杯を肴に酒に酔う
祇園祭神幸祭の神輿も通る祇園・古門前。
祭の喧騒を離れ、日本酒バー「THE BAR-SAKE」へ。
美術茶道具商「中西松豊軒」の目利きで選りすぐられた酒器を肴に様々なお酒を楽しめるところ。
ホテル「ART MON ZEN KYOTO(アールモンゼン京都)」内の畳のカウンター「天外」は、堂本印象が長刀鉾の稚児社参を描いた掛け軸や、丸平・大木平蔵による長刀鉾や山伏山の精巧な模型人形が据えられ、祇園祭のしつらいになっていました。
御簾に囲まれ、一人ずつお膳が並べられているだけでテンションが上がります。
エレガントな金髪美女と入れ違いでしたが、以前このホテルに滞在された時に利用されたリピーターとのこと。
まず目の前に出されたのが、祇園さんの紋の入った酒杯と杯台。
「永楽即全です。」京焼の家元の一つであり、千家十職の一つと名高い、いきなり名器の登場です。
今回主に頂いたのは、 京都府「神蔵」、栃木県「鳳凰美田」や青森県「田酒」、灘のシェリー樽熟成特別原酒「絲 ito 」など。
様々な酒杯の中から好きな酒器を選びながら、亭主と話に花を咲かせます。
国宝茶碗で有名な油滴天目をミニチュアにしたような杯も、手にしたとたん底に吸い込まれそうでした。
食前酒のように甘いもの、スパークリングワインのような発砲酒、ウィスキー樽に漬け込んだお酒など、お酒に詳しくなくても変化が楽しめて、杯に少しずつ色んな種類を頂くので飲みやすく、悪酔いもしません。
予算は税サ込みで5000円ほど。
唐揚げとビールで飲めや歌えやの宴席も楽しいものですが、あらゆる「本物」が集う京都で酔うなら、
お酒にも、それを湛える酒器にも思いを馳せて頂くひと時も京都旅の醍醐味ではないでしょうか。
(ちなみに、気に入った器は購入も可能とか)
こちらは金曜日と土曜日の営業ですが、その他の曜日は要相談とのこと。いずれも予約をしてくださいね。