e-kyoto「一言コラム」

ガイドブックには載っていない、スキマ情報をご紹介していきます。

建仁寺両足院の寅市

7月21
寅市

寅市

建仁寺塔頭両足院の「寅市」に行って来ました。
建仁寺は、交通機関や祇園の繁華街から近い好立地でありながら、門を潜ると驚くほど静かです。

毘沙門天堂のお膝元で、信楽焼や個性的な焼き物にちりめん染めを応用したストール、帽子等も展示販売されており、シンプルな和柄の七宝焼きピアスを購入しました。
作品を手に取り、作家と直接触れ合えるのが市の魅力。汗を拭いていると、お茶をくれたりパラソルを移動させて日陰を作ったりして下さいました。
次回は9月20日、21日に開催予定です。庭園の公開、月例茶会と共にどうぞ。

茶席で山鉾巡行

7月13
うちわとかき氷!?

うちわとかき氷!?

仲間内で恒例になっている浴衣のお茶会。祇園祭の宵山が近いこともあって、テーマは「祭」。
床には山鉾の掛け軸や檜扇水仙、横笛の香合が飾られ、お菓子は、夕暮れ空の微妙な色合いを表現した創作のくずまんじゅうでした。
中でも面白かったのが、正客から順番に出される平茶碗たち。最初に長刀鉾が描かれたもの、続いて内側の底に曳き山と縁に歩く町衆の絵柄が入った茶碗達が客の間を巡行していきました。

山鉾巡りは、モバイルe-kyotoへのQRコードが付いた便利なマップをどうぞ。

祇園祭と歌舞伎と宮川町

7月7

祇園祭の幕開けです。10日には神輿洗行われます。
花街・宮川町の名前は、御輿洗のための神水を汲む四条大橋辺りの鴨川を「宮川」と呼んだことからという説があります。

また、若衆歌舞伎が始まった頃、それに出演する若衆達は当時宮川町に軒を並べていた宿に出入りしていました。今日歌舞伎の観客からかかる「○○屋!」といった役者の屋号は、その宮川町の宿の屋号であったと言われています。
男だけの芝居・若衆歌舞伎たちには美少年が選ばれ、これが現在の歌舞伎の女形へと発展したといいます。
そんな事を想像しながら四条大橋を渡ると、当時の景色が目に浮かんできそうですね。

建仁寺両足院

6月22
建仁寺両足院

建仁寺両足院

建仁寺の塔頭・両足院では、葉の一部が白く変化する半夏生(はんげしょう)が見頃を迎えています。
臨池亭での呈茶席にて、初めてお茶室での煎茶道のお点前に触れる事ができました。
壁のほぼ一面分がまるごと切り取られたかのような開放的な空間に、瑞々しい緑の庭園からの風が吹き抜けて行きます。
途中で雨が降りだし、珍しく雷鳴の中でのお茶会となりましたが、恵みの雨を吸いこんで甦った方丈前の苔を眺めながら、ゆっくり雨宿りをさせて頂きました。
普段は非公開ですが、朝鮮通信史ゆかりの寺宝や重要無形文化財保持者・清水卯一親子三代の京焼の展示、国宝・如庵写しの茶室「水月亭」、虎市など、見所の多い塔頭です。
両足院の新緑画像はこちら

島原太夫さんの自伝

6月16

島原花扇太夫さんの自伝「太夫になった京おんな」(白馬社)を読みました。
歌舞伎や物語で登場する煌びやかな太夫ではなく、本人が語る島原太夫誕生の物語です
もくじには「廓のファッション史」「名妓「吉野太夫」物語」「同志社失敗」「リストラ太夫」など、興味をそそられる話題が満載。直感のままに行動!その後で考える!という花扇さんの体当たり行動と失敗話に思わず吹き出しながらも、周りの人に支えられながら自分で選んだ道に責任を持って挑む姿に引き込まれ、あっという間に読めてしまいました。
人生の途中での数々の挫折は、その時は「失敗」であっても、後に思いがけない「幸運」を運んでくれる事もある。そんな勇気をもらえる本だと思います。

2009年6月16日 | 芸能・アート | 1 Comment »

ギオンコーナー

6月1
文楽「八百屋お七」

文楽「八百屋お七」

茶道、琴、華道、雅楽、狂言、京舞、文楽といった日本の伝統文化をダイジェスト版で紹介するギオンコーナー
祇園甲部歌舞練場に隣接する弥栄会館内にあり、夜の観光スポットとしても人気でシアター内は外国人観光客と修学旅行生がわいわいと開演を待っています。
華道や狂言などは京都各地で見かける事はありますが、文楽の生ライブを鑑賞できるのはちょっと珍しいのではないでしょうか。気軽に茶道が体験できる教室もあります。
観光のための舞台なので、写真撮影も自由!舞妓さんの写真を撮りたい人には嬉しいですね。

2009年6月01日 | 芸能・アート | No Comments »

鴨川をどり

5月25
トレードマークは千鳥

トレードマークは千鳥

久しぶりに鴨川をどり(24日で終了)を観に行って来ました。昭和レトロな先斗町歌舞練場に足を踏み入れた瞬間から別世界の始まりです。
笛の音がひときわ綺麗だと思いパンフレットを見てみると、やはり藤舎名生さんによる音色でした。フィナーレで舞妓さんが客席に投げるサイン入りの手ぬぐいも今回は運良くキャッチ!
普段はGパン姿でラジオから流れる洋楽を聴きながらコーヒーを飲む生活をしている私達にとって、花街のおどりは自分の中にある日本人本来の感性が呼び戻されるひとときのような気がします。
6月には「京都五花街合同伝統芸能特別公演」があります。

川端康成「古都」

5月18

京都市が2000年に策定した「観光客5000万人構想」計画が、2年前倒しで実現したそうです。
京都を舞台にした川端康成の小説「古都」。平安神宮の桜を筆頭に葵祭、鞍馬の竹伐り会祇園祭大文字…と京の歳時記を追いながら進行し、ヒロイン・千重子の生い立ちが徐々に明らかにされていきますが、四季折々の京都の姿の描写の方がむしろ多く、まるで川端康成と歩く京都名所案内のようです。
山鉾巡行のルートが変わり観覧席が設けられた事が会話に登場したり、南禅寺や高台寺付近の家たちが料理旅館に様変わりしていたり、古都が観光都市として本格的に走り始めた頃の京都の様子が偲ばれるようです。

今後の目標は「質」重視の観光施策との事ですが、これからの古都は、どのように進化していくのでしょうか。

東山花灯路&韓国茶禮

3月16

東山花灯路が始まりました。賑わいの中からふと石塀小路へと迷い込むと、驚く程静かです。その一角に、韓国茶道・閑珠流茶禮が体験できる「閑珠房」があります。

吉田珠子先生は、とてもお綺麗で柔らかな物腰の方で、日本の茶道と韓国の茶禮の良いところを組み合わせた独自の作法を紹介されています。
ルールが複雑になり、茶道具が高価なものとなってしまった日本の茶道に比べて、韓国のものはとてもおおらか。華やかな色を好む民族性でしょうか、しつらいや小物がカラフルでとても可愛らしいです。

花灯路の灯りがともる前、チマチョゴリを着てお稽古体験なんていかがでしょうか。

明日の京焼 清水焼

3月9

東京・新丸ビルでの「明日の京焼 清水焼」展を観に行って来ました。

新しい感性に彩られた焼き物たちは、これまで伝統工芸品とは無縁だと思っていた若い人達にとっても心踊らされるものばかり。モダンなデザインに惹かれ、作家紹介を見ると、思いがけず熟年の職人さんであることに驚きます。

いくら素晴らしい技法を駆使したものでも、人を惹きつけるものが無ければ意味がありません。何事にも「センス」というものの大切さを実感します。

会場にあるアンケートに答えると、お土産に箸置きを頂きました。
開催は19日まで。入場無料。職人とクラフトバイヤー・日野明子さんによるトークショーが開催される日もあります。

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