e-kyoto「一言コラム」

ガイドブックには載っていない、スキマ情報をご紹介していきます。

京都らしいと感じる店・亀廣保

3月1

higashi
子供達とおひなさまの飾り付け。
「長い事しまわれて、喉乾いてはるやろ?」と、私の母がそうしてきたように、まずはお水をお供えしました。

先日、外国人のお客様をおもてなしするのに、季節の干菓子を求めて亀廣保の暖簾をくぐりました。
干菓子だと、日本の豊かな四季を映した造形を目で観て食べて楽しんでもらえるし、アレルギーや宗教上の食事制限などの心配も少なくて済みます。
先方が既に満腹のときや甘いものを控えているような場合は、懐紙に包んで持ち帰ることもできますね。

烏丸御池駅から近く、室町通りを上がったところにある亀廣保。
小上がりに小さなショーケースがあるだけ。
大正4年にかの亀末廣から暖簾分けし、NHK『美の壺』にもその洗練された熟練の技が紹介されるほどの腕利きなのに、「老舗です」という演出もせず本当に昔ながらの京都らしさを感じるお店です。
もちろん我が家の地元にも干菓子を扱うお店はあるのですがどれも意匠が可愛らしすぎるので、もう少し茶席にも出せるような風情を求める自分の好みにしっくりくるのです。

小箱に詰められた色とりどりの春の花や貝尽くしのモチーフの宝石たちが目に留まり、今年のおひなさんのお供え菓子に決めました。
桃の節句のお菓子といえば「ひちぎり」が定番ですが、艶やかな有平糖や州浜の歯応え、手触りも小さな手で感じて欲しい。
子供達の目が輝く様が目に浮かびます。

2023年3月01日 | お店, グルメ, 芸能・アート

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