ガツンとくる京うどん
暑い季節に熱い話題で恐縮ですが、以前から行ってみたかった「辨慶うどん 東山店」の訪問記です。
昭和50年に創業し、五条大橋のふもとに出した屋台から始まったそうで、以来ずっと京都人に愛されたきた京うどんの名店。
五条坂は何度も歩いているはずなのにいつも素通りしてしまっていました…。
検索してみて意外にもネット通販と公式インスタグラムまであることも初めて知りました。
外からは店内の様子は見えませんが、引き戸を開け一歩中に入ると、出汁の香りが細長い店の奥まで充満しています。
「けいらんうどん」に「かやくごはん」、「おにぎり」や「いなりずし」など、手書きのメニューと有名人のサインが所狭しと並び、席はカウンターも小上がりもあり、子供連れ家族からお年寄りまで美味しそうにうどんをすすっています。
看板メニュー「べんけいうどん」は、やはりやわらかな京うどん。
しかしながら、その出汁はガツンと鰹がぶつかってくるような力強い風味で、きんぴらはピリッと大人の味。甘きつねもスーパーや定食屋のペラペラなのではなく、厚くてしっかりとした味付けでした。
生姜の香りも相まって、これはきっとすじカレーうどんも美味しいに違いない。
帰り際にどうしても気になった「“ソッパうどん”て何ですか?」と尋ねると、「スジ肉のことなんです」とのこと。今でこそスジ肉は人気ですが、昔は人々に好まれず『ソッポを向かれる』というのが語源らしいですよ。
来月に五条坂周辺で開催される「五条若宮陶器祭」や清水寺の「千日参り」の前の腹ごしらえにいかがでしょうか。