京都は「一本入る」。
雛人形を飾り始める時期に明確な決まりは無いそうですが、立春を過ぎた頃からぼちぼち出す家もあるようです。
自宅を引っ越してから、玄関に季節の飾り物を置く棚が必要になりました。
久しぶりに訪れた荒神口の「ヴィンテージ・アンティーク家具&雑貨の店 STOCKROOM」。
大型量販店では出会えないような小物や家具が入り口に至る通路から並んでいて、心が躍ります。
「今日は冷やかしじゃないぞ」とお店の中を隈なく目を凝らして歩くうちに、ふと気になった木製のサイドボード。
高さの異なる別の棚がドッキングしたような形がユニークで、
「この段には花瓶を置こうか。その下には…」と想像力を掻き立てられました。
北欧の家具もいいけれど、日本のアンティークもやるじゃない。
その後、夷川の家具店通りも巡ってはみたものの、結局こちらに戻って来てしまいました。
送料を入れても3万円弱とは良心的。
京都は一本中に入ったところにいいお店がある。
河原町通りから一本東、人通りのそう多くない静かな通り沿いの古い建物の、更に薄暗い突き当りにあるお店ですが、常連らしき人足が絶えることのない人気ぶり。
数日後、我が家の玄関に収まりました。
閉まりがおぼつかなかった扉も綺麗に補正され、お店で眺めたときよりもすっきり端正な姿に見えます。引き出しを開けると、店主からの小さなお手紙も。
以前に他のネットショッピングでポチっと購入したときのまっさらの家具とは違って、既に時の旅をしてきた「家財」だからでしょうか、撫でてみると初めてなのに懐かしいというか、「うちにやって来てくれた」という気持ちが自然と湧いてきます。
ああもっと、これにまつわる物語を聞いておけばよかった!
帰宅した子供達も、これまでとは違う手触りに触れ、扉や引き出しを開けたり閉めたり、その感触を
確かめているかのようでした。
今日からこの子がうちの玄関の顔です。