e-kyoto「一言コラム」

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春のうつろい

4月20

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今年の桜は雨にも強く、長く楽しめたように思います。

早咲きの河津桜に始まり、辺りを華やかにする染井吉野に若葉が覗き始めた頃に、枝ぶりまで艶やか枝垂れ桜が花開き始めます。
そしてぽってりと毬のように愛らしい八重桜へと見頃が移りゆく花見も終盤の頃のお楽しみが、散った桜の花びらが水面を連なって流れていく花筏。
哲学の道高瀬川など川幅の狭いところに行くと、水面は一面花びらのじゅうたんのようになります。

朝の伏見に降り立ち、「京橋」の脇から降りて東へ川沿いに進み、その先にある伏見十石船の出発地点の方面へ。
川のカーブにさしかかる辺りは、新緑の合間に菜の花や雪柳が呼応するように鮮やか。
ちょうど酒蔵を背に十石船がさざ波を立てながら、レッドカーペットならぬピンクカーペットを進む姿を観る事ができました。
乗船したりゆく船を見かけると、手を振りたくなるのは何故なのでしょうか。カメラを片手に乗客に小さく手を振ると、気付いた方もまた小さく振り返してくれました。

昼間は自転車で青空と半木の道の枝垂れ桜を見上げながら鴨川沿いを走り、夕方には車で大原へ向かいました。
バス停「戸寺」付近の橋から高野川沿いを眺めたときは「ちょっと盛りを過ぎたかな?」と思いましたが、付近を走ってみるとまだ満開の桜がたくさん花を咲かせていました。
観光地化されていない、里山を遠くに川の両岸を縁取るピンクの霞です。地元の人くらいしか見かけませんでしたが、他にも桜を求めてはるばる車で来ている人もいるようでした。
日が落ちるのものんびりな週末の夕陽のなか、戸寺ふれあい公園からは子供達の「だるまさんがころんだ」の声が何度も響き渡っていました。

2022年4月20日 | 観光スポット

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