建仁寺両足院
建仁寺の塔頭・両足院では、葉の一部が白く変化する半夏生(はんげしょう)が見頃を迎えています。
臨池亭での呈茶席にて、初めてお茶室での煎茶道のお点前に触れる事ができました。
壁のほぼ一面分がまるごと切り取られたかのような開放的な空間に、瑞々しい緑の庭園からの風が吹き抜けて行きます。
途中で雨が降りだし、珍しく雷鳴の中でのお茶会となりましたが、恵みの雨を吸いこんで甦った方丈前の苔を眺めながら、ゆっくり雨宿りをさせて頂きました。
普段は非公開ですが、朝鮮通信史ゆかりの寺宝や重要無形文化財保持者・清水卯一親子三代の京焼の展示、国宝・如庵写しの茶室「水月亭」、虎市など、見所の多い塔頭です。
両足院の新緑画像はこちら。
島原太夫さんの自伝
島原の花扇太夫さんの自伝「太夫になった京おんな」(白馬社)を読みました。
歌舞伎や物語で登場する煌びやかな太夫ではなく、本人が語る島原太夫誕生の物語です。
もくじには「廓のファッション史」「名妓「吉野太夫」物語」「同志社失敗」「リストラ太夫」など、興味をそそられる話題が満載。直感のままに行動!その後で考える!という花扇さんの体当たり行動と失敗話に思わず吹き出しながらも、周りの人に支えられながら自分で選んだ道に責任を持って挑む姿に引き込まれ、あっという間に読めてしまいました。
人生の途中での数々の挫折は、その時は「失敗」であっても、後に思いがけない「幸運」を運んでくれる事もある。そんな勇気をもらえる本だと思います。
ギオンコーナー
茶道、琴、華道、雅楽、狂言、京舞、文楽といった日本の伝統文化をダイジェスト版で紹介するギオンコーナー。
祇園甲部歌舞練場に隣接する弥栄会館内にあり、夜の観光スポットとしても人気でシアター内は外国人観光客と修学旅行生がわいわいと開演を待っています。
華道や狂言などは京都各地で見かける事はありますが、文楽の生ライブを鑑賞できるのはちょっと珍しいのではないでしょうか。気軽に茶道が体験できる教室もあります。
観光のための舞台なので、写真撮影も自由!舞妓さんの写真を撮りたい人には嬉しいですね。
鴨川をどり
久しぶりに鴨川をどり(24日で終了)を観に行って来ました。昭和レトロな先斗町歌舞練場に足を踏み入れた瞬間から別世界の始まりです。
笛の音がひときわ綺麗だと思いパンフレットを見てみると、やはり藤舎名生さんによる音色でした。フィナーレで舞妓さんが客席に投げるサイン入りの手ぬぐいも今回は運良くキャッチ!
普段はGパン姿でラジオから流れる洋楽を聴きながらコーヒーを飲む生活をしている私達にとって、花街のおどりは自分の中にある日本人本来の感性が呼び戻されるひとときのような気がします。
6月には「京都五花街合同伝統芸能特別公演」があります。
川端康成「古都」
京都市が2000年に策定した「観光客5000万人構想」計画が、2年前倒しで実現したそうです。
京都を舞台にした川端康成の小説「古都」。平安神宮の桜を筆頭に葵祭、鞍馬の竹伐り会、祇園祭、大文字…と京の歳時記を追いながら進行し、ヒロイン・千重子の生い立ちが徐々に明らかにされていきますが、四季折々の京都の姿の描写の方がむしろ多く、まるで川端康成と歩く京都名所案内のようです。
山鉾巡行のルートが変わり観覧席が設けられた事が会話に登場したり、南禅寺や高台寺付近の家たちが料理旅館に様変わりしていたり、古都が観光都市として本格的に走り始めた頃の京都の様子が偲ばれるようです。
今後の目標は「質」重視の観光施策との事ですが、これからの古都は、どのように進化していくのでしょうか。
明日の京焼 清水焼
東京・新丸ビルでの「明日の京焼 清水焼」展を観に行って来ました。
新しい感性に彩られた焼き物たちは、これまで伝統工芸品とは無縁だと思っていた若い人達にとっても心踊らされるものばかり。モダンなデザインに惹かれ、作家紹介を見ると、思いがけず熟年の職人さんであることに驚きます。
いくら素晴らしい技法を駆使したものでも、人を惹きつけるものが無ければ意味がありません。何事にも「センス」というものの大切さを実感します。
会場にあるアンケートに答えると、お土産に箸置きを頂きました。
開催は19日まで。入場無料。職人とクラフトバイヤー・日野明子さんによるトークショーが開催される日もあります。