約30万ピースで720時間かけて制作したという長さ4.8mの「京都駅ビルモデル」が展示してあり、そばで覗き込む子供達に交じって、かつて「レゴ®ブロック」で遊んだであろう大人達も夢中になってカメラを向けていました。  →動画はこちら
また、同じく奈良の「法隆寺」や京都の「金閣寺」の再現もあり、これまた子供の頃に使っていたものと同じピースでできているとは思えない程の精巧さ。
これは世界遺産条約採択40周年を記念したチャリティーアートエキシビジョン「PIECE OF PEACE」(渋谷パルコにて12/3まで)のサテライト記念展示だったようです。
全長約4mの巨大ジンベエザメやサンゴ礁に泳ぐ熱帯魚、ベンチに腰かけたお爺さんに至るまで、あらゆるものが一つ一つのピースを組み合わせ、積み上げて創り出されています。
ということは、私達も世界を形作る一つのピースであるとも言えますね。

「ラリーニッポン2012」

11月5

rally観光庁や文化庁の支援を受け、日本の世界遺産等をクラシックカーが巡る「ラリーニッポン」。
今回のスタート地点は上賀茂神社で、境内には80台を越えるクラシックカーがずらり。あちこちでカメラを構える人や親子連れに上七軒の芸妓・梅嘉さん、車好きで知られる俳優の唐沢寿明さんの姿もありました。

各車は巫女さんから交通安全のお守りらしきものを受け取り、神職さんからお祓いを受けた後、たくさんの人から拍手や声援を浴びながら順次出発して行きました
車については何の知識も持ち合わせていませんでしたが、車内まで愛情たっぷり、ぴかぴかに磨き上げられたクラシックカーが秋の青空と神社建築に映え、杖をついた愛好家のおじいさんや和服の男性が楽しそうにクルマ談義をしている様子を見ていると、早起きして観に行った甲斐がありました。

当日の様子は、愛車で参加されていた雅楽演奏家の東儀秀樹さんのブログにも掲載されています。

市バスケーキ

10月15

bus明治45年6月11日に市電が運行を開始して以来、京都市営の交通は通勤・通学に利用する京都市民のみならず、京の町を縦横無尽に移動するリピート観光客にとってもお馴染みの「足」となってきました。

今年で開業100周年を迎えるのを記念して、市バス・地下鉄をデザインしたオリジナルケーキリーガロイヤルホテル京都から期間限定で販売をしていると聞き、その可愛さに早速予約をしてしまいました。

市バスとしての姿が壊れないよう、表面がマジパンとチョコでしっかりと固めてあるので、8等分して1切れを食べてもお腹がいっぱいに!グループで集まってわいわいと頂くのが良さそうです。
ただし、市バスケーキを切り分ける前にカメラで前方から、はたまた後方からも撮ろうと、撮影大会状態になってなかなか食べられなくなることは必至です。

2012年10月15日 | イベント, グルメ | No Comments »

下鴨神社でジブリ展

10月2

g下鴨神社にて、「鴨長明『方丈記』と賀茂御祖神社式年遷宮資料展」と「「定家と長明」展ースタジオジブリが描く乱世。ー」が始まりました。
「定家と長明」展は、小説家・堀田善衞氏が書いた『方丈記私記』を、愛読者の宮崎駿氏がアニメ化を長年に渡って構想していたそうで、もしもスタジオジブリが『定家と長明』として映画化したら…という趣旨で企画されたもの。
藤原定家と鴨長明、それぞれの生い立ちや性格、表情の変化まで踏み込んだ設定が作られ、彼らの目線からの平安京の姿を映したおびただしい数のイメージボードは、まるで本物のセル画同然に美しく描き込まれています。
最後まで目を通したら、きっと一本のアニメ大作を観た様な気持ちになるはず。いや、むしろ映画化して欲しい、とまで思ってしまうかも。
なお、ジブリ展や現代の方丈庵、資料展の会場はそれぞれ離れています。
入場券と共に頂くパンフレットも展示物も本当に多いので、たっぷり時間を取ってお出かけになる事をおすすめします。

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